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建設コラム

発注者支援業務にはどんな種類があるか知っていますか?発注者支援業務の種類を一覧で簡潔にご紹介!

2023.9.15

発注者支援業務

発注者支援業務は、公共工事の発注者である国や地方公共団体、官公庁等が行う発注業務をサポートする重要な仕事です。

発注者支援業務のイメージとして、土木工事などの現場に出て作業をする仕事を思い浮かべるのではないでしょうか。

確かに、発注者支援業務の中には工事現場に出る業務もありますが、実際に作業を行うわけではありません。発注者支援業務には、さまざまな種類があるのです。

本コラムでは発注者支援業務の種類や、その業務内容について解説します。

発注者支援業務の分類

発注者支援業務の種類を見ていく前に、ここで発注者支援業務における分類を見ておきましょう。

国土交通省が発表している「発注者支援業務等説明資料」によると、発注者支援業務は大きく分けて「発注者支援業務等」と「その他」に分類されています。

その中で、発注者支援業務等は「発注者支援業務」と「公物管理補助業務」、「用地補償総合技術業務」に3つに分類され、その他については「行政補助業務」などに分類されます。

ここでは、発注者支援業務の4分類について解説しましょう。

発注者支援業務

発注者である国などが公共工事を発注した際、積算や検査などの業務が発生します。それらの積算業務や検査業務について、発注機関の職員の代わりに行う業務が発注者支援業務です。

発注者支援業務には、以下の3つの業務があります。

  • 積算技術業務
  • 工事監督支援業務
  • 技術審査業務

公物管理補助業務

公物管理補助業務は、国土交通省が管理する河川やダム、道路などの管理を補助する業務です。

具体的には、河川や道路の巡視や許認可の審査、技術的な指導などを行うことで、公物の安全性や機能性の維持向上に貢献します。

公物管理補助業務には、以下の5つの業務があります。

  • 河川巡視支援業務
  • 河川許認可審査支援業務
  • ダム管理支援業務
  • 堰・排水機場等管理支援業務
  • 道路許認可審査・適正化指導業務

用地補償総合技術業務

公共工事などの施設建設に必要となる土地を適正に取得するための業務です。

土地取得のために、対象となる土地の評価や交渉、調査・分析など、用地補償に関する専門的な業務です。

用地補償総合技術業務は、公共工事をスムーズに実施するために欠かせない業務でもあります。

行政事務補助

行政補助業務は、行政機関が行う業務を補助する業務です。具体的には、資料の作成や整理などを行います。

行政補助業務は、事務的な仕事がほとんどですが、業務を円滑に進めるために必要な業務です。行政機関の職員が本来の業務に集中できるように、そのサポートを行うことになります。

具体的には、以下の4つの業務が挙げられます。

  • 調査設計資料作成業務
  • 用地調査点検等技術業務
  • 裁決申請等関係資料作成整理等業務
  • 災害復旧用地関係資料作成整理等業務

発注者支援業務の種類一覧

ここまでは、発注者支援業務の分類について解説してきました。どのような分類があるのか、ご理解いただけたと思います。

この章では、先に説明した分類の中に出てきた発注者支援業の種類について解説します。

積算技術業務

発注した工事の積算に必要となる図面や資料の作成し、積算を行い、工事の予定価格を算出する業務です。

具体的には、積算に必要となる現地調査や工事発注用図面、数量総括表(数量計算書)、積算資料、積算データの作成、積算データの入力を行います。

工事監督支援業務

工事の節目の段階ごとに、工作目的物の寸法や位置、使用する材料の材質等に関する適否を確認、工事検査の立会を行います。また監督職員への報告、工事施工業者が提出した資料と現場状況の照合、設計変更の際の協議用資料作成等も本業務の内容です。

発注者支援業務と聞くと、この工事監督支援業務のことを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。このことからも、工事監督支援業務は、発注者支援業務のメイン業務といっても過言ではありません。

技術審査業務

入札契約手続きにおける参加企業の技術力評価に関する資料作成や、入札参加企業から提出された競争参加資格確認申請書等の整理を行います。

適切な技術評価のために行われる重要な業務です。

具体的には、工事発注資料(入札公告案、入札説明書案など)を作成したり、競争参加資格確認申請書等の分析や整理をしたりします。

河川巡視支援業務(河川)

