Construction column
「建設コンサルタントは大変」ってホント?建設コンサルタントの現実と仕事の魅力を紹介
2023.4.30
「『建設コンサルタントは大変』ってよく聞くけど、実際のところはどうなんだろう?」
「建設コンサルタントの仕事にはどんなやりがいがあるのかな?」
という疑問を持っているという方も多いのではないでしょうか。
建設コンサルタントは、公共インフラの整備には欠かせない重要な仕事。大変なことも多いと言われています。
しかし、それ以上に多くのやりがいや魅力があるのも事実。
そこで今回は、「建設コンサルタントは大変」と言われている理由や仕事の魅力、将来性などについて紹介します。
建設業界で働きたい!建設コンサルタントの仕事に興味がある!という方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
建設コンサルタントとは
建設コンサルタントは、社会インフラの建設に関わるあらゆる調査・計画・設計・管理をおこなうのが仕事です。
自治体や国などの行政機関は、新たに道路やダム、病院、学校などの公共工事をおこなう際、まずは建設コンサルタントに対して仕事を依頼します。
依頼を受けた建設コンサルタントは、近隣・地域住民の声・意向の聞き取りや需要の予測調査などを行い、基本計画や設計案を提案します。
発注元と地域住民の意向のバランスをとりながら仕事をしなければなりません。
さらに、工事全体を予算内に納期通りに遂行させなければならないという重積も担っています。
「建設コンサルタントは大変」と言われる理由
建設関係の就職を検討していると、「建設コンサルタントは大変だよ」と言われることがよくあります。
なぜ、「建設コンサルタントは大変」と言われることが多いのでしょうか。主な理由は以下の通りです。
・仕事量が多い
・納期が厳しい
・勉強しなければならないことが多い
・発注者とゼネコンとの板挟みになる
・高い責任感や緊張感が求められる
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
仕事量が多い
建設コンサルタントは、建設業界のなかでも比較的ハードな仕事であると言われます。
建設コンサルタントは、自治体や国土交通省などの行政機関を相手に仕事をすることが多く、予算や納期などが厳格に定められていることがほとんど。
関係企業や地域住民の意向なども聞きつつ、法令を遵守し、計画から完成までの業務がスムーズにおこなわれるよう管理しなければなりません。
発注者から急な変更を指示されることも少なくなく、変更のたびに限られた時間と予算のなかでさまざまな対応をします。
長時間労働や深夜の残業、休日出勤などをしなければならないことも多く、体力的にも精神的にもタフさが求められます。
納期が厳しい
自治体や国土交通省からの依頼で仕事をする建設コンサルタント。期間内に必ず工事を完了させられるように工事全体を管理する必要があります。
期間内に工事が終わらなければ、それに伴う人件費などが余計に発生してしまいます。
税金が投入されている公共インフラの工事。よほどのことがない限り、納期に間に合わず余計な費用が発生することは避けなければなりません。
建設コンサルタントは、常に納期や予算管理に追われることになります。
勉強しなければならないことが多い
建設コンサルタントは、「建設のプロ」の立場からあらゆるアドバイスをおこなうのが仕事。そのためには、建設やそれに付随するさまざまな専門知識が必要です。
設計や構造計算といった建設の基礎的な知識はもちろん、地質学、都市計画や関連する法律に至るまで、多くのことを学ぶ必要があります。
さらに建設とは直接関係のない原価計算などの経理の知識も必要。
常に新しい知識を身につけ続けることが大切です。
特にキャリアが浅いうちは、関連する資格の取得が必要なケースもあり、長時間の労働に加えて日々の勉強と、ゆっくり休息する時間はあまり無いかもしれません。
発注者とゼネコンとの板挟みになる
公共インフラの建設工事には、「設計・施工分離の原則」というものがあります。
