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建設コラム

NEXCO(ネクスコ)ってどんな会社?発注者支援業務の発注者として国土交通省と同様に代表的なNEXCOについて解説します!

2023.8.31

NEXCO 発注者支援業務

発注者支援業務の主な発注者として思い浮かぶのは、国土交通省ではないでしょうか。発注者支援業務は公共工事に関わる仕事ですので、当然かもしれません。

しかし、国土交通省とは異なり、民間企業でありながら発注者支援業務の発注者となる会社があります。それが、「NEXCO(ネクスコ)」です。

本コラムでは、発注者支援業務において発注者として国土交通省と同様に代表的な機関であるNEXCOについて解説します。

NEXCO(ネクスコ)の成り立ち

まず、NEXCOとはどのような企業なのかを見てみましょう。

NEXCOはひとつの会社ではなく、「東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)」、「中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)」、「西日本高速道路株式会社(NEXCO西日本)」の統一名称です。

NEXCOはもともと「日本道路公団」という特殊法人でした。1956年に日本道路公団法に基づいて設立されています。主な業務は、日本国内における高速道路や有料道路(高速自動車国道・バイパス道路)の建設と管理でした。

日本道路公団は設立後、数十年間に渡って日本国内の高速道路建設や、その管理を行ってきました。しかし、1990年代に入ると天下りや談合、随意契約などの問題が世間に知られることとなり、非難を浴びるようになります。

そこで、小泉内閣において日本道路公団を含む「道路関連四公団」の民営化への取り組みが2001年に開始されました。

2004年10月1日に日本道路公団は民営化が行われ、NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本に分割され、施設の管理運営や建設を行うようになったのです。

NEXCO東日本は「北海道・東北・関東・新潟・信越の一部」を、NEXCO中日本は「 関東・東海・甲信の一部・北陸」を、NEXCO西日本は「近畿地方・中国地方・四国地方・九州・沖縄」を事業区域として担当しています。

この民営化によって、サービスエリアやパーキングエリアの整備、新規開業区間における工期短縮、建設費のコストカットが行われるなどの成果を挙げているのです。

NEXCOではどんな仕事を行なうのか

上述の通り、NEXCOが取り扱う業務は高速道路等の建設・管理です。それでは具体的に、どのような業務を行っているのかを解説していきます。

まず真っ先に思い浮かべるのが「高速道路建設」でしょう。高速道路を建設するにあたり、自治体や沿線地域の住民への事業説明会を行います。

その後、地質調査や測量を行い、用地交渉、用地取得を行います。用地取得ができれば、設計・施工と工事発注が行われるのです。ここで発注者支援事業が関わってきます。

建設した高速道路を維持・管理することもNEXCOの仕事です。安全で安心な走行環境を確保するため、道路や施設設備の点検・調査を行っています。具体的には、橋梁点検や防災設備点検、路面清掃などです。また、環境保全の観点からのり面の草刈りなども行っています。

その他にも、サービスエリアやパーキングエリア事業も手がけています。お客様の満足度を高める意味合いもあり、近年、遊びやグルメが楽しめるサービスエリアが開業が話題です。

NEXCOは3つの会社それぞれで、上記の事業以外にもさまざまな事業に取り組んでいます。技術開発はもちろん、環境への取り組みを積極的に行っているようです。

国土交通省との業務の違いとは

発注者支援業務の主な発注者といえば、NEXCOと「国土交通省」です。両者には、官公庁と民間企業という違いはありますが、業務における違いはあるのでしょうか。

ここでは、発注者支援業務の観点からNEXCOと国土交通省の違いを見てみましょう。

積算業務を兼務する

発注者支援業務における業務として工事監督支援業務があります。工事監督支援業務は、簡単にいえば「施工業者が行う工事に関して、全工程においてチェックを行う」ことです。

国土交通省では、発注者支援業務として工事監督支援業務を行う場合、工事監督支援業務を単独で行います。具体的には資料の作成や、発注者と施工業者との調整・支援、現場への臨場です。

