Construction column
施工管理の女性が抱える悩みは?施工管理の向き・不向きも紹介します
2022.12.31
建設現場では、男性だけではなく女性が施工管理の仕事をしている姿を目にすることもあるのではないでしょうか。
女性が施工管理として活躍できるように、これまで働きやすい環境づくりが進められてきました。
しかし、施工管理の仕事をする女性の中には悩みを抱えている方もいるのです。
そこで今回の記事では、施工管理の女性が抱える悩みについて詳しく解説していきます。施工管理の向き・不向きもあわせてご覧ください。
目次
施工管理は女性も活躍
以前は、施工管理といえば「男社会」というイメージがありましたが、現在は施工管理として活躍する女性も徐々に増えてきました。
ここからは、施工管理の女性がどれくらい活躍しているのかについて解説していきます。
施工管理の女性は増えてきている
施工管理は「男性でなければできない」「女性には難しい」という仕事ではありません。
施工管理の仕事には、発注者や協力会社との打ち合わせや予算内に工事を完成させるための原価管理などがあります。
また、構造物の品質管理や事故なく工事を進めるための安全管理なども、施工管理をする上で重要です。
ただ、施工管理の仕事は性別に関係なくできます。
男性と比較すると女性の施工管理は少ないですが、活躍する女性の割合は徐々に増えてきているのです。
国土交通省の建設業活動実態調査の結果では、女性の技術職の割合が公表されています。
平成30年は全体の約4.9%であるのに対して令和元年は全体の約5.2%、さらに令和2年は全体の約6.7%です。
技術職には、施工管理以外にも設計や積算のほか研究や営業なども含まれています。
しかし、建設業界全体で技術職の女性が増えていることから、施工管理として活躍する女性も増えてきているといえるでしょう。
女性活躍を推進
女性活躍を推進している団体には「けんせつ小町」や「土木技術者女性の会」などがあります。
「けんせつ小町」は、施工管理・設計・研究・営業など建設業で仕事をするすべての女性の愛称です。
一般社団法人 日本建設業連合会が2014年に立ち上げた団体で、建設業で仕事をする女性が働きやすい環境、働き続けられる環境をつくるための取り組みを進めています。
現場見学会やセミナーなどを定期的に開催し、女性同士のつながりを大切にしています。
「土木技術者女性の会」は、一般社団法人 土木技術者女性が立ち上げた団体です。
建設会社だけではなく、建設コンサルタントや官公庁などで活躍する女性のほか、女子大学生も参加して女性技術者同士で情報交換をしたりアドバイスをし合ったりしています。
働きやすい環境づくりの推進と女性技術者の知識の向上を目的に活動しています。
「東日本」「中部」「西日本」「九州」「北海道」と5つの支部があり、それぞれの支部で支部会や現場見学会などを実施し交流を深めているのです。
女性だからこそ感じる施工管理の悩み
施工管理として活躍している女性が増えてきた一方で、女性だからこそ感じる悩みもあるのです。
ここからは、女性だからこそ感じる施工管理の悩みについて解説していきます。
現場環境が整っていない
現場環境が整っていないことに悩んでしまう女性もいます。
男性用トイレだけではなく女性用トイレを設置をしている現場もありますが、中には「男性用トイレのみ」「男女共用トイレしかない」といった場合もあります。
また、現場事務所に更衣室がない場合もあるのです。真夏に屋外作業を行うと汗をかいて着替えたいときもあるのではないでしょうか。
しかし、更衣室がないと着替えができなくなってしまいます。
トイレや更衣室をはじめ現場環境が整備されていないと、女性にとっては大きな悩みになってしまうのです。
結婚や子育てとの両立ができるか不安
女性にとって気になるのは、結婚後や出産後のキャリアではないでしょうか。実は、施工管理の仕事をしている女性も同じように結婚や子育てとの両立ができるか不安に感じています。
施工管理といえば、繁忙期などは時間外労働が発生しやすいです。また、豪雨や地震などの自然災害が発生すれば、現場事務所で待機をしなければならないこともあります。
