「1級土木施工管理技士を取りたいけれど、難しくて自分には無理かも…」
「仕事内容が忙しい中で、どうやって勉強を進めればいい？」
「将来性や収入アップのために、まずは情報を集めたい」
建設業界で技術を磨き、キャリアアップを目指す人にとって、一級土木施工管理技士は欠かせない国家資格です。しかし、その試験範囲は幅広いため、誰もが簡単に合格できるわけではありません。
そこで今回は、試験対策に向けて、一級土木施工管理技士の実際の難易度や合格率、合格するためのコツを徹底解説します。これから受験を考えている方や、建築施工管理技士や管工事施工管理技士など他職種の資格と比較検討している方も、ぜひ参考にしてください。
一級土木施工管理技士の難易度とは？
一級土木施工管理技士の難易度は、他の国家資格と比べても「高く、やや難しい」部類に入ります。特に、現場での実務と並行して勉強時間を確保しなければならない点が、受験者にとって大きなハードルとなっています。
試験は「一次検定（旧：学科試験）」と「次に行われる二次検定（旧：実地試験）」の2段階で実施され、それぞれに合格しなければ資格を取得できません。
合格率の推移と傾向
近年の傾向として、令和5年度などのデータを見ると以下のようになっています。
- 一次検定： 合格者の割合は平均 50% 〜 60% 前後
- 二次検定： 平均 30% 〜 40% 前後と低い傾向
- 全体のストレート合格率： 推定 15% 〜 20% 程度
数字だけを見ると「半分は受かる」と思いがちですが、2級土木施工管理技士よりも求められる知識の幅が広がり、より高度な能力が試されます。
一級土木施工管理技士の合格基準と受験資格
合格するためには、以下の基準を満たす必要があります。また、制度の変更により受験資格が見直されている点にも注意が必要です。
受験資格の緩和
以前は厳しい実務経験年数が必須でしたが、令和6年度以降の制度変更により、1級の第一次検定は満19歳以上であれば誰でも受験可能（技士補になれる）となるなど、門戸が広がっています。ただし、第二次検定を受けるには、一定の実務経験が必要です。
合格基準と正答率
原則として、一次・二次ともに得点が60%以上であることが求められます。
設問に対して正しい解答（正解）を選ぶマークシート方式と、文章で記述する方式に分かれています。
一級土木施工管理技士の勉強時間
一般的に、一級土木施工管理技士の合格に必要な勉強時間は、以下の程度と言われています。
- 初学者： 300 〜 500時間（約半年〜1年）
- 経験者： 100 〜 200時間
期間にすると、試験の3〜6ヶ月前から勉強を始めるのが基本です。「1日1時間は机に向かう」といった習慣づけが、結果を左右します。
一級土木施工管理技士の勉強方法
忙しい現場監督が効率よく合格するための勉強法として、以下のコツを紹介します。
過去問を徹底的に繰り返す
一級土木施工管理技士の試験は、過去に出題された問題の類似問題が多く出題されます。市販の問題集や無料の過去問サイト、スマホアプリなどを利用し、過去5〜10年分の問題を「繰り返し」解くようにしましょう。
間違えた箇所はテキストに戻って詳細を確認し、なぜその解答になるのかを理解することが重要です。
隙間時間を有効活用する
まとまった勉強時間が取れない場合は、通勤時間や休憩時間などの「隙間時間」を活用します。工学系の専門用語や法規の数値などは、単語帳を使って暗記するのがおすすめです。
独学か、通信講座か
独学で進めることも可能ですが、記述式の添削が必要な場合は、通信講座やスクールのサービスを利用するのも一つの手です。費用はかかりますが、プロの講師から直接指導を受けられるため、合格の可能性がグッと高まります。
一級土木施工管理技士の試験範囲
試験範囲は非常に幅広いため、カテゴリごとに優先順位をつけて学習する必要があります。
主な出題分野
- 土木工学： 土工、コンクリート工、基礎工など
- 専門土木： 構造物、河川、砂防、道路・舗装、ダム、トンネル、海岸、港湾、鉄道、地下構造物、上・下水道（水道含む）など
- 法規： 労働基準法、建設業法、道路法、河川法など
- 施工管理法： 工程管理、安全管理、品質管理、環境保全など
特に専門土木は、自分の担当業務（例：道路）以外に、ダムやトンネルといった関連分野からも出題されるため、広く浅く知識を得ておく必要があります。
一級土木施工管理技士の難易度が高い理由
なぜ多くの受験者が苦戦するのでしょうか。その理由は主に3つあります。
1. 記述試験（経験記述）の対策が難しい
二次検定の「経験記述」では、自分が行う施工管理の中で発生した課題と、それをどう解決したかを論理的に記述（書く）必要があります。建築や土木工事の現場における応用力が試されるため、単なる暗記では対応できません。
2. 業務範囲が広い
前述の通り、日本国内のあらゆる土木構造物が対象となるため、苦手な分野を作ると得点が伸び悩みます。
3. 仕事との両立が困難
求人需要が高い業界ゆえに多忙な方が多く、勉強時間を確保し続けること自体が難しいのが現実です。
一級土木施工管理技士の資格取得のメリット
苦労して資格を取得することには、それ以上の大きなメリットがあります。
給与・年収アップや昇進につながる
多くの企業で資格手当が設定されているほか、昇進・昇格の条件となっている場合も多いため、給料アップが期待できます。資格手当ランキングでも常に上位に位置する人気資格です。
監理技術者・主任技術者になれる
特定建設業の「専任技術者」や、現場の「監理技術者」として配置できるため、大規模な工事を担当できるようになります。企業内での存在感が増し、リストラ等のリスクも下がります。
転職市場での価値が跳ね上がる
一級土木施工管理技士は常に人材不足です。ゼネコンへの転職はもちろん、安定した環境で働ける「発注者支援業務」や公務員など、キャリアの選択肢が大幅に広がります。
まとめ
一級土木施工管理技士は決して簡単な試験ではありませんが、正しい勉強法と十分な対策を行えば、働きながらでも確実に合格を狙える資格です。
資格を取得すれば、現場での信頼度が上がるだけでなく、より良い条件の会社への転職や、安定した働き方ができる職種へのキャリアチェンジも夢ではありません。
まずは目次を立てて学習計画を作り、今日から少しずつ勉強を始めてみてはいかがでしょうか。
一級土木施工管理技士の資格を活かして、キャリアアップするなら
難関資格である一級土木施工管理技士を取得したら、その価値を正当に評価してくれる環境で働きませんか？
株式会社エムエーシーでは、国土交通省などの公共事業をサポートする「発注者支援業務」の求人情報を多数取り扱っています。
「完全週休2日制で働きたい」「転勤なしで地元に貢献したい」「資格手当が充実した会社がいい」
そんなご希望をお持ちの方は、ぜひ一度採用サイトをご覧ください。Webから簡単に求人を検索・チェックできます。
ご自身のキャリアについてのご相談も随時受け付けています。興味のある方は、以下のリンクから詳細をご確認ください。
※求人一覧やエントリー方法は、上記サイトをご参照ください。