Construction column
調査設計資料作成業務ってどんな仕事?必要なスキルや資格について徹底解説!
2023.3.15
発注者支援業務の一つである調査設計資料作成業務。
長い名称に対し、実際にどのような業務内容を行うのか、イメージしにくい方も多いのではないでしょうか。
本記事ではその仕事内容や、必要な資格等について分かりやすく解説していきます。
目次
「調査設計資料作成業務」とは何か?
公共工事を国・自治体が発注する際に発生する調査や、予算・事業計画に関する資料作成業務の補佐が主な業務です。
もともとこの手の業務は、官公庁や自治体の技術職員自ら担当していましたが、民間のノウハウを活かしながら、技術員の負担を分配することを目的として、民間発注されるようになりました。
近年では老朽化したインフラの大規模改修・整備や、自然災害の復興事業などの公共事業が増えてきており、その役割が大きくなってきているといえます。
調査設計資料作成業務の具体的内容
主に発注者が事業を推進するにあたり、必要となるデータや資料を収集、取りまとめを行います。
具体的な業務内容は以下の通りです。
・図面の修正のための現地調査
・発注する工事の図面作成・修正
・数量計算書(数量総括表)の作成
・積算根拠となる資料等の作成
その他、工事発注や変更契約に必要な諸資料の作成・補助も含まれることもあります。
業務の遂行に必要なスキル
土木工事、図面に関する経験、知識
設計・調査業務の成果物を取りまとめる必要があるため、基本的には即戦力を求められる業務です。
そのため土木建築図面に関する基礎知識や、作成・修正に必要なCAD(BIM)操作経験は必須となるでしょう。
また、事業の建設作業工程や材料の品質、施工方法などを定めた土木工事共通仕様書に関する知識は前提となります。
数量計算、積算に関する知識
業務の一環である数量計算書作成も、基本的には実務における一定の業務経験が必要です。
設計図をベースにその数量根拠を明確化したものが数量計算書(数量総括表)で、積算業務においてその根拠として扱われます。
民間企業は個人・企業の資金を元に事業を行うが、公共工事は税金を扱うため、数量についてはより確実で精緻な内容を求められます。
また公共工事においては単価は歩掛が決まっているため、数量の大小が直接工事費に直結。
積算業務自体は通常、調査設計資料作成業務の範囲外だが、その内容の査定ができる能力は必須となります。
発注者、施工者とのコミュニケーション能力
デスクワークのイメージが強い中で意外に思われるかも知れませんが、基本的なコミュニケーション能力の高さは、発注者支援業務に共通して求められるスキルの一つです。
官公庁などの発注者と施工者の間に立って、双方の要望や連絡を円滑に進め、成果品という形で正確にアウトプットすることが求められます。
また、指示系統を的確に伝える正確性や、不測の事態へ対応する柔軟性も含め、幅広い対応力が求められることも覚えておきましょう。
業務に必要な資格について
公共工事に入札し受注するためには、まず官公庁の有資格者名簿に登録される必要があり、その申請の際に各種技術関連の資格の提示が必要となります。
国交省発注の公共事業を例にとると、技術士(総合技術管理部門ー建設 又は建設部門)や、土木施工管理技士資格(一級または二級)が求められています。
また、RCCMと呼ばれる「建設コンサルタンツ協会」が実施する民間資格や、その他土木学会が認定する技術者、公共工事品質確保技術者の資格保持者も有資格者として認められます。
参考コラム:RCCMってどんな仕事?仕事内容や資格について解説
調査設計資料作成業務の魅力とは
インフラなど社会を支える公共事業を成功に導くため、調査・計画・設計段階から携わることのできる本業務は、大きなやりがいを伴う仕事です。
身近な部分では、水害や地震など自然災害などから社会を守るためのインフラ整備は、我々の生活に直結します。
また大きなスケールでは、自然・環境を維持し住みやすい世の中を作るために貢献する、存在意義の大きな業務とも言えるでしょう。
まとめ
調査設計資料作成業務は、業務範囲が広く、対象となる公共事業規模も大きなものが多いです。
これまで実務で培ってきた技術をもとに、公共事業という公益性の高い事業に貢献することができるチャンスです。
土木・建設の知識・経験のある方で、発注者支援業務の職種を考えられている方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。