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建設コラム

河川巡視支援業務とはどんな仕事?未経験では難しい?

2023.3.12

皆さんは河川巡視支援業務という言葉を聞いたことがありますでしょうか?

普段意識することはほとんどないかと思いますが、大雨や洪水が発生した時などに川の水が溢れてしまわないか、と様子を見たりしたことはありませんか?

今回は、河川の状態を管理・維持する河川巡視支援業務について詳しく見ていきましょう。今後、この仕事に就きたい方にはどのようなスキルや資格があったら良いのかも併せて紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。

河川巡視支援業務とは?

河川巡視支援業務とは、河川を巡回し河川の管理・維持・保全などに関する業務のサポートを行う仕事です。

河川の堤防周辺をオレンジ色の車が走っているのを見たことある方もいらっしゃるかもしれませんが、あれはまさにパトロールをしている最中なのです。

普段はほとんど気にしないかと思いますが、河川施設は大雨による水害・洪水・土砂災害などが発生した時には防災対策として重要な役割を果たします。

私たちのインフラ生活を維持するだけでなく、緊急時にもすばやく対応できるように常日頃の点検を通して地域の防災・安全につなげています。

河川巡視支援業務ではどんな確認作業を行うのか

それでは実際、どのような点検・確認作業を行っているのか詳しく見ていきましょう。パトロールは基本的に1人で行われ、2〜3日おきに1回の頻度で確認作業をします。大きい河川の場合にはいくつかの区間に区切って担当が割り振られます。

・河川内に水の流れを阻止する大きなゴミや障害物がないか

・河川の水質・水位に異常はないか

・河川敷を不法に占領している物はいないか

・堤防・護岸・水門などの施設に劣化や破損は見られないか

・河川敷にある公園やグラウンドが適正に使用されているか

・敷地内に不審物・不法駐車・不審者はいないか

こうしてみると意外にも確認事項が多く驚かれたのではないでしょうか。

特に堤防や水門などは災害時や緊急時に備えて建設されているものなので、そこに劣化や破損が見られると思わぬ惨事の原因になってしまうことがあるため、定期的に確認する必要があります。

また、釣りができる河川において禁止されている区域で釣りをしてしまう人や、故意的に関係者しか入れないエリアに侵入してしまう人がいるのが事実です。その他にも敷地内にホームレスが滞在してしまっていたり、大きなゴミの不法投棄なども後が絶ちません。

このような事態を把握した場合にはすぐに報告、そして似たようなことが起こらないように対策を考えるのも河川巡視支援業務の1つといえます。

河川巡視支援業務において求められるスキルとは

それではここからは、河川巡視支援業務をするにあたって求められるスキルについて見ていきましょう。

緊急対応スキル

常日頃の確認作業をしていても、突然の大雨などの自然災害は予測がしにくいものです。突然の水害や災害時にも慌てることなく冷静な判断を持って対応するスキルが求められます。

住民には適切な情報提供を行いながら、必要な場合には避難指示などの対応も行います。

事務処理のスキル

河川の見回りだけなら事務仕事も少ないのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、河川巡視支援業務では確認作業後の報告書の作成や河川観測データの解析なども行います。

高度な事務処理のスキルである必要はありませんが、ExcelやWordなどはある程度使えるようにしておくのが望ましいです。

運転スキル

河川巡視支援業務の見回りは、バイクまたはパトロールカーで行います。ですので、通常の運転免許証と併せて原動機付自転車免許の所持が求められることがあります。

原動機付自転車免許の場合、地域によって多少異なるものの、原付講習の受講と学科試験の受験が同時にできる場合には最短1日で免許の交付を受けることができます。

通常の運転免許証を所持していれば、原動機付自転車の運転も認められていますが、心配な方は講習を受けてはいかがでしょうか。

コミュニケーションスキル

河川巡視支援業務は発注者である国土交通省や自治体とのやりとりがほとんどですので、ある程度のコミュニケーションスキルが求められます。

普段定期的に情報共有をしていることでいざという時にもすぐに対応できますし、担当者との交流だけではなく、近隣住民の方との交流もトラブルを未然に防ぐ対策につながる場合があります。

河川巡視支援業務で必要とされる資格は?

河川巡視支援業務をする際には下記のような資格が必要です。

土木施工管理技士

河川巡視支援業務にはあまり関係なのでは?と感じるかもしれませんが、水門や堤防など、河川に必要な施設や構造物に異常がないか、技術者視点での確認作業が必要なため国家資格である土木施工管理技士の資格が必須です。

土木工事といっても、トンネル工事・鉄道工事・道路工事の他にダム工事や河川工事なども含まれるので、試験においても幅広い分野の問題が出題されます。

まずは誰でも受験できる2級土木施工管理技士の取得から目指してはいかがでしょうか。

河川維持管理技術者

河川維持管理技術者の資格は河川の維持管理に必要な応用的技術・経験・河川に関する知識・経験が求められる資格です。

担当地域の河川の特性などを熟知し、災害等が起きても状況把握・迅速な対応をすることで地域の安全につなげます。

河川点検士

河川点検士は河川の維持管理に関する基本的な技術・経験が求められる資格です。

点検要領などのマニュアルに沿って点検を行い、河川の維持管理をします。

河川維持管理技術者と河川点検士の資格は必ずしも必須ではありませんが、河川によっては有資格者が求められることもあるので、取得しておいて損はありません。

出典:河川技術者資格

河川維持管理技術者と河川点検士の資格は平成30年2月27日付けで「国土交通省登録技術者資格 」として登録された比較的まだ新しい資格です。まだ所有している人が少ないため、早い段階で取得しておくと今後の資格手当や優遇措置が受けられるかもしれません。

まずは発注者支援業務をめざそう

河川巡視支援業務を行う場合、ほとんどの企業で発注者支援業務や行政補助、公物管理の経験の有無が問われます。

全くの未経験で河川巡視支援業務を行うのは難しいため、まずは発注者支援業務の仕事を始めるのをおすすめします。

河川巡視支援業務は見回りの業務がメインではありますが、堤防に亀裂が見つかった際にはその原因を突き止めるための知識が必要です。発注者支援業務はそのような土木建設に関する知識を得るにはぴったりの業務と言えるでしょう。

また、上記で説明したような求められるスキルや、土木施工管理技士の資格は発注者支援業務をするにあたっても必須の項目ですので、今後も建設業界で長く働きたい、と思っている方はぜひ資格取得に挑戦してみましょう。

まとめ

いかがでしたか?河川巡視支援業務によって地域の水に関する安全がいかに守られているのかを実感できたかと思います。

河川巡視支援業務はあらゆる知識が問われる責任感のある仕事ですが、それと同時に社会貢献度の高い仕事でもあります。また、景気に左右されず、安定した仕事であるため20代〜50代と幅広い年齢から人気のある職ですので、皆さんもぜひ河川巡視支援業務の職を目指してはいかがでしょうか。

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