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Construction column

建設コラム

実はなくてはならない!公共工事について解説

2024.2.29

公共工事は、日々の生活を支え、社会の安全と発展を保障する基盤を築きます。

この記事では、公共工事の必要性、その歴史、そして施工管理や建設コンサルタントといった専門家の役割を解説します。

公共工事が如何に社会にとって不可欠か、そしてこれらのプロジェクトに関わることが個人のキャリアにどのような意味を持つかを皆さんにお伝えしたいと思います。

転職を考えている施工管理者や建設に興味がある方にとって、この記事が公共工事の理解を深め、新たなキャリアパスを探求するきっかけになれば幸いです。

公共工事とは?

公共工事とは、私たちが日々の生活で利用する道路、橋、公園、ダムなど、公共の施設を整備するための建設工事のことを指します。国や都道府県、市町村などの行政機関が、税金である予算を投じて発注します。

民間工事との違い

公共工事と民間工事の区別は、主に誰がその工事を発注するかにあります。公共工事は、国や地方自治体などの公的機関が担い、税金が資金源です。

これに対して、民間工事は個々の企業や個人が資金を提供し、発注する工事です。この違いは、工事の目的や資金の調達方法、実施されるプロジェクトの性質にも影響します。

公共工事は社会基盤の整備や公共の福祉の向上を目指すのに対し、民間工事は商業的な利益追求や個人の需要を満たすことが多いです。

公共工事の仕組みと流れ

公共工事は

  1. 資格審査
  2. 入札
  3. 落札
  4. 工事・検査

の流れで進みます。

まず資格審査として

  • 建設業の許可
  • 経営事項審査
  • 税金の納付状況
  • 欠格要件の非該当

などの基準を満たさなけばなりません。

この段階をクリアした企業のみが、次に入札に参加する資格を得ます。

入札では、最もコスト効率の高い提案をした企業が選定されます。種類は一般競争入札から指名競争入札まで多岐にわたりますが、公平性を保つための厳格なルールが設けられています。

落札後、契約締結、施工計画の策定、工事の実施と進み、最終的には完成検査を経て引き渡しが行われます。

身近の公共工事

身近の公共工事として、一般的なものを以下で解説します。

・土木工事

道路、橋、トンネル、ダムなど、社会基盤を支えるインフラを建設・維持する工事です。山を切り開いたり、川をせき止めたり、大地を削ったり、様々な技術を用いて人々の生活を支えます。

・道路工事

安全で快適な道路を維持・整備するための工事です。舗装の補修、拡幅、橋梁の架設など、様々な工法を用いて、人々の移動を支えます。

・建築工事

市民会館や公民館の建設・更新は、地域コミュニティの場を提供し、災害時には避難所や対策拠点としての役割を果たします。

これら公共工事は社会インフラを支え、日々の生活や安全を守るために必要不可欠です。

なぜ公共工事が必要なのか?

 公共工事は社会インフラを整備し、国民の生活と経済を支えるために欠かせません。

なぜ公共工事が必要とされているのか以下の項目で掘り下げていきます。

・公共工事は誰のために

・公共公共の重要性

・インフラストックとフロー

公共工事は誰のために?

