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土木とはどんな仕事?建築工事との違いや土木工事で活かせる資格も紹介
2023.12.12
土木は私たちが安全な生活を送るために欠かせない仕事です。
日々の生活の中で当たり前のようにある道路や鉄道、空港なども土木工事によって造られています。
今回の記事では、土木工事がどのような仕事なのか?建築工事との違い、そして土木業界で活かせる資格について詳しく解説します。
土木業界に興味がある方、キャリアチェンジを考えている方はぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
- 土木とは
- 土木と建築の違い
- 土木工事で活かせる資格
目次
土木とは?
土木とは、私たちの生活に欠かせないインフラを整え、暮らし全体を便利にするための重要な仕事です。
例えば、道路や橋、ダムなどの整備が挙げられます。
また、建築物をつくる前準備として地盤を整えるのも土木の範囲です。
一般的に、土木の担当範囲は「地面の下」と言われています。
さらに、土木と聞くと肉体労働のイメージを持たれるかもしれません。
しかし、実際には学問として土木工学の分野が確立しており、人々の安全を確保するために日々研究が進められています。
特に地震の多い日本では、地震や津波による被害が懸念されますが、適切な対策をすることで、被害を大幅に軽減できます。
こうした自然災害に対して、どのような対策をとればよいのかを考えるのも、土木業務の大切な役割です。
土木工事と建築工事の違い
土木工事が社会基盤の整備や生活インフラの構築に対して、建築工事は人々の生活や社会に必要な施設の建設を目的としています。
それぞれの内容を詳しく見ていきます。
土木工事
土木工事は主に以下のような工事です。
- ・道路工事
- ・橋梁工事
- ・トンネル工事
- ・河川工事
- ・港湾工事
- ・上下水道工事
土木工事は建物そのものではなく、インフラや公共施設の建設や維持が主な対象です。
建築工事
建築工事は、主に建物を作るための工事を指します。
以下、具体例です。
- ・一戸建てやマンションの建設
- ・オフィスビルやショッピングモールの建設
- ・工場や倉庫の建設
- ・学校や病院の建設
- ・建物のリノベーションや改修工事
工事の種類によっては、設計、基礎工事、建て方、設備工事、仕上げ工事など、複数の段階に分かれます。
土木と建築の違いをもっと詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
建築と土木の違いは?仕事内容や施工管理業務に必要な資格を紹介
土木工事の仕事内容
土木工事の仕事は、機械を使って作業する「機械士工業務」と、人力で行われる「士工業務」の2つに大きく分類されます。
それぞれ詳しく解説します。
機械士工業務
機械士工業務は、ブルドーザーやショベルカーといった重機を操作する作業がメインです。
以下具体例です。
- ・資材の運搬:土砂やアスファルトの運搬
- ・地面の採掘:重機を使用して土を掘り出し、目的に応じて深さや範囲を決定
- ・地面や道路の整地:土地の凹凸をなくし、平らにする作業
これらの業務は、機械を利用しないと大きな労力を必要とするためほとんどのケースで機械が利用されています。
さらに、特定の資格を保有していないと操作できない機械もあります。
士工業務
土工業務は、すべての建設の基本であり、安全性を確保するために欠かせない作業です。
建築によって造られる建造物の土台を造る基礎工事と、道路を整備と維持管理していく分野に分かれます。
建造物の基礎工事と言われる分野では、建造物の安定性と耐久性を確保するための業務があります。
以下具体例です。
- ・地盤調査
- ・土地の掘削
- ・地盤の強化
- ・コンクリート打設
また、道路の整備と維持管理の分野では、車両と歩行者の安全な通行を確保するために以下の作業をします。
- ・道路の新設工事
- ・既存道路の補修
- ・舗装工事
- ・排水設備の整備
土工業務は、肉体労働と思われがちですが、実際には高度な専門技術やスキルが求められることも多い業務です。
土木の主な種類
土木の仕事内容は、機械を使って作業する「機械士工業務」と、人力で行われる「士工業務」の2つでした。
これらを組み合わせて行う代表的な工事の種類を紹介します。
トンネル工事
主に交通路や水道、電線などライフラインの設置を目的とする工事です。
山や地下を掘削して通路を作ります。
トンネルを掘るために、専用の機械を使って岩盤を削り、崩れないように内壁をコンクリートで補強します。
近年では、自然災害や老朽化に備えるための整備工事も増えています。
橋梁工事
橋梁工事は、川や道路、鉄道を渡るための橋を建設する工事です。
橋を支える基礎部分から、上に伸びる橋脚や人や車、電車が通る橋桁を建設します。
車両や歩行者が安全に通行できるように舗装や安全設備を整えます。
河川・海岸工事
河川・海岸工事は各場所で水害を防ぎ、安全確保のために行う工事です。
