Construction column
建設コラム
発注者支援業務の将来性はある?その特徴や魅力と業界の傾向から解説します
2023.7.10
発注者支援業務は、どの会社でも行えるわけではありません。実績や規模、体制づくりができている建設コンサルタントの必要があります。 今回は、発注者支援業務の特徴や魅力、建設業及び国の行政機関による業界全体の傾向から、将来性があるかどうかを解説します。
目次
発注者支援業務の特徴や魅力とは
最初に、発注者支援業務自体の特徴や魅力について解説します。
大規模な建設工事で公共工事のため、社会的意義が大きい
発注者支援業務では、国土交通省や農林水産省、防衛省などの国の行政機関が発注する公共工事に関わる場合が多いため、大規模な建設工事に関われるのが魅力です。 橋梁工事やダム工事、トンネル工事などの建設プロジェクトに関われるため、社会的意義を感じることも多いといいます。 仕事のやりがいをより感じることでしょう。 参考コラム:発注者支援業務のやりがいとは?仕事の魅力を徹底解説!
みなし公務員
発注者支援業務は、みなし公務員にあたります。 みなし公務員は、公共性の高い仕事を行うという特徴があり、個人や企業だけではなく国民の毎日の暮らしにまで影響する社会インフラや大規模な建設工事に関わることも多く、社会貢献度の高さが魅力です。 このように、社会的な信用を得られることが、やりがいへと繋がるのではないでしょうか。 また、建設業界で課題となっている長時間労働や休日などについても、公務員の勤務形態に準拠していることで働きやすさも実現できます。 参考コラム:発注者支援業務はみなし公務員?仕事で気をつけることを解説!
未経験から担当できる業務がある
発注者支援業務というと大規模な公共工事を担当する場合が多く、求められるレベルも高いのですが、未経験から担当できる業務もあります。 たとえば、積算や設計補助、資料作成などの補助業務です。 国土交通省の場合、発注者支援業務の中には「積算技術業務」「技術審査業務」「工事監督支援業務」などさまざまな業務があるため安心です。 参考コラム:発注者支援業務は未経験からでもできる?仕事をする方法について解説します
国の行政機関とともに進めている建設業界の取り組みから将来性を検証
発注者支援業務の将来性を検証するためには、業界全体の取り組みを知るとよいでしょう。 建設業は、国の行政機関と関わり合いながら事業を進めていくケースが少なくありません。 それは、国のインフラに大きく影響することが挙げられます。
建設投資の見通しは、増加傾向
国土交通省が発表している「建設投資の見通し」によると、2023 年度は 68 兆 4,300 億円の建設投資額で、前年度は、66 兆 6,900 億円だったため、比較すると2.6%の増加となっています。 参考コラム:建設業への転職の将来性は?オススメの職種も紹介!
公共事業は防災・減災・国土強靭化を加速化や老朽化施設の整備・建替を強化
特に、公共事業である国の直轄・補助事業については、2020(令和2)年に閣議決定した「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を考慮に入れて推計されています。 これは、災害時に対応するのみならず、事前に防災の一環として堤防やダム、砂防関係施設などの整備・建替が行われます。 今後20年間で建造から50年以上が経過する構造物が増えると言われている現状です。 発注者支援業務の一つである調査点検業務は、重要な位置を占める仕事といえます。 参考コラム:社会インフラの老朽化を事前に察知!私たちの生活を守る調査点検業務とはどんな仕事?
GXやDXにより業務の効率化を図りイノベーションの創出を推進
GXとはグリーントランスフォーメーションをいい、DXはデジタルトランスフォーメーションのことをいいます。 2050年までに温室効果ガスの排出量をゼロに目指す「カーボンニュートラル(CN)」が注目されており、建設業では建設材料の脱炭素化やICT施工による脱炭素化、革新的建設機械の導入拡大が進められています。 また、BIM/CIMにおける建設精算・管理システムの効率化やデータ共有などを目的とした3D都市モデルの整備、オープンデータ化といった新たな取り組みが始まっており、建設業ではイノベーションの創出や社会実装に向けて推進されていくことが理解できます。 参考コラム: GX(グリーントランスフォーメーション)とは?建設業との関係や取り組みについて解説します 建設DXで着目すべきポイントや国の取り組みについて解説します
国家資格の制度見直し
国家資格である施工管理技術検定は、令和6年度に制度見直しを施行する予定となっています。 建設業界志望者の減少や離職者の増加、高齢化といった担い手確保・育成への懸念、IT・DXによる施工管理業務効率化及び生産性向上を求める意見がありました。 もともと実務経験を重視した国家資格ですが、資格取得においては以前に増してよりチャンスが広がったといえます。 参考コラム:【学歴不問】施工管理技士が、制度見直しへ。文・理系や学歴に影響しない技術系国家資格
発注者支援業務の発注者について
発注者支援業務の発注者は主に国になりますが、他にも地方公共団体や地方公社があります。 国は、国土交通省や農林水産省、防衛省が対象となります。 地方公共団体では、都道府県や市町村といった行政機関、地方公社は地方公共団体による公共的な事業を行うための設立法人です。 さらに、民間企業とは異なり、政府が100%出資している特殊法人・・・例えば、日本赤十字社や日本放送協会が挙げられます。 このように、公共事業に関わる期間や団体により発注されるのが、発注者支援業務です。 参考コラム:発注者支援業務の発注者は国土交通省だけじゃない?発注者支援業務の発注者について徹底解説!
まとめ
今回は、発注者支援業務の特徴や魅力、建設業及び国の行政機関による業界全体の傾向から、将来性があるかどうかを解説しました。 建設業や国の行政機関による業界全体の取り組みから検証しましたが、発注者支援業務には将来性があるのではないでしょうか。 今後、建設業への就職を検討されている人は、実務経験を重視する業界であることを意識し、自分に合った仕事を探してみてはいかがでしょうか? 株式会社エムエーシーでは、発注者支援業務として、国土交通省やNEXCO、都道府県の公共事業の建設業務を全国で展開しています。 少しでも、ご興味がある方は、ぜひご検討してみてください。