会社ロゴ白抜き

Construction column

建設コラム

発注者支援業務で求められる資格とは?取っておきたい資格を紹介します!

2023.1.28

発注者支援業務

建設業界で仕事をするとき、資格を持っていることで仕事の幅を大きく広げられます。

発注者支援業務においても、仕事をする上で必要な資格があるのをご存知でしょうか。

そこで今回の記事では、発注者支援業務で求められる資格について解説していきます。

資格を活かして仕事をしたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。

発注者支援業務をするために必要な資格

発注者支援業務は、基本的には資格を持っていなければできない仕事が多いです。

それでは、どのような資格を持っていると良いのでしょうか。

ここからは、発注者支援業務をするために必要な資格について国土交通省とNEXCOを例に解説していきます。

国土交通省の場合

国土交通省の発注者支援業務は、工事の内容によって求められる資格が異なります。

今回は、土木工事が相当程度含まれる場合や電気通信設備工事のみの場合、造園工事が相当程度含まれる場合の工事監督支援業務を例にみていきましょう。

土木工事が相当程度含まれる場合

配置予定管理技術者に求められる資格要件は次のとおりです。

・技術士(総合技術監理部門(建設)または建設部門)

・1級土木施工管理技士

・土木学会特別上級土木技術者、上級土木技術者または1級土木技術者

・一般社団法人 全日本建設技術協会の公共工事品質確保技術者(I)(II)

・RCCMまたはRCCMと同等の能力を有する者

配置予定担当技術者に求められる資格要件は次のとおりです。

・技術士(総合技術監理部門(建設)または建設部門)、技術士補(建設部門)

・1級土木施工管理技士、1級土木施工管理技士補または2級土木施工管理技士

・土木学会特別上級土木技術者、上級土木技術者、1級土木技術者または2級土木技術者

・一般社団法人 全日本建設技術協会の公共工事品質確保技術者(I)(II)

・RCCMまたはRCCMと同等の能力を有する者

電気通信設備工事のみの場合

配置予定管理技術者に求められる資格要件は次のとおりです。

・技術士(総合技術監理部門(電気電子)または電気電子部門)

・1級電気施工管理技士

・1級電気通信工事管理技士

・一般社団法人 全日本建設技術協会の公共工事品質確保技術者(I)(II)

・RCCMまたはRCCMと同等の能力を有する者

造園工事が相当程度含まれる場合

配置予定管理技術者に求められる資格要件は次のとおりです。

・技術士(総合技術監理(建設)または建設部門)

・1級土木施工管理技士

・土木学会特別上級土木技術者、上級土木技術者または1級土木技術者

・一般社団法人 全日本建設技術協会の公共工事品質確保技術者(I)(II)

・RCCMまたはRCCMと同等の能力を有する者

・1級造園施工管理技士

国土交通省の工事監督支援業務は、令和4年度から土木工事における配置予定担当技術者の資格要件に1級土木施工管理技士補が追加されたのがポイントです。

また、国・都道府県・政令市・中核市・特殊法人などで職員として5年以上河川または道路関係の技術的行政経験があれば業務ができる場合もあります。

国土交通省 関東地方整備局|発注者支援業務・公物監理補助業務等の方針について

NEXCOの場合

NEXCOの発注者支援業務は、管理員によって求められる資格が異なります。

管理員はⅠ〜Ⅳまでの4パターンあるため、それぞれについてみていきましょう。

管理員I

管理員Ⅰの場合、管理員Ⅱで監理技術者として3年以上の実務経験があることに加えて、次のいずれかの資格を持っている必要があります。

・技術士(建設部門、農業部門、森林部門)

・RCCM

・土木学会特別上級技術者または上級技術者

・1級土木施工管理技士

管理員Ⅱ

管理員Ⅱの場合、管理員Ⅲとして2年以上の実務経験があることに加えて、次のいずれかの資格を持っている必要があります。

・技術士(建設部門、農業部門、森林部門)

・RCCM

・土木学会特別上級技術者、上級技術者または1級技術者

・1級土木施工管理技士

管理員Ⅲ

管理員Ⅲの場合、次のいずれかの資格を持っている必要があります。

・技術士(建設部門、農業部門、森林部門)

・技術士補(建設部門、農業部門、森林部門)

・RCCM

・土木学会特別上級技術者、上級技術者、1級技術者または2級技術者

・1級土木施工管理技士 

・2級土木施工管理技士

管理員Ⅳ

管理員Ⅳの場合、2級土木施工管理技術検定における指定学科卒業者等であれば仕事ができます。

管理員Ⅳは、若手技術者が参入できるように平成30年6月に新設されました。

「指定学科卒業者等」とは、土木工学・都市工学・衛生工学・交通工学および建築学に関する学科の卒業者のことを指します。

2級土木施工管理技術検定で求められる実務経験年数は問われないのもポイントです。

また、指定学科以外の卒業者でも2級土木施工管理技術検定の学科試験の合格者の場合は、資格要件を満たすとされています。

東日本高速道路株式会社|施工管理業務実施要領(R4.3)

