Construction column
建設コラム
建設業への転職の将来性は?オススメの職種も紹介!
2023.5.09
建設業への転職の将来性はあるのでしょうか? 結論からいいますと、2023年度以降の動向に期待が持てるため、将来性はあるのではないでしょうか。 一つの指標としては、国土交通省が発表している「建設投資の見通し」が、参考になります。 建設投資は、公共・民間ともに、増加しています。 大きな要因としては、コロナ禍から回復傾向にあり、活発化した業態があること。 また、公共事業では、気象変動に伴い「防災・減災の強化」を掲げていることが、挙げられます。 そして、建設業では、いよいよ時間外残業規制などの「働き方改革関連法の適用」が、2024年より本格化します。 少子高齢化などによる人手不足を解消すべく、残業や週休二日制などの是正のみならず、 国土交通省では、ICTの活用による効率化や女性定着推進など、さまざまな施策を投じています。 今回は、建設業への転職の将来性とオススメの職種を紹介します。
目次
2023年度の建設投資の見通しは、増加傾向
国土交通省が発表している「建設投資の見通し」によると、 2023 年度は 68 兆 4,300 億円の建設投資額で、前年度は、66 兆 6,900 億円だったため、比較すると2.6%の増加です。 政府建設投資、民間建設投資ともに、同水準もしくは増加しています。 この「建設投資の見通し」では、1992年度の84兆円をピークとした建設投資は、その後減少傾向をたどりながらも、2011年東日本大震災以降に右肩上がりの上昇傾向にあります。 一方で、就業者数は、2011年以降も横ばいなのです。
トピック1:公共事業では、防災・減災、国土強靱化の対策が強化
国の直轄・補助事業については、2020(令和2)年に閣議決定した「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を考慮に入れて推計されています。 これは、災害時に対応するのみならず、事前に防災の一環として堤防やダム、砂防関係施設などの整備・建替が行われます。
トピック2:コロナ禍からの回復
⾧引くウクライナ情勢による原油高や建設資材価格の高騰などといった懸念材料があるものの、2022年度と同様にコロナ禍からの回復傾向がみられます。 例えば、訪日外国人増加を見込みインバウンド需要への対策などが挙げられます。 出典: 国土交通省/建設投資、許可業者数及び就業者数の推移 (一財)建設経済研究所・(一財)経済調査会 経済調査研究所/建設経済モデルによる建設投資の見通し( 2023 年 4 月 )
建設業の現状
建設投資は、公共・民間ともに、堅調に増加しているようですが、 建設業の取り巻く環境はどのようなものでしょうか? ここでは、建設業の現状を解説します。
就業者数が横ばいで人手不足
前述通り、建設業では2011年以降に就業者数が横ばいと伝えました。 また、右肩上がりからの横ばいではなく、就業者のピークである1997年以降は下降し、横ばいです。 1993年から2010年の建設投資は、下降傾向であったものの、2011年以降は堅調でも上昇しているため、就業者数も増やしていきたいところです。
業界自体が変革期
建設需要は変化しながらも、堅調に上昇する中で、就業者数が横ばいである理由として、 少子高齢化の影響があるといえます。 今後は、団塊世代の大量離職もあるため、対策が必要です。 国土交通省では、「建設業働き方改革加速化プログラム」と称し、さまざまな取組を始めています。 建設業団体も一緒になって、官民で推進しています。まさに変革期です。
国土交通省と建設業の取組
対策としては、 ワーク・ライフ・バランスといった、仕事と生活を調和させることにより、長く働ける環境づくりです。 そして、就業者を増やすためにも、効率化を図り、中長期的に安定的・持続的な事業量の確保をするといった試みです。 具体的には、「長時間労働の是正」「給与・社会保険」「生産性向上」で、 時間外残業規制などの労働環境を変えることや、技能・経験が視覚化する仕組み、ICTの積極的な活用による効率化です。 参考コラム:建設業は、もっと働きやすくなる!時間外残業規制や国土交通省の取組を解説
建設業の仕事の種類
建設業では、現場の施工を対応する技術に関わる職種から、営業や事務といった幅広い業務があります。
中でも、建設業といえば、技術系の仕事が特徴的です。今回は、技術系の職種について、紹介します。
これから建設業に携わりたい、という人は、特に施工管理を検討してみてはいかがでしょうか?
施工管理
施工管理では、建設現場においての安全管理や予算管理をする業務で、監督や管理を任務します。 建設現場には、施設やビル、住宅の「建築」、河川や道路といったインフラ整備の「土木」、ビル内の「設備」という種類があります。 施工管理には、施工管理技士といった国家資格があります。 しかし、基本は現場での実務経験が重視されており、年齢や学歴は不問とされています。 参考コラム: 施工管理は大変?施工管理の現実と仕事の魅力を紹介 【学歴不問】施工管理技士が、制度見直しへ。文・理系や学歴に影響しない技術系国家資格
設計
建物など建設するための設計図をつくる業務です。 図面の作成は、CADやBIMといった設計するためのソフト・システムを使用します。
技術者・技術職
施工管理者の指示のもと、建設工事の作業をするのが職人です。 それぞれが専門的で技術領域があり、分かれています。 例えば、土木工事は土工、高所工事はとび職人、壁や床は左官工、内装の工事は内装工などです。
公共工事と民間工事の違いとは?
公共工事と民間工事の違いはどんなことでしょうか。 公共工事の発注者は、国や行政機関などの公共団体に対して、民間工事の発注者は、民間企業や個人という違いがあります。 公共工事では、入札の実施や施工するにあたっての取り決めなど、厳格な法律やルールのもとで発注されます。 例えば「災害」といった社会的に必要不可欠な対策として、インフラ工事を行うため、重要性は高く、公共工事ならではの大規模なプロジェクトも多く、貴重な経験になることでしょう。
発注者支援事業
国や行政機関による公共工事は、発注者支援事業として、民間へ発注をしています。 民間企業の雇用創出という目的がありますが、どの企業でも良いわけではなく、選定は入札を行い、契約制度もあります。 そのため、発注者支援業務は、実績や体制が整っている建設コンサルタント会社が、参加することになります。 参考コラム:【発注者支援業務に携わる人も知っておくべき】公共施設の建設など工事の入札に関する流れや確認事項について解説
まとめ
今回は、建設業への転職の将来性や、オススメの職種を紹介しました。 建設業では、堅調に建設投資は増加しており、人手不足を解消するために、国土交通省や建設業界とで、働き方改革を促進しています。 今後、建設業への就職を検討されている人は、そんな業界の状況を知ったうえで、自分に合った仕事を探してみてはいかがでしょうか? 株式会社エムエーシーでは、発注者支援業務として、国土交通省やNEXCO、都道府県の公共事業の建設業務を全国で展開しています。 少しでも、ご興味がある方は、ぜひご検討してみてください。