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Construction column

建設コラム

土木業界の課題と将来性とは?人気の職種についても紹介

2024.9.28

土木業界はインフラ工事に携わることから、将来に渡り安定した需要が望めます。

しかし、「土木業界は休みが取れない」、「高齢化が進み人材不足が続いている」というマイナスの話が聞かれることも少なくありません。

今回の記事では、土木業界の抱える課題と将来性について解説します。

土木工事の種類や人気の職種の紹介もありますので、土木業界への転職をお考えの方は、ぜひ最後までお読みください。

この記事のポイント

  • 土木業界の仕事内容
  • 土木業界の課題と将来性
  • 土木業界でおすすめの仕事

土木業界に興味のある方は、MACが専門的立場からサポートいたします。

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土木業界とは

土木工事は、道路や橋といったインフラ設備を作る仕事です。

建築工事と混同されがちですが、建築は住宅やマンション、ビルなどの建物が対象になっているという点で区別されます。

また、土木業と建築業を総合して「建設業」と呼ばれることもあります。

土木工事の種類

土木工事の具体的な工事例としては、以下の12種類が挙げられます。

いずれも住民の快適かつ安全な生活を守るために欠かせない工事です。

道路工事河川工事海岸工事
ダム建設工事橋梁・高架橋工事トンネル工事
空港建設工事土地区画整理工事公道下の下水道工事
農業土木工事森林土木工事砂防工事

土木工事の内容や種類については、以下の記事で詳しくご紹介しています。

土木工事とは?12種類の仕事内容、必要な資格について解説

土木業界の現状と課題

土木業界はさまざまな課題を抱えています。

特に深刻であるのが以下の4点です。

・高齢化と人手不足の慢性化

・労働日数が多い

・重層下請け構造の問題

・女性が進出しづらい環境

詳しくご紹介しましょう。

高齢化と人手不足の慢性化

土木業界にとって最も深刻な問題は、高齢化と慢性的な人手不足です。

国土交通省の発表によると、2022年度における建設業就業者の年齢構成は以下のようになっています。

 出典:総務省 労働力調査 年齢階級,産業別就業者数(2022年度)

4分の1を60歳以上のシニア層が占めている一方、20代以下の若手は10%程度に過ぎません。

若手の人数が少ないということは、それだけ建設業を希望している人が減っている、もしくは離職が多いという可能性があります。

このまま若年層の少ない状態がさらに続くと、深刻な人手不足に陥ってしまうでしょう。

労働日数が多い

労働日数が多い点も、土木業界の問題点です。

厚生労働省が2022年に建設業界の休日数について調査したところ、4週8休以上の事業所は全体の8.6%しかないことが分かりました。

出典:国土交通省 建設業を巡る現状と課題

建設業界の休日数が少ない理由としては、前述の人手不足と、無理な工期設定が挙げられます。

少ない人数、かつ短期間で工事を進めるためには、休日数を減らすしかありません。

ワークライフバランスの重要性が問われる現代において、休日数の少なさは建設業が敬遠されている理由の一つになっています。

重層下請構造の問題

重層下請構造とは、工事の総監督を担う元請のもとに、第一次、第二次、工事によってはさらにその下に下請が存在する状況のことです。

重層化により施工管理や安全管理に目が行き届かなくなり、工事の品質が損なわれる危険性があります。

さらに、下位下請へのしわ寄せが著しく、労働環境の悪化や利益減少を招く原因にもなっており、建設業の働き方改革を進めるうえで高いハードルとなっています。

女性が進出しづらい環境

人手不足を解決するためには、女性の雇用拡大が必要不可欠です。

しかし、土木業界は女性が進出しづらい環境となっています。

その理由としては、土木業界はいまだ男性主体の社会であり、以下のような問題があるためです。

・女性向けの設備(更衣室やトイレなど)が整っていない

・女性だからと軽視される、男性中心のコミュニティに入りづらい

・産休・育休制度が整っていない

土木分野への女性進出の難しさは、国家公務員における土木技術職女性の人数からも推し量れます。

2024年における国家公務員一般職試験において、土木技術職の合格者312人中、女性は65名(約20.1%)に過ぎません。

行政職(46.2%)はもちろんのこと、同じ建設系の技術職である建築(約36.5%)よりも女性の割合が少なくなっており、土木業界はいまだ強い男性社会であることがうかがい知れます。

出典:2024年度 一般職試験(大卒程度試験)区分別実施結果・合格者の状況

土木分野で働く女性の課題とやりがいについては、以下の記事でも詳しくご紹介しています。

土木女子ってどんな仕事をするの?現場以外でも働ける?