河川が常に良好に保たれるように、河川の管理区域(河川区域、河川予定地、河川保全区域)を巡視する業務です。

巡視することで河川の現状を把握し、異常や変状の有無、不法占用等の状況について報告・記録を行います。同時に、必要な措置を講じるのも本業務の役割です。

具体的には、水流や土地の占用状況を把握し、違法行為があれば報告を行ったり、堤防や護岸の状況の確認等を行います。また、自然環境の現状を把握することも本業務に含まれます。

河川許認可審査支援業務(河川)

河川関連法令に基づいた各種申請書類の審査や、届出に関する事前協議等を行うのが、河川許認可審査支援業務です。許可工作物の監督検査や、苦情・問い合わせへの対応も業務に含まれます。

その他にも河川管理に必要となる各種資料を作成、出水時などの緊急時における対応の実施も行っています。

さらに、河川区域と一般の方が所有する土地との境界に関して、地権者と現地立会を行い、 境界確定を行うのも業務の一環です。

ダム管理支援業務(河川)

ダム管理支援業務は、ダム本体だけでなく貯水池などの取水や放流、流量調節のためのゲート開閉を行う操作室等関連施設の巡視・管理を行います。

また、台風や大雨発生時にはゲート放流操作の補助も業務の一環です。さらに、ダムに関連するさまざまな観測データの確認や記録、整理も行います。

ダムは、生活用水や農業用水として利用するための水を供給する「利水」の目的と、台風や大雨が発生した際に洪水調整を行う「治水」の目的があります。

このようにダム管理支援業務は、ダムが常時正常に機能させるために巡視・管理行うことで、国民の安心・安全な生活を守る重要な役割を担っているのです。

堰・排水機場等管理支援業務

本業務は、河川における洪水等の災害発生の防止や流水の適正利用、正常な機能維持を目的として、堰や排水機場のゲート等の操作支援を行います。

また、上記の支援業務を行うために必要となる情報の収集や目視での点検を行うのも業務のひとつです。

道路許認可審査・適正化指導業務(道路)

道路の占有や利用申請の審査・相談への対応、無許可で道路を占有、利用する者に対する確認や指導等を行う業務が道路許認可審査・適正化指導業務です。

その他にも、境界確認申請の審査・現地立会い、特殊車両通行の指導取締等も行います。

具体的には、工事において道路を一時占有したい、道路に看板を設置したい等の申請についての審査や相談対応を行います。

また、許可を得ないで道路を占用していたり、特殊車両を走らせていたりする場合の取り締まりの支援・指導を行うことで、道路の適正な使用や管理をサポートする業務です。

用地補償総合技術業務

公共工事等の施設建設に必要となる土地を取得する際に、その土地の評価や調査・分析・地権者との交渉など、用地補償に関する業務です。

本業務によって早期に土地を取得することで、公共工事をスムーズに進めること、地権者にしっかりと納得してもらえる交渉を行うこと可能です。

社会インフラ整備のためには、必要となる土地を適正な補償のもと、地権者から土地を取得する必要があるため、公共工事において重要な業務のひとつといえるでしょう。

調査計画資料作成業務等

施工計画立案に関する資料の取りまとめや、積算に必要となる図面、数量、その他資料作成

を行います。

その他にも、各種設計に用いる検討資料の作成、施工管理に関する資料の取りまとめ等を行う業務です。

用地調査点検等技術業務

公共工事で必要となる土地等の取得等に伴う測量や調査、補償金額の算定等に係る進捗状況を確認するための工程管理補助を行います。

また、成果の点検や調製確認、用地関係資料の作成等を行う業務です。

裁決申請等関係資料作成整理等業務

本業務では、公共工事に必要となる土地等の収用または、使用の裁決申請、明渡裁決の申立て等に関する資料の作成整理等を行います。

災害復旧用地関係資料作成整理等業務

災害復旧事業を進めるために必要となる土地等の取得や、土地等の取得に伴う損失の補償に関する資料の作成、整理を行う業務です。

発注者支援業務は公共工事に携わる重要なお仕事です!

このように、発注者支援業務には13種類もの業務があります。

発注者支援業務は、工事監督支援業務がメインとなっているため、その他の業務はどうしても見過ごされがちかもしれません。

しかし、解説してきたように、これらの業務すべては国民の生活の基盤となる社会インフラ整備に関わる重要な仕事です。

そして、発注者支援業務は労働時間や休暇がしっかりと定められており、働きやすい労働環境が整えられている点も魅了的な仕事です。

公共工事に携わってみたいと感じている方は、発注者支援業務も選択肢としてご検討ください。

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