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建設コラム

土木施工管理技士 1 級と2級の違いは?役割や試験、気になる年収も紹介します

2023.11.17

土木施工管理技士

土木施工管理技士の資格は、構築される未来の基盤を担う専門家の証です。しかし、1級と2級では何が違うのでしょうか?この記事では、さらに専門性を深めた国家資格として、1級と2級の等級が設けられている土木施工管理技士のそれぞれの等級はどのような違いがあるのか、それぞれの資格取得によってどのような仕事ができるようになるのか、そしてどのような試験を通過しなければならないのか、詳しく見ていきましょう。

土木施工管理技士には1級と2級がある

土木施工管理技士 1級と2級

土木施工管理技士の資格は、建設プロジェクトの要となる国家資格であり、国土交通大臣の機関から認定されます。この貴重な資格を持つことで、営業所の専任技術者や主任技術者、さらには各建設現場の監理技術者としての職責を担うことができます。

これらの役割は、プロジェクトの安全と品質を保証し、建設工事が計画通りに進行することを確実にするために不可欠です。1級と2級の資格には明確な違いがあり、それぞれが建設現場で果たすべき役割や責任、そして必要とされる専門知識のレベルが異なります。

1級と2級の仕事内容の違い

土木施工管理技士 1級2級の違い

このセクションでは、1級と2級ではどのような仕事の内容が違うのか詳しく説明していきます。

2級土木施工管理技士

2級土木施工管理技士は、主に中小規模の建設プロジェクトにおいて重要な役割を果たします。これには、道路、橋、河川の堤防や護岸などの工事が含まれます。

2級の資格を持つ技術者は、「一般建設業」の専任技術者として、工事現場で主任技術者に必要とされる指示や監督を行うことができます。これらの業務は、工事が規定の品質と安全基準を満たすようにするために不可欠です。

1級土木施工管理技士

1級土木施工管理技士は、2級の資格を持つ者よりもさらに大規模なプロジェクトの施工管理を行う資格があります。この資格を持つ者は、「特定建設業」および「一般建設業」の専任技術者として活動することが可能です。

加えて、工事現場ごとに配置される監理技術者の役割も担うことができ、特に4,000万円以上の下請けを出す元請けの特定建設業者にとっては必要不可欠な資格です。1級技術者は、プロジェクトの指揮をとり、より複雑で専門的な判断が求められる状況でも、その知識と経験を活かして工事が滞りなく進むよう監督します。

1級と2級の試験内容の違い

土木施工管理技士 試験

土木施工管理技士試験では、試験種別ごとに試験日や受験資格などが異なります。土木施工管理技士試験の概要についてみていきましょう。

受検資格の違い

施工管理技士 受験資格
引用元:国土交通省(令和6年度以降の技術検定制度概要(改正概要

土木施工管理技士の受験資格は、学歴と実務経験の両方に基づいて決まります。1級と2級の試験では、必要とされる実務経験年数が異なります。例えば、大学や「高度専門士」を卒業した者は、1級では卒業後3年以上、2級では卒業後1年以上の実務経験が必要です。指定学科以外を卒業した場合、1級では4年6ヶ月以上、2級では1年6ヶ月以上の実務経験が求められます。

短期大学、高等専門学校、または「専門士」の称号を持つ専門学校を卒業した場合、1級は5年以上、2級は2年以上の実務経験が要求されます。高等学校や中等教育学校、専修学校の専門課程を卒業した場合、1級では10年以上、2級では3年以上の実務経験が必要です。また、他のいかなる背景を持つ者も、2級では8年以上、1級では15年以上の実務経験を要します。

2021年度の4月からは、2級の第二次検定合格者が1級の第一次検定を受験する場合、受験資格が不要になるなど、受験資格が緩和されました。ただし、第二次検定を受験するには、合格後5年以上の実務経験が必要であり、2級合格の翌年から1級第一次検定を受験できるようになります。

さらに、第一次検定合格者には「技士補」という新しい資格が付与され、これにより第一次検定が免除され、第二次検定を何度でも受験することができます。技士補の資格を持つことで、監理技術者の配置義務が緩和されるなどのメリットもあり、土木施工管理技士を目指す方にとっては大きな利点となるでしょう。