NEXCOでは、これに積算業務が加わります。積算業務は、積算だけにとどまらず、特記仕様書を作成します。

積算業務と工事監督支援業務の両方を行うのは大変なことですが、1人の担当者が行うことで、発注から工事の全工程の管理のすべてを行うことになります。つまり、工事についての熟知度が上がることになるのです。

大型案件が多い

NEXCOの特徴として、扱っているのが大型案件となることが多い高速道路という点です。高速道路の区間にトンネルをつくったり、橋を掛けたりすることもあるため、かなり大がかりになることもあるでしょう。

大型案件に携わることは、いわゆるスーパーゼネコンとの関係構築も可能となります。後学のためにも、スーパーゼネコンの監理技術者の仕事を見ることは重要ではないでしょうか。

また、案件規模が大きいため、業務期間が長期に渡ることが多くあります。業務期間が長期にわたるため、発注者との関係性が築けることも、NEXCOの発注者支援業務の特徴と言えるでしょう。

管理技術者が常駐する

管理技術者とは、簡単に言えば建設現場の「所長」や「現場代理人」にあたるポジションで、発注者支援業務においては、一番上のポジションとなります。

国土交通省が発注する工事では、1人の管理技術者が、いくつかの事務所を兼務することが可能です。

一方、NEXCOの発注者支援業務においては、基本的に1つの事務所に1人の管理技術者が常駐することになります。

この、管理技術者の勤務スタイルの違いが、NEXCOと国土交通省の発注者支援業務における仕事内容にも影響を与えています。

国土交通省の発注者支援業務における管理技術者は、兼務している事務所を巡回して、それぞれの職員に指示を出すイメージといえるでしょう。

NEXCOの発注者支援業務における管理技術者は、事務所に常駐し、場合によっては実務を担当することもあります。

このように、同じ発注者支援業務の発注者であっても、国土交通省とNEXCOの両者には異なる点があるのです。

NEXCO独自の制度がある

NEXCOで発注者支援業務に関わる場合、必ず必要となる資格があります。それが、NEXCO独自の制度である「管理員」です。

管理員はⅠ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳと区分けされており、原則として管理員Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳのいずれかに属していないとNEXCOでは働けないとされています。

管理員になるためにはNEXCOが定める資格要件を満たさなくてはいけません。

管理員Ⅳについては、「2級土木施工管理技術検定における指定学科の卒業者等」または「土木に関する建設業もしくは建設コンサルタントでの12ヶ月以上の業務経歴」が必要です。

管理員Ⅲについては、技術士や技術士補、RCCM、1級土木施工管理技士、2級土木施工管理技士などの資格が必要になります。

管理員Ⅱについては、技術士やRCCM、1級土木施工管理技士などの資格と、管理員Ⅲとして2年以上の業務経験が必要です。

管理員Ⅰについては、技術士やRCCM、1級土木施工管理技士などの資格と、管理員Ⅱかつ管理技術者として3年以上の業務経験を有していなくてはいけません。

NEXCOの発注者支援業務に従事したいという方は、管理員としての業務経験も必要となってきますので注意しましょう。

発注者支援業務はNEXCOの事業にも携われます

発注者支援業務の発注者として代表的な国土交通省とNEXCO。その中でも、高速道路という経済活動の血管を建設したり、管理を行っているのがNEXCOです。

国民の生活基盤を支える社会インフラである、高速道路等の発注者支援業務に関わりたいと考えている方はNEXCOの発注者支援業務を考えてみてはいかがでしょうか。

NEXCOの発注者支援業務は、高いレベルが要求されるため責任やプレッシャーを感じるかもしれませんが、非常にやりがいのある仕事でもあります。

また、発注者支援業務は無理な残業もなく、完全週休2日制も取り入れられているなど、職場環境も整備されています。

また、近年は未経験でも求人に応募することが可能であるため、発注者支援業務に挑戦したいという方にも門戸が開いています。

初めて発注者支援業務に従事したいという方も、自身のキャリアアップのために発注者支援業務に転職したいという方は、挑戦してみてください。

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