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建設コラム

測量補助業務とはどんな仕事?測量計画に沿って正確な測量を行う重要な業務です!

2023.5.26

測量は、建設や土木の現場だけでなく、街中でもよく見かける馴染みのある仕事ではないでしょうか。

その測量業務において、測量実務を行う人と一緒に、スムーズに業務が進められるように協力するのが測量補助業務です。

本コラムでは、測量補助業務の業務内容や、測量業務と比較しながら違いなどを解説します。

測量業務とは

測量補助業務の業務内容を解説する前に、まずは測量業務について解説します。

測量業務には、「外業」と呼ばれる屋外での業務と「内業」と呼ばれる事務所内での業務の2種類があります。

測量業務における外業は、立案された作業計画や測量計画をもとに、作業現場へ出向いて行う測量業務です。2〜5人程度のチームを組み、GPSやトランシット、レベル、光波測距儀など、専門的な機器を用いて地形や距離を測量します。

そこから、測量で得られた結果を計算し、工事に必要となる基準点を正確に設定する重要な業務です。

工事が開始された後は、構造物が設計された位置に正確に造られているかなど、細部測量も行います。

測量ミスや計算ミスがあると、工事全体の失敗につながってしまうこともあるため、慎重に何度もチェックを必要とする業務と言えるでしょう。

内業は、事務所内で行う作業のことで、作業計画や測量計画を立案することから始まります。

実際の測量が行われた後は、観測データをもとに計算を行い、測量ソフトを使用して図面を作成し、必要となる書類とともに依頼者へ提出する業務です。

また、紙の図面をデジタル化したり、ドローン測量などで撮影した航空写真やデータをもとに、地図を制作する地図測量も内業として行うこともあります。

測量業務と測量補助業務の違い

測量業務と測量補助業務は、ともに道路などの社会インフラ整備の現場や、建設現場などの測量を行う業務です。

測量を行う業務であるという点では、共通していますが、法律によって仕事の内容が分けられている点に違いがあります。

その違いとは、測量業務においては測量計画の立案作成を行い、測量補助業務においてはその測量計画にもとづいて、実際の測量を行うという点です。

つまり、立案された測量計画にもとづいて、現場において正確な測量を行うのが測量補助業務と言えるでしょう。

ただし、実際の業務においては、この業務の区分が厳格に行われている訳ではありません。業務に携わる人々の実力や経験を考慮し、スムーズに測量が進むように、臨機応変な対応が

行われます。

測量補助業務の内容

ここからは、測量補助業務の詳しい内容をみていきましょう。上述の通り、測量補助業務とは言え、行う業務は実際の測量と同じです。

業務の内容としては、「基準点測量」、「水準測量」、「地形測量」、「路線測量」、「河川測量」、「用地測量」の6つがあります。

基準点測量

基準点測量とは、すでにある基準点(既知点)から新しい基準点(新点)を設置する測量です。

基準点とは、地球上での位置や海面からの高さが正確に測定されている三角点や水準点、電子基準点のことを言います。

基準点測量の具体的方法は、地上の平面位置となる経度や平面直角座標系の座標位置が定められている既知点から、新点への方向や角度、距離をGNSS測量機や、トータルステーション等により観測し、新点の平面位置を決定することです。

また、また、既知点の種類や距離、新点の距離に応じて、1級基準点測量~4級基準点測量に区分されています。

水準測量

水準測量は、高低測量とも言い、地表面の正確な高低差を求めるための測量です。

主に、水準儀(レベル)を用いて2つの点の間の高低差や、さまざまな地点の地盤高の測定、一定の高さを確認するために行われます。

水準測量は大きく2つに分類され、「直接水準測量」と「間接水準測量」があります。一般的に、水準測量というときは「直接水準測量」のことです。

直接水準測量は、レベルと標尺を使用して直接高低差を求める測量方法で、間接水準測量は、トランシットを用いて鉛直角を測定し、計算によって高低差を求める方法をいいます。


この方法は、三角測量の高低計算に相当することから、「三角水準測量」とも呼ばれます。

地形測量

地形測量は、基準点やトータルステーション(TS)点にTSやGNSS測量機を設置して、地形、地物を測定し、数値地図等を作成する測量です。

具体的には、国が管理している道路台帳図を作成するための測量や、車載写真レーザ測量システムを用いて、車道から測量を行う方法があります。

地形測量は一般的に、その方法によって「平板測量」と「空中写真測量」の2種類に分けられます。

平板測量は、一~四等三角点および1~4級基準点を平板図紙の上に所定の縮尺で図示し、これを基準にし、現地において地形や地物等の位置および形状を測量し、使用目的に適した地形図等を作成する作業です。

空中写真測量は、航空機等から撮影された空中写真を利用し、写真上に写し出された土地の形状および地物等を計測することで、地形図等を作成する作業のことをいいます。

地形図等は、防災や設計、環境などさまざまな用途に利用されています。

路線測量

路線測量とは、一般的には道路や鉄道などを新設する際に、位置の決定や、現地の形状を調査する測量です。

路線測量には、線形決定、中心線測量、縦断測量、横断測量、用地幅杭設置測量などがあります。

路線測量は、上記の目的だけではなく、調査、計画、実施設計及び維持管理に用いられています。

河川測量

河川測量とは、河川の洪水などによる災害防止のための調査や、河川の適正な利用、流水の正常な機能といった、治水及び利水の統合的な管理に必要な資料を得るための測量です。

また、河川の形状や水位、断面、流速、流量などを測量し、図面の作成を行います。

さらに、これらと同様に海岸等における維持管理、保全のための測量も含まれています。

調査の性質上、定期的、継続的に行うものとされており、その結果については、治水や利水の総合資料として用いられるため、重要な業務だと言えるでしょう。

具体的な測量方法には、距離標設置測量、水準基標測量、定期縦断測量、定期横断測量、深浅測量、海浜測量があります。

用地測量

用地測量は、道路や河川、鉄道建設に必要となる土地を取得するために、関係する土地を測量し面積を算出する測量です。

用地測量では、一筆ごとに地権者などの関係者と対象地域の境界を確認してもらわなくてはいけません。最終的には、権利者や関係者全員の署名押印を求め、土地境界確認書の作成まで行います。

境界測量によって正確な位置と面積を算出し、確定することで、土地の取得・売買等に必要な調査を行います。

まとめ

測量補助業務は、測量業務の補助的な作業を行うようなイメージがあるかもしれません。しかし、測量の現場においては、測量補助業務を受け持つ担当者が実際の測量を行うことが多いと言えるでしょう。

測量は、社会インフラの整備だけでなく、自然災害の防止や維持管理のためにも必要となる重要な業務なのです。

このように、人々の生活の基盤となっている社会インフラを整備する業務に携わり、人々の安全・安心を守る仕事をしてみたいと考えている方は、「発注者支援業務」もおすすめです。

発注者支援業務は、国や都道府県などの自治体や、官公庁が発注する公共事業の発注業務をサポートする仕事です。

公務員と同じような年間休日や勤務時間など職場環境も整っており、安定的な仕事であることも魅力のひとつでしょう。

国民の生活を支えるインフラ整備に関われる「発注者支援業務」の仕事も、ぜひ視野に入れてみてください。

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