普段の業務においても、朝7時過ぎから事務所に向かい朝礼の準備したり、現場作業終了後の17時から事務作業を行ったりしなければなりません。
産休や育休を取得できたとしても、子どもが小さいうちは施工管理として復職するのが難しいのではないかと悩んでしまうことも多いのではないでしょうか。
女性は、結婚や出産によって生活スタイルが大きく変わります。そのため、将来を考えると施工管理を続けていくことに不安を感じてしまう女性もいるのです。
体力がなくて仕事が大変
施工管理の仕事は性別に関係なくできるものです。しかし、体力面で仕事が大変と感じてしまう女性もいます。
たとえば、現場によっては何度も昇降設備を上ったり降りたりしなければなりません。
墜落制止用器具を使用しレベルやスタッフなどの測量器具を持ちながらの階段の昇降は、女性にとって体力的にきついと感じてしまうのではないでしょうか。
また、時には資材や機材を運ぶこともあるため、女性にとっては筋力的に大変だと感じてしまいます。
男性と同じように仕事をしたいのに、体力がなくてつらいと感じて悩んでしまう女性もいるのです。
施工管理に向いている女性
施工管理に向いているのは、どのような女性なのでしょうか、ここからは、施工管理に向いている女性について解説していきます。
ものづくりに興味がある
施工管理は、直接ものづくりに関われるのが最大の魅力です。そのため、ものづくりが好きな女性にとって施工管理は大きなやりがいを感じられる仕事といえます。
ものづくりそのものに興味がないと仕事へのやりがいも感じられず、施工管理の仕事を続けるのは難しいです。
そのため「何もない状態からものづくりをしたい」「ものづくりで達成感を感じたい」という女性は施工管理に向いているといえます。
積極的にコミュニケーションを取れる
施工管理の仕事は、コミュニケーションなしでは進められません。上司や先輩といった社内の人以外にも、発注者や協力業者とコミュニケーションを取って仕事を進める必要があります。
そのため、どのような人とでも積極的にコミュニケーションを取れる女性は、施工管理に向いているといえます。
また、相手の意見をしっかりと聞き、自分の意見や考えを伝えることも大切です。
施工管理に向いていない女性
施工管理に向いていないのは、どのような女性なのでしょうか、ここからは、施工管理に向いていない女性について解説していきます。
屋外で仕事をしたくない
屋外で仕事をしたくない女性は、施工管理に向いていません。
施工管理は、施工計画書を作成したり工程表を作成したりするために事務所での作業もあります。しかし、現場で測量をしたり工事写真を撮影したりするなど、屋外での作業も多いです。
真夏の暑い日や寒い日、天候が悪く雨の日も関係なく現場で作業を行わなければなりません。
「屋外での作業はしたくない」という女性は、施工管理に向いていないといえます。
残業や休日出勤ができない
どうしても残業や休日出勤ができないという女性は、施工管理に向いていないといえます。
施工管理は比較的残業が多いため、必ずしも定時で帰宅できるとは限りません。また、豪雨や地震などの自然災害が発生してしまうと、休日であっても出勤する必要があります。
ただ、家庭の事情などのために「残業はできない」「休日出勤はできない」という女性もいるのではないでしょうか。
そのため、施工管理の働き方がプライベートに支障をきたしてしまう場合は、働き続けるのが難しいです。
建設業の中でも、施工管理以外の職種を選ぶことで働きやすさを実現できるでしょう
まとめ
今回の記事では、施工管理の女性が抱える悩みと向き・不向きについて解説しました。
施工管理の仕事そのものに興味はあっても、家庭環境を考えると施工管理として働き続けるのは難しいと感じる女性もいます。
そんな女性におすすめなのが発注者支援業務という仕事です。
発注者支援業務は発注者に代わって業務を行います。比較的残業が少なく土日祝も休日であるため、働きやすさが魅力の発注者支援業務。
ぜひ、発注者の立場でものづくりに関わってみてはいかがでしょうか。