詳しくは「全国建設研修センター」にて確認してください。

出題科目の違い

2級

2級土木施工管理技士の試験は、複数の専門分野に分けられており、「土木」「鋼構造物塗装」「薬液注入」といったカテゴリーが存在します。

受験者はこれらの中から一つの分野を選択し、その分野に関連した第一次検定と第二次検定を受けることになります。

第一次検定では、土木工学の基本から施工管理法、法規などが問われ、第二次検定では選択した分野に特化した施工管理法が試されます。2級の学科試験に関しては、実務経験は不要で、17歳以上であれば誰でも受験することが可能です。

1級

1級土木施工管理技士の試験は、さらに高度な知識と技能が求められます。第一次検定では、土木工学の高度な内容から施工管理法、法規に関する詳細な問題が出題されます。

第二次検定では、具体的な施工管理に関する高度な問題解決能力が試されることになります。1級試験の受験者は、広範な知識と共に、それを現場で応用する実務経験が求められます。

令和6年度からは試験内容に変更が加えられているため、受験者は最新の試験情報を事前に確認し、準備する必要があります。

難易度

土木施工管理技士の試験は、学科と実地の二部構成になっています。第一次検定では、土木工学全般にわたる知識、法規問題、施工管理の方法など幅広い範囲から出題され、四択の選択問題形式で行われます。

一方で第二次検定は、第一次検定で問われる知識に加え、より実務に即した知識が要求されます。実地試験では、選択問題に加えて記述問題も出題されるため、より深い理解と応用が求められると言えます。ただし、第二次検定には「実技」という形での物理的な作業は含まれていません。

合格率は年度によって変動がありますが、傾向としては、第一次検定の合格率が50%前後、第二次検定が30%前後であることが多いです。両試験に合格することで初めて土木施工管理技士と認定されます。

2級に比べて1級の試験はより高度な知識が求められるものの、適切な受験資格を持っていれば、1級試験への挑戦も推奨されています。試験の難易度は高いですが、それに見合った専門性とキャリアアップの機会を得ることができるでしょう。

合格率

土木施工管理技士の資格取得を目指す際、特に1級は高い難易度があると一般的に考えられています。しかし、実際のところ、1級の第一次検定(学科)の合格率は約50%〜60%と比較的高く、第二次検定(実地)も約30%〜40%の合格率を示しています。この統計を見ると、2級土木施工管理技士の合格率と大きな差はないことが分かります。

両試験の合格基準は共通しており、第一次検定と第二次検定でそれぞれ総得点の60%以上を獲得する必要があります。どちらかの検定で基準に達していない場合は不合格となるため、試験の準備は慎重に行う必要があります。全体の合格率は、受験者がこの基準をどの程度満たしているかによって大きく左右されます。したがって、1級の試験に挑む際は、学科と実地の両面にわたり均等に対策を行うことが合格への鍵となります。

1級と2級の年収の違い

1級2級の年収の違い

2級と1級では扱える現場規模に違いがあり1級の方が幅広い現場で活躍できるため、収入についても1級の方が昇給しやすいようです。

土木施工管理技士の資格を持つことは、年収面でのメリットが期待できる要素の一つです。2級土木施工管理技士の場合、求人情報から得られるデータに基づくと、転職市場における年収相場はおおよそ300万円から500万円程度となっています。

実務経験年数が比較的少ないため、初めから高い年収を提示する企業は少ないようです。多くの場合、資格手当が付くことはありますが、その額は大きくはないため、年収の大幅なアップは昇進によって期待されるのが一般的なパターンです。ただし、2級資格を持っていると現場の責任者としての役割を果たせるため、無資格時よりも昇進のチャンスは増えるでしょう。

一方で、1級土木施工管理技士の年収相場は400万円から700万円程度とされています。1級資格の取得には最大15年の長い実務経験が必要ですが、そのために即戦力としての評価を受け、転職時の条件が良い傾向にあります。

資格がない状態での転職に比べて、100万円から300万円程度の年収アップが見込めることも多いようです。また、1級資格者はより大規模な公共事業の監理技術者としての職に就くことができるため、より高い責任を伴う仕事を通じて昇進や年収アップの可能性が広がると考えられます。

まとめ

いかがでしたか?今回の記事では、土木施工管理技士には1級と2級について紹介してきました。土木施工管理技士1級と2級の間には、担当できるプロジェクトの規模や職責に明確な違いが存在しました。試験の内容もまた、1級がより高度な知識を要求される傾向にあり、その分、年収の見込みも上昇します。

また、土木施工管理技士の資格が生かされる働き方に「発注者支援業務」があります。エムエーシーでは発注者支援業務についての求人のご相談を承っています。ぜひお気軽にご相談ください。

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