土木業界の将来性

土木業界にはさまざまな課題がありますが、将来性のある魅力的な仕事でもあります。

インフラに関わる重要な仕事であるため、需要がなくなることはありません。

また、働き方改革が進められており、労働環境は今後改善すると期待されています。

土木業界の将来性について、以下に詳しくご紹介します。

土木工事の需要は拡大している

土木工事の需要は拡大を見せています。

その背景にあるのは、インフラ施設の老朽化と、防災・減災の意識の高まりです。

現在のインフラ設備は高度成長期に建設されたものが多く、建て替えや補修工事をしなければならない時期にさしかかっています。

加えて、地震や台風といった自然災害への対応のため、耐震工事や防災施設の整備も必要です。

国土交通省の発表においても、土木工事への投資額は増加傾向であるという結果が出ており、土木工事の需要が高まっていることが分かります。

出典:国土交通省 建設投資見通し

土木工事が担うインフラ設備の建設・管理は、人の生活基盤を支える重要なものであり、今後も安定した需要が望めることでしょう。

働き方改革が進められている

2024年より、建設業の働き方改革が強化されます。

時間外労働の規制や週休2日制の促進、DX化による生産性向上といった対策が講じられており、労働環境は今後改善されるものと期待されています。

建設業の働き方改革については、以下の記事でご紹介していますので、併せてお読みください。

建設業は、もっと働きやすくなる!時間外残業規制や国土交通省の取組を解説

重層下請構造の適正化が進められている

先述の通り、建設業における重層下請構造は、下請企業の労働環境悪化や工事の質低下につながる大きな問題になっています。

重層下請構造を改善するために、国土交通省は一括下請負禁止の明確化を進めています。

こちらは、元請・下請それぞれが果たすべき役割を明確に定め、実質的に施工に携わらない企業を施工体制から排除することで、不必要な重層化を回避することを目的とした試みです。

女性の定着支援が進められている

建設業における女性の活躍・定着促進のために、国土交通省は「女性の定着促進に向けた建設産業行動計画」を策定しました。

具体的な取り組みとしては、事例集の公開や意見交換会の開催による情報発信が挙げられます。

【取り組みの具体例】

・「中小建設業の多様な人材確保・定着のための柔軟な働き方事例集」の作成

・建設キャリアアップシステムの活用に向けた取り組み事例発表などを行う意見交換会の開催

・女性の復職・定着に役立てるための「建設キャリアアップシステム」の活用を推進

・「建設産業における女性の就業継続に向けたキャリアパス・ロールモデル集」の公開

・「女性定着促進に向けたアクションプログラム」の更新

出典:国土交通省 建設産業における女性の定着促進に向けた取組について

建設業における女性の定着促進については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。

【女性必見!】建設業における女性定着促進やオススメの職種を解説します

土木業界の魅力

インフラ設備という社会の基盤を建設・維持する土木業界は、他の業界にはない特別な魅力があります。

以下に詳しくご紹介しましょう。

社会貢献ができる

土木業界の一番の魅力は社会貢献ができるという点です。

土木分野で扱う工事は、道路や橋、護岸工事など、人の生活や安全に欠かせないものです。

自分たちが手がけた建設物が多くの人に利用され、社会の役に立っているところを直接見られる喜びは、他の業界ではなかなか得られません。

長期的にキャリアアップできる

土木分野では、未経験から長期的なキャリアアップを目指せます。

人手不足、特に若年層が不足しているため、意欲のある未経験者を雇用し、OJTを通して育てようと考える企業が増えているためです。

まずは先輩の指導を受けながら雑用をこなし、経験を積み、技術を取得すれば、現場監督のような責任の重い仕事に就くことも可能です。

また、土木業界の仕事は多様性に富んでいます。

努力次第で大手ゼネコンや公務員に転職する、英語を学んでグローバルに活躍する、施工管理や積算技術士のようなデスクワークの多い職種に就くなど、キャリアプランやライフスタイルに合わせて多彩なフィールドで活躍できるでしょう。