東日本高速道路株式会社|施工管理業務共通仕様書(令和4年3月)

発注者支援業務の資格要件が緩和

「発注者支援業務は、難しい資格を取らなければできないのか」と不安に感じてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、発注者支援業務の資格要件を緩和している発注機関もあるのです。

建設業界の人手不足と同じように発注者支援業務に携わる人材も不足していることなどを理由に、一部の発注機関では資格要件を緩和しています。

それでは、国土交通省を例にみてみましょう。

積算技術業務・技術審査業務における配置予定担当技術者の資格要件は、1つの履行場所において、担当技術者を複数配置する場合は1名のみ資格要件を満たさなくても配置できるとしています。

つまり、担当技術者を3名配置する場合に1名は資格要件を満たしていなくても良いというものです。

ほかにも、河川巡視支援業務やダム監理支援業務、道路許認可審査・適正化指導業務、用地補償総合技術業務などでも資格要件が緩和されています。

国土交通省|発注者支援業務・公物管理補助業務等の方針について

発注者支援業務をやる前にとっておきたい資格

「発注者支援業務で即戦力になりたい」と考えている方のために、発注者支援業務をやる前に取っておきたい資格について解説していきます。

発注者支援業務で活躍するために、どのような資格を取っておくと良いのでしょうか。

ここからは、発注者支援業務をやる前に取っておきたい資格を4つご紹介します。

1級土木施工管理技士

1級土木施工管理技士は、一般財団法人 全国建設研修センター主催の国家資格です。

発注者支援業務だけではなく、民間の建設会社においても監理技術者になる上で欠かせない資格です。

1級土木施工管理技術検定を受験するためには、必要な学歴・資格が何通りかあります。

たとえば、大学卒業者で指定学科を卒業した方の場合は、大学卒業後に3年以上の実務経験を積めば第一次検定の受験ができます。

第一次検定の合格基準は、全体の得点が60%以上かつ検定科目の得点が60%以上です。

令和4年度の第一次検定の合格率は、54.6%です。

また、第一次検定に合格した場合は第二次検定を受験できるようになります。

令和4年度の第二次検定の合格率は、28.7%です。

第二次検定は、第一次検定に比べて難易度は上がりますが、はじめて資格試験を受験する若手技術者にとってもおすすめの資格といえます。

国土交通省|令和4年度1級土木施工管理技術検定「第一次検定」の合格者の発表

国土交通省|令和4年度1級土木施工管理技術検定「第二次検定」の合格者の発表

技術士補

技術士補は、公益社団法人 日本技術士会主催の国家資格です。

土木の資格において最高峰の資格といわれているのが技術士試験ですが、​​技術士補は技術士試験の第二次試験を受験する前に条件を満たすことで得られる資格です。

技術士試験の第一次試験の合格者または指定された教育課程の修了者は修習技術者となり、技術士補登録を行うと技術士補になれます。

技術士補として指導技術士のもとで4年を超える実務経験を積むことで、第二次試験を受験できるようになります。

発注者支援業務では、より高度な業務を担当する機会が多くなることから、技術士を目指したい方にとって技術士補はおすすめの資格です。

公益社団法人 日本技術士会|技術士資格取得までの仕組み

RCCM

RCCMは、一般社団法人 建設コンサルタンツ協会が主催の民間資格です。

発注者支援業務を含む建設コンサルタント業務を行う上で大きく活かせる資格といえます。

RCCM資格試験を受験するためには、必要な学歴・資格が何通りかあります。

たとえば、大学卒業者の場合をみてみましょう。

大学卒業後は7年以上の実務経験が必要です。ただし、実務経験は建設コンサルタント業務に携わった年数のことをいいます。

令和3年度の合格率は、47.1%と公表されています。

一般社団法人 建設コンサルタンツ協会|資料2 RCCM資格試験の状況

土木学会1級技術者

土木学会1級技術者は、土木学会の土木技術者資格です。

いくつかの資格がある中でも、1級土木技術者の資格は少なくとも1つの専門分野において高度な知識を持ち、自己の判断で任務を遂行する能力があることが求められます。

つまり、これまで民間企業で施工管理経験がある方や専門工事経験がある方におすすめの資格です。

実務経験は7年以上、責任ある立場で3年以上の経験年数を持っていれば受験ができます。

国土交通省で発注者支援業務をしたいという方は、土木学会認定資格を持っていることで有利になることもあります。

土木学会|土木技術者グレードガイドライン

まとめ

今回の記事では、発注者支援業務で求められる資格について解説しました。

発注者支援業務では資格がなくてもできる場合もありますが、やはり資格があれば有利になることは間違いありません。

これまで民間企業で施工管理の経験がある方にとっては、資格を活かして仕事ができるチャンスです。

ぜひ、発注者支援業務であなたの資格を大いに活かしてみてはいかがでしょうか。

TOPへ戻るボタン
Banner Image