工事現場で活躍する主任技術者。
本記事では、主任技術者になるための要件や仕事内容、現場での必要性について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
- 主任技術者の詳細
- 主任技術者になるために、資格は必要なのか
- 主任技術者になるために必要な3要件
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主任技術者とは

主任技術者とは、建設業界における技術的な専門知識や経験を活かし、工事現場の監督や管理をする人のことです。
全ての工事現場に配置が義務付けられており、工事の技術的な側面をリードし、管理する責任があります。
知識や経験、スキルを総合的に磨くことで主任技術者のポジションに就けます。
主任技術者になるために、資格は必要?

主任技術者になるために、資格は必ずしも必要ありません。
主任技術者には、資格を取得することでもなれますが、要件を満たせば主任技術者として働くことは可能です。
では主任技術者になるためには、どのような要件を満たせば良いのでしょうか。
主任技術者になるために必要な3要件

それでは主任技術者になるために、必要な要件について解説していきます。
以下で紹介する3つの要件のどれか一つを満たすことで、主任技術者になることができます。
ただ前提として、どの