公共工事は、国民全体、地域、未来、そして誰もが利用できるインフラを整備・維持するために必要不可欠なものです。

しかし、公共工事に対する理解が低く、その必要性が十分に認識されていないという問題があります。

例えば、道路や鉄道などの交通網を整備することで、地域のアクセス向上や物流効率化につながります。また、観光施設や災害復旧工事なども、地域の発展に重要です。

公共工事によって整備されたインフラは、誰でも利用可能です。

年齢、性別、国籍、収入などに関係なく、平等に恩恵を受けることができます。

つまり、公共工事は「みんなのために」行われているのです。

公共工事の重要性

公共工事は、社会基盤の整備と維持に不可欠であり、私たちの生活品質を向上させる重要な役割を担っています。

第一に、交通網の拡張や修復により、地域間のアクセスが向上し、経済活動が活発になります。

第二に、災害対策としての防災構造物の建設は、自然災害からのリスクを軽減し、市民の安全を守ります。

最後に、公共空間の整備は、市民の健康やレクリエーションの機会を提供し、地域コミュニティを豊かにします。

つまり、公共工事は私たちが生活する上でなくてはならないのです。

インフラストックとインフラフロー

インフラストックは既存の公共施設や設備を指し、インフラフローはこれらの維持・更新や新規プロジェクトです。両者は公共工事で密接に関連しています。

・インフラストック

インフラストックとは、社会の基盤となる公共施設やサービスを支えるための物理的な資産の総称です。インフラストックの維持と更新は、持続可能な社会を支える基盤です。

・インフラフロー

インフラフロー効果とは、公共工事による雇用創出効果です。

 大規模な公共工事は、建設業を中心に多くの雇用を生み出します。雇用創出は、地域経済の活性化、個人所得の増加、消費拡大につながります。

公共工事に関わる職種と役割

公共工事では、計画立案者、施工管理技士、技術者、労働者など多岐にわたる職種が協力し、社会基盤を構築・維持しています。

建設技術者の不足

建設業界は、労働力の高齢化に直面しており、特に60歳以上の従業員数が30歳未満の倍以上に上ります。

この後継者不足は、技術者の減少を招き、公共工事の品質に影響を与える懸念も。

公共工事の品質確保のため、法律では技術提案の提出を発注者が求めることや、入札参加業者の若手技術者の育成状況を評価することが規定されています。

これにより、技術者の育成と質の高い公共工事の確保が大きな課題です。

施工管理・コンサルタントの役割は?

施工管理と建設コンサルタントは、社会インフラの整備に不可欠な役割を担う職種です。

施工管理とは、工事現場の監督者として、工事が安全かつ高品質に、そして計画通りに進行するように管理します。

主な業務内容として

工程管理: 工事スケジュールの作成、進捗状況の確認、調整

品質管理: 設計図通りに工事が進んでいるか確認、手抜き工事の防止

安全管理: 安全対策の指導、現場環境の整備

原価管理: コスト削減のための材料調達、工事費管理

が挙げられます。

次に建設コンサルタントとは、建設事業の企画から調査、設計、施工監理まで、幅広い業務を担当します。

主な業務内容として

企画立案: 事業の必要性、実現可能性を調査、基本方針を策定

計画策定: 図面やデータに基づき、具体的な建設計画を作成

調査: 環境、地質、交通量など、建設に影響を与える要素を調査

設計: 安全性、機能性、経済性を考慮した設計図を作成

施工監理: 設計図通りに工事が進んでいるか監督

維持管理: 完成後の施設の点検、補修、長寿命化計画の策定

が挙げられます。

どちらの職種も、高い技術力と責任感、そしてコミュニケーション能力が求められます。

建設業界は、人材不足が深刻化しており、若手もしくは経験豊富な施工管理者や建設コンサルタントは非常に歓迎されています。

公共工事の歴史を知ってますか?

公共工事は、古代から人類の文明の発展とともに歩んできました。古代エジプトのピラミッドや万里の長城など、歴史に残る偉大な建造物は、全て公共工事によって建設されたものです。

以下に時代とともに行われてきた公共工事を記載していきます。

 古代エジプト:ピラミッド、スフィンクス

 古代メソポタミア:灌漑施設、都市計画

 古代ローマ:道路、橋梁、水道

 ヨーロッパ:城、大聖堂

 中国:万里の長城、運河

 産業革命:鉄道、工場

 明治時代:道路、鉄道、港湾

 戦後復興:道路、橋梁、学校

 高度経済成長期:新幹線、高速道路、都市開発

 バブル経済期:公共事業の拡大

 現代:老朽化したインフラの更新

公共工事は、時代とともにその役割を変えながら、社会の発展を支え続けてきました。

まとめ

公共工事は、生活基盤の整備から経済発展まで、幅広い社会的価値を提供します。施工管理者や建設コンサルタントなど、関わる職種は多岐にわたり、それぞれが質の高いインフラを築くために不可欠な役割を担っています。

この記事を通じて、公共工事の重要性とその背景にある歴史や職種の役割について理解を深め、施工管理や建設コンサルタントのキャリアに興味を持つ人々への理解が深まれば幸いです。

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