Construction column
積算に向いている人の特徴は?仕事内容ややりがいについても解説
2024.7.26
積算は、建設工事に必要な費用を算出する仕事です。
建設工事の根幹をなす責任の重い仕事ですが、充実感や達成感を味わえる点が大きな魅力です。
しかし、積算はデスクワークが中心となるため、現場仕事である施工管理や職人とは業務内容や求められる能力が異なります。
もちろん、建設工事に関する知識や経験は役立ちますが、積算ではさらに計算能力や細かい作業にコツコツ取り組む誠実さも重要です。
今回の記事では、積算の業務内容や魅力、向いている人の特徴を解説します。
積算業務に興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。
この記事のポイント
- 積算に向いている人の特徴
- 積算の仕事内容や見積もりとの違い
- 積算の魅力
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積算に向いている人の特徴
積算は建築分野の職種ですが、計算を始めとしたデスクワークが中心で、現場仕事とは業務内容が大きく異なります。
現場仕事のような体力は求められない反面、細かい計算に誠実に取り組む忍耐力が必要です。
また、コミュニケーション能力や知識を貪欲に吸収しようとする向上心も不可欠です。
積算に向いている人の特徴を以下に詳しくご紹介しましょう。
数字に強い
数字に強く、計算力の高い人は積算に向いています。
積算で最も多い業務は数量計算です。
床や壁の面積を求め、必要な資材や材料の数量を割り出して、必要となる費用を調べます。
少しでも見落としがあると想定外の費用が発生して赤字になったり、クライアントの信頼を失ってしまったりするといったリスクがあります。
高度な計算能力こそ必要ないものの、複雑で細かい計算を繰り返すため、数字や計算が得意であることは絶対条件です。
建設に関する知識がある
建築に関する知識がある人は、積算業務に向いています。
積算は現場仕事ではありませんが、建築知識が求められます。
工事の図面や設計書から使用する材料を拾い出し、使用する資材の種類や工法を決定するためには、建築の専門知識が必要不可欠です。
また、積算業務ではクライアントや資材業者とやり取りをする機会も多くあります。
専門知識がなければ、相手を説得したり交渉を持ちかけたりすることもできません。
大学で建築や設計を専攻した人や、建築士や施工管理技士などの資格所有者、CADオペレーターや現場の職人などの経験者は、積算においてもその知識や経験を大いに生かせるでしょう。
細かい作業に粘り強く取り組める
細かい作業に粘り強く取り組める人は積算に向いています。
先述の通り、積算は複雑かつ細かい計算を大量にこなす必要があります。
さらに、工事中に変更の指示や修正依頼があった場合、仕様書や図面を見直し、計算をやり直さなくてはなりません。
面倒だからといい加減な計算をしたり、作業を繰り返すうちに見落としや計算ミスをしてしまう人は積算には向いていません。
工事が終わるまで気を抜くことなく、細かい計算にコツコツ取り組める忍耐力は、積算業務に欠かせない素質と言えるでしょう。
コミュニケーション能力がある
積算には、コミュニケーション能力も必要です。
なぜなら、積算は単に計算をするだけではなく、周囲の人とやり取りをしなければならないためです。
クライアントや設計者、業者、現場監督など、さまざまな立場の人とコミュニケーションを取り、要望や課題を聞き取ったり、資材や工法について質問をしたりする必要があります。
時にはコスト削減のため、施工業者や資材業者に値下げ交渉をする、費用以上の要求をするクライアントに妥協案を提示するといった場面もあり、高度な交渉力が求められます。
常に学び続け、知識をアップデートさせる向上心がある
新しい情報を得るために勉強を続ける向上心も、積算において重要な資質です。
建築業界は進化を続けており、新しい材料や工法が次々に開発されています。
また、経済情勢の変化により、資材の価格が変わったり、入手しづらくなるといったことも起こりえます。
積算を正確に行い、工事を滞りなく進めるためには、常に新しい情報を収集しなくてはなりません。
情報や知識の習得のために学び続ける姿勢を持てる人は、重宝されるでしょう。
積算とは
積算は、図面や仕様書をもとに工事に必要な材料や費用を算出する仕事です。
積算によって導き出された費用は、工事を受注するかどうかを判断したり、どれだけ利益を出していくかを考えたりする材料になります。
判断ミスや計算漏れがあると予定より工事費がかさみ、大きな損失につながりかねません。
積算は建設工事の基盤となり、企業の経営を支える重要なポジションを担っています。
積算の仕事内容
積算の主な仕事内容は、「必要な材料や工数の整理」、「工事費用の算出」、「提出資料の作成」です。
いずれの工程も、少しのミスも許されない正確さが求められます。
工事を成功させて会社に利益をもたらすためには、確認を怠らず、一つひとつ着実に作業を進めていく必要があります。
それぞれの仕事内容について、以下に詳しくご紹介しましょう。