最新の技術に触れられる

最新の技術に触れられる点も、土木業界のメリットです。

近年、SDGsや防災の意識が高まっていることから、環境問題や社会的課題の解決における土木の活躍が期待されています。

より環境負荷の低い工法や自然エネルギーの活用、耐震工事など、最新技術が積極的に取り入れられる土木業界での経験を通して、スキルアップが望めます。

常に時代の最先端を見続けたいという好奇心旺盛な人にふさわしい仕事です。

土木業界の魅力については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。

土木の魅力|土木仕事のやりがいや種類、働きやすい環境の選び方をご紹介

MACは土木業界への転職を考えている方に、専門的立場からサポートします。

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土木業界でおすすめの仕事

土木業界は対応する工事の幅が広く、多様性に富んでいます。

建築物が建てられる土地の整備も土木工事に入ることから、建設業界の職種も転職先の選択肢に入れられます。

土木工事に関係する仕事の中で、特にお勧めできるものを以下にご紹介しましょう。

ハウスメーカー

ハウスメーカーとは、住宅の設計から施工までを請け負う会社を指します。

住宅を購入するという、人生の中でも大きなイベントに関わり、人の生活や幸せに大きく貢献できる点が大きなメリットです。

工務店

工務店はハウスメーカーと同じく、住宅の建設を手がける会社です。

ハウスメーカーよりも小規模で、地域密着型の会社が多い傾向にあります。

規模が小さい分、一人でさまざまな業務をこなす必要があり、土木分野の枠を超えた多様な経験ができます。

建設コンサルタント

建設コンサルタントは、建設工事に関係する調査、企画、立案を行い、専門的立場からクライアントをサポートする仕事です。

クライアントのニーズを正確に理解し、適切なアドバイスをするためには、高度な専門的知識と問題解決能力が求められます。

学び続ける意欲のある人に向いている職種だといえるでしょう。

建築コンサルタントの詳細は、以下の記事に載っているのでぜひ参考にしてみてください。

建設コンサルタントとはどんな仕事?資格はいるの?

ゼネコン

ゼネコンは工事の元受業者として、設計から施工までを総合的に請け負う建設業です。

建設コンサルタントが立案したプランに基づき、現場監督として下請け業者や技術者と連携しながら、大規模な工事を行います。

土木施工に関する深い知識と、さまざまな立場の人に指導や交渉をする高度なコミュニケーション能力が必要です。

責任が重く体力的にもきつい仕事ですが、その分給料は高く、平均年収は900万円程度といわれています。

ゼネコンについては、以下の記事でもご紹介しています。

建設コンサルタントとゼネコンの違いは何?業務内容や必要な資格について解説します!

デベロッパー

デベロッパーとは不動産開発業者として土地や建物、街の企画・開発事業を行います。

土地の取得や開発、建物の運用を通して、都市の再開発や地域活性化に貢献できる仕事です。

技術系公務員

技術系公務員とは、理系の専門分野に携わる公務員です。

土木のほかに「建築」、「機械」、「電気・電子・情報」などさまざまな分野があり、専門的知識や技術を生かして公共事業に携われます。

土木の技術系公務員は、道路や上下水道、トンネルなどのインフラ建設に関わる計画立案や施工を行います。

安定性が高く休日数が多いことから、ワークライフバランスを確保しやすい点が公務員の大きな魅力です。

土木の技術公務員の仕事内容やメリットについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。

土木公務員は勝ち組なのか?土木公務員のメリットと公務員以外のおすすめ業種をご紹介

発注者支援業務

発注者支援業務とは、発注者(公務員)をサポートして、工事の調整や管理をする仕事です。

主な業務としては、工事の入札や契約に関わる業務の補助やインフラ建設の巡視・状況調査、用地補償総合技術業務などが挙げられます。

※用地補償総合技術業務:大型施設建設などに必要な土地の取得や、それに伴う損失の補償に関する用地交渉などを行うこと

公務員と一緒に働くことから、労働時間や休日数は公務員に準じており、プライベートの時間が取りやすい点がメリットです。

土木分野における発注者支援業務の仕事内容については、以下の記事で詳しくご紹介しています。

日本の土木を裏側から支える|発注者支援業務の魅力と役割

まとめ|土木業界に興味を持ったらMACにご相談ください

土木業界の職種や課題、将来性について解説しました。

土木業界は肉体労働が多く、残業や休日出勤が多い「きつい」仕事であると考えられています。

実際に少子高齢化による人手不足や、重層下請構造による下請への負担増といった課題も多く存在しているのが現状です。

しかし、建設業においても働き方改革が進められており、今後、労働環境は改善すると期待されています。

人の生活を支える建設工事に携わることから、大きな達成感と将来に渡り安定したニーズが望める点が土木業界の魅力です。

人手不足の今だからこそ、土木業界への転職に挑戦してはいかがでしょうか。

MACは土木業界への転職を考えている方に、専門的立場からサポートします。

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