河川工事は大雨による氾濫を防ぐため、河川の掘削や堤防を強化します。
また、下流・中流・上流など場所によって工事内容が変わるケースも。
海岸工事では、防波堤や護岸を設置して、海からの波や高潮による被害を防ぎます。
さらに、海岸以外にも船上・排水口にある建造物や水底にある土砂を取り除く作業を行います。
ダム工事
ダム工事は砂防ダム工事や貯水池ダム工事などがあり、土砂やコンクリートを使ってダム造りをします。
砂防ダムは、上流から流れてくる土砂を止めて、下流へ行く土砂の量を調整する工事をします。
一方、貯水池は利水や治水として利用するための人工湖です。
コンクリートや土砂を使って堤を作り、水圧に耐えられる強度を確保することが必要です。
空港建設工事
空港建設工事は、飛行機の発着に必要な滑走路やターミナルビルなどを作る工事です。
広大な敷地に滑走路を舗装して、飛行機が安全に離着陸できるように整えます。
また、海上での空港建設工事の場合、埋立造成工事や護岸築造工事をするなど、陸上とは異なる工事をしなければなりません。
この場合、海上に関する知識と高度な技術が必要です。
下水道工事
下水道工事は、生活排水や雨水を処理するための下水道システムを構築する作業です。
道路を掘り返して、土台を作ってからパイプを埋め込み、汚水を大きなパイプに流すための排水枡(はいすいます)という設備を取り付けます。
これにより、家やビルから出る汚水が、スムーズに下水道へと流れるようになります。
※排水枡:下水道システムの中で汚水や雨水を一時的にためて、流れを調整したり、方向を変えたりするための設備のこと
土木の魅力とは
土木工事は、人々の暮らしに大きく貢献し、やりがいのある仕事です。
そんな土木の魅力について、解説していきます。
多様なキャリアを選べる
土木と言っても仕事内容はたくさんあり、自分のスキルや性格に合わせたキャリアを選べます。
例えば以下のようなものがあります。
- ・建築設計
- ・環境工学
- ・地盤工学
また、土木現場で経験を積むことで、現場のリーダーとなり、スキルや知識を最大限に発揮できます。
自分の興味に沿って仕事の幅を広げられるため、やりがいへとつながるでしょう。
クリエイティビティを発揮できる
土木工事は複雑な工程が多く、地形や地盤条件、環境への対応が求められます。
複雑な工程に対応する力を養うことで、独創的な解決策や技術の導入ができるようになり、クリエイティビティを発揮して業務に取り組めます。
またクリエイティビティの求められる業務をすることで、業界全体を前進させ、新しい技術の開発につながります。
そして技術を活かした業務に携われることも、魅力的なポイントです。
仕事の成果を目で見て感じられる
土木工事によって完成した建設物は、目に見え、触れられるため、自分が携わったプロジェクトの実績を実感できます。
たとえば、新しく開通したトンネルが交通をスムーズにし、架け替えられた橋がより地域間移動を便利にする様子を、直接目で確認できます。
こういった仕事の成果の見える化は、働き手に達成感と誇りをもたらし、仕事へのモチベーションを高めてくれるでしょう。
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土木工事で活かせる資格
土木工事で活躍するための資格を紹介します。
土木施工管理技士(1級・2級)
土木施工管理技士は、国土交通大臣指定機関が実施する国家資格です。
1級の資格を取得すると、土木工事のほぼ全般の分野で主任技術者・監理技術者として活躍できます。
また、国家資格は権威性が高いので、就職や転職、昇給・昇進で有利になるというメリットもあります。
土木施工管理技士について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
2級土木施工管理技士の資格は必要?求人や転職への影響はあるのか
コンクリート診断士
コンクリート診断士とは、コンクリート構造物に関する知識を持つ者に与えられる資格です。
日本コンクリート工学会が実施する講習会を修了した上でコンクリート診断士試験に合格すれば取得できます。
現代の建築物はほとんどコンクリート造なので、完成から年数が経っている建物の老朽化の程度を診断するための知識が多く求められています。
コンクリート診断士の詳細は、以下の記事にまとめているのでぜひ参考にしてみてください。
コンクリート診断士とは?転職先や受験資格、勉強方法などを解説
まとめ|土木工事に携わるなら発注者支援業務がおすすめ
土木工事に携わるなら、発注者支援業務がおすすめです。
発注者支援業務は、工事の発注者である官公庁をサポートする業務で、その公共性の高さから、働きやすく人気の業務です。
また、給与や福利厚生が公務員に準じているため、生活が安定し、民間の会社と比較して休みが多いところも魅力的なポイントです。
さらにその専門性の高さから、スキルや知識も身につけられ、施工管理者として大きく成長できます。
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