設計・施工分離の原則とは、設計事業者と施工事業者が別でなければならないという決まりのこと。建設コンサルタントが調査や設計を担当し、施工管理の業務はゼネコンがおこないます。
発注者から受注した仕事をゼネコンに回すのが建設コンサルタントの仕事のため、場合によっては発注者とゼネコンの板挟みになってしまうことも。
両者の意向を聞きつつ調整し、うまく立ち回らなければならないので、高いコミュニケーション能力とマネジメント能力が求められるのです。
高い責任感や緊張感が求められる
建設コンサルタントの主な仕事は、自治体や国から依頼を受けるインフラ工事。税金が使われる工事のため、その分責任も重くなります。
大規模なインフラ工事には、事故の危険性も。少しのミスが重大事故に繋がってしまう可能性もあるので、常に緊張感を持って仕事をすることが求められます。
建設コンサルタントの魅力
大変なことも多い建設コンサルタントの仕事。ですがそれ以上に多くの魅力ややりがいがあります。
建設コンサルタントとして働くことの主な魅力は以下の通りです。
・インフラの整備などの大規模な仕事に携われる
・社会への貢献性が高い
・ワークライフバランスが取りやすい
・給料が高い
項目ごとに詳しく見ていきましょう。
インフラの整備などの大規模な仕事に携われる
建設コンサルタントは、自治体や国土交通省などからの依頼でダムや道路、病院、学校などの公共工事をコンサルティングする仕事です。
人々の暮らしや命を守る公共のインフラを作る仕事に携われるのはこの仕事の大きな醍醐味です。
社会への貢献性が高い
公共インフラである病院や学校、道路などの建設に携わる建設コンサルタントは、社会への貢献性がとても高い仕事です。
特に災害大国日本では、災害に備えたインフラを作ることが求められます。
人々の生活や命を守る大切なインフラ整備に携われるのは、この仕事の大きなやりがいです。
ワークライフバランスが取りやすい
大手のゼネコンは、業務内容に建設コンサルタントを含んでいることが多いです。
そのため、ゼネコンと建設コンサルタントはよく比較されます。
大手ゼネコン勤務の人と、建設コンサルタントとして働いている人の残業時間の差は倍程度。建設コンサルタントの方が残業時間が少ない傾向にあると言われています。
勉強時間を確保したり、家族や友人と過ごす時間を大切にしたりと、仕事とプライベートのバランスは、建設業界のなかでは比較的取りやすいです。
残業時間が比較的少なく、プライベートの時間を確保しやすい点は、建設コンサルタントの魅力です。
給料が高い
建設コンサルタントは、幅広い分野の知識や高いスキルが要求される仕事。
仕事内容も責任が重く、常に緊張した状態で働かなければなりません。
しかしその分、建設コンサルタントは給料が高い傾向にあります。
平均年収は500万円程度。さらに多く稼いでいる人では、年収が1000万円を超えるという人もいます。
努力が収入という形で評価されるので、やりがいを感じることができるでしょう。
建設コンサルタントの将来性
人々の生活を支える公共インフラを整備する建設コンサルタント。
新規のインフラ整備の仕事は縮小傾向にありますが、老朽化した道路や建物などの建て替えや補修、災害時の対応など、今後も活躍の場は多くあります。
また、建設コンサルタントの経験があれば、施工管理などの分野でも高く評価されます。
今後働きやすい環境になることが予想される施工管理で、これまでの経験やスキルを活かせる可能性も。
建設コンサルタントの将来性は、とても明るいと言えるでしょう。
まとめ
建設コンサルタントは、社会のインフラを整備することで人々の生活と安全を守るとても重要な仕事に携わります。
大変なことも多い分、やりがいや達成感はより大きなものになるでしょう。
社会に貢献する仕事がしたいと考えている人にはぴったりな仕事です。
建設業界への就職を考えている人には、「発注者支援業務」という選択肢も。
公共インフラ工事の発注者である自治体や国に代わってさまざまな業務を行います。
休日や勤務時間は基本的に公務員と同じなので、仕事とプライベートのどちらも大切にしたいという人にとってはとても魅力的です。
建設業界で働きたいと思ったら、ぜひ発注者支援業務もご検討ください。