必要な材料や工数の整理
まずは図面や仕様書から必要な材料と数量を正確に読み取り、整理する「拾い出し」をします。
建築素材だけではなく、足場や養生といった仮設工事にかかる費用や電気代など、工事に関わる全ての工程において必要な設備や資材、諸費用も拾い出さなくてはなりません。
加えて、施工条件をもとに工法や工法を検討し、どのような職種の人員が何人必要であるかを割り出します。
工事費用の算出
拾い出しが完了したら、必要な材料や人員数から、工事費用を算出します。
材料費は単価に数量をかけることで求めます。
材料の単価が不明な場合は、メーカーに問い合わせて正確な単価を確認するのも重要な業務です。
人件費の計算は「歩掛(ぶかかり)」という基準を用います。
職種や作業内容によって人件費が変わることを計算に入れて、細かく人件費を算出します。
提出資料の作成
積算作業が完了したら、集計結果をまとめて設計内訳書や単価比較表といった提出資料を作成します。
書類には材料の規格や数量、単価、金額などを正確に記入しなくてはなりません。
記載内容に誤りがあるとクライアントの信用を失ってしまったり、競争入札の場合は入札無効になってしまったりといったリスクがあります。
会社に多大な損失を与えることになりますので、ミスや漏れがないかを慎重に確認することが重要です。
積算と見積もりの違い
積算と見積もりは双方とも工事の総費用を表すものですが、利益の有無という点で大きく異なります。
積算で算出されるのは工事原価、つまり実際の工事にかかる費用です。
一方、見積もりは工事原価に利益と一般管理費を足したものです。
一般管理費とは企業の経営を維持するための費用のことで、光熱費や通信費、事務職員の給与、広告料、固定資産税などが該当します。
見積もり額を算出するためには、まず積算を行って工事原価を明らかにしなくてはなりません。
積算業務は工事費用を把握するだけではなく、会社の利益を決定する重要なステップであることが分かります。
積算の業務内容については以下の記事でも詳しくご紹介しているので、併せてご参照ください。
積算の魅力
積算は高い正確性が求められる責任の重い仕事ですが、責任の重さに見合うだけのメリットがあります。
最後に、積算の魅力について解説します。
デスクワークのため体力的な負担が少ない
積算は事務仕事のため、体力的な負担が少ないというメリットがあります。
現場の調査や関係者との交渉のために外出することはありますが、基本的には計算業務がメインのデスクワークです。
建築分野に興味はあるものの体力に自信のない人や、高齢やケガのために現場仕事が難しくなった人も携われます。
建設工事の土台をなす重要な業務に携われる
積算は建設工事の土台をなす重要な業務です。
積算によって工事にかかる費用を明らかにしない限り、受注の判断や利益の算出ができず、仕事が進みません。
決して派手さはありませんが「縁の下の力持ち」といえる仕事です。
予算内で工事が完了した際に達成感を味わえる
積算において最も重要なのは、予算内で工事を完了させ、少しでも多く利益を残すことです。
正確な拾い出しと計算、予算削減のアイデア出し、業者との価格交渉など、積算担当者がすべきことは山のようにあります。
業務量が多く責任の重い仕事ですが、自分が積算した予算内で工事を終えられた時の達成感は格別です。
自身の成長を感じられる
自身の成長を感じられる点も積算の魅力です。
さまざまな建築物の図面に触れる機会があるため、建築に関する知識が自然と身につきます。
また、さまざまな職種や立場の人とやり取りをする中で、コミュニケーション能力が鍛えられます。
最初は学ぶべきことが多く、作業に手間取ったり、ミスをしたりしてしまうこともあるかもしれません。
しかし、経験を積む中で知識やスキルを獲得でき、精度の高い積算ができるようになります。
スムーズに作業を進められるようになった時や、より多額の利益を自社に残せるようになった時など、成長を感じられる瞬間が頻繁に訪れることでしょう。
積算のやりがいについては以下の記事でも詳しく紹介しているので、参考にしてみてください。
積算は未経験でも転職できる?業務内容ややりがい、平均年収なども解説
まとめ|積算業務への転職を考えている方はMACにご相談ください
積算業務は、計算が好きで細かい仕事に粘り強く取り組める人に向いている仕事です。
積算の結果は受注の可否を判断したり、利益を上乗せした見積書を作成したりする材料になることから、少しでも誤りがあると会社の経営に大きな影響を及ぼしてしまうためです。
また、積算業務はクライアントやメーカー、他部署の社員と積極的に関わり、質問や交渉を行う営業職に似た要素も持ち合わせています。
どのような立場の相手とも円滑に話し合えるコミュニ―ケーション能力も重要になるでしょう。
積算は責任の重い仕事ですが、それだけにやりがいも大きいものです。
また、デスクワーク中心の職種であることから、体力に自信のない人でも携われる点が魅力です。
今回の記事をお読みになって積算業務への転職に興味を持った方は、ぜひ当社であるMACにご相談ください。
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