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Construction column

建設コラム

主任技術者の常駐は必須ではない!専任との違いや現場を兼任するための条件も解説

2024.5.30

「うちの工事現場に、主任技術者は常駐しなくてはいけないのか」
「常駐と専任の違いが分からない」

このようなお悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。

主任技術者は工事現場にとって必要不可欠な存在です。

しかし、条件によっては常駐しなくてもいい場合もあります。

主任技術者の常駐に関して知りたい方は、この記事を最後まで読めば理解が深まるでしょう。

この記事でわかること

  • 主任技術者の常駐が必須ではない理由
  • 主任技術者と現場代理人との違い
  • 主任技術者が複数現場を兼任するための条件
  • 主任技術者が不要になる条件

主任技術者の常駐が必須ではない理由

専任の主任技術者が必要とされる工事においても、現場に常駐しなくていい場合もあります

なぜなら専任=常駐という意味ではないためです。

国土交通省によると、専任とはあくまで他の現場を担当していない状態を指しており、必ずしも現場への常駐を必要としないと定義されています。

専任とは、他の工事現場にかかる職務を兼務せず、常時継続的に当該工事現場に係る職務にのみ従事していることを意味するものであり、必ずしも当該工事現場への常駐(現場施工の稼働中、特別の理由がある場合を除き、常時継続的に当該工事現場に滞在していること)を必要とするものではない。

引用元:国土交通省「監理技術者制度運用マニュアル(PDF)

主任技術者の「専任」と「常駐」の違い

「常駐」とは、その工事現場に駐在する必要はあるが、他の現場の職務も兼任できることを意味します。

それに対し「専任」とは他の現場の職務を兼務できず、常に当該現場の職務に従事することを意味します。

また、あくまでも「専任」は業務に対して指す言葉です。

そのため、休暇をとるときや会社の研修に参加する時などは、主任技術者が現場を離れても問題ありません。

主任技術者とは?

主任技術者とは、建設業許可業者が請け負った現場に必ず配置しなければならない従業員のことです。

(主任技術者及び監理技術者の設置等)
第二十六条、建設業者は、その請け負った建設工事を施工するときは、(中略)、建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるもの(以下「主任技術者」という。)を置かなければならない。

引用元:建設業法第26条第1項から抜粋

なお、主任技術者になる資格は下記のとおりです。

・指定学科を修了し、一定の実務経験期間があること
・指定された、1・2級国家資格を持っていること
・指定された、登録技能者の講習を受けていること

現場代理人との違い

現場代理人とは、元請業者の「代表」として工事現場に常駐する人のことです。

現場代理人は配置義務の規定はありませんが、配置することが望ましいとされています。

現場代理人の主な役割は、施工管理や作業の指導監督など工事現場全体を統括することです。

加えて、発注者との連絡・交渉や請負代金の請求も行います。

契約上のトラブルを防止、請負契約を適正に履行することが特に求められます。

多くの責任を負う現場代理人ですが、実は法律上の資格要件や実務要件が定められていません。

「元請業者に直接雇用される正社員」であれば、たとえ無資格・未経験でも就任できます。

対して、主任技術者は学歴、国家資格、実務経験が問われる点に現場代理人との違いがあります。

主任技術者が複数現場を兼任するための条件

主任技術者の兼任が認められるには、以下の2つの条件を満たす必要があります。

密接な関係のある建設工事であること
・同一の建設業者が、同一の場所または近接した場所で施工する工事であること

密接な関係のある建設工事とは、国土交通省により次のいずれかに当てはまる工事と定義されています。

・工作物に一体性または連続性が認められる
・施工にあたり相互に調整を要する

一体性または連続性が認められる工事とは、主に工事現場の位置関係を指します。同一区画整地内における工事などが該当するとされています。

相互に調整を要する工事は、資材の調達を一括で行う工事や、同じ下請業者が施工する工事などが該当するとされています。

近接した場所は、工事現場の相互の間隔が10km程度とされています。たとえ、密接に関係する工事でも、現場間の距離が離れている場合は兼任が認められないので注意が必要です。

条件を満たしても主任技術者が兼任できないケース

たとえ条件を満たしていても、発注者からの許可がないと兼任できないケースも考えられます。

たとえば、以下のような場合です。

・他の企業や自治体から発注された工事との兼任
・過去の施工実績や技術力などが基準を下回る

もし、兼任した方が良いと判断した場合は、その発注者に申請を行い確認を取りましょう。

主任技術者が不要になる条件

2020年に改正された建設業法にて、主任技術者の配置、常駐が不要となる要件が新たに決定しました。

1.特定専門工事である
2.発注者と元請の中で書面により合意がとれた
3.元請けと上位下請の中で書面により合意がとれた
4.元請または上位下請の主任技術者が、施工管理業務を担当する
5.4の主任技術者が、特定専門工事などの建設工事に1年以上指導監督的な実務経験があり、当該工事現場に専任で置かれる
6.主任技術者を配置しない業者が元請業者ではない
7.主任技術者を配置しない業者がさらなる下請契約を行わない

これら7つの要件をすべて満たす場合、主任技術者の配置は不要となります。

なお、主任技術者が不要になるのは下請業者のみであり、元請の場合には主任技術者の配置が必要である点には注意しましょう。

主任技術者が不要になるケースについて、以下の記事でも詳しく解説しているので併せて参考にしてください。

下請会社は主任技術者を設置しなくても良い?特定専門工事について徹底解説!

主任技術者が不要なケースもある!必ず発注者に確認しよう|まとめ

主任技術者は原則、現場に常駐する必要があります。

条件によっては不要になるケースもありますが、その場合でも必ず発注者に確認を取りましょう。

今回の記事で主任技術者の配置の条件や不要になるケースについて、理解を深めていただけたら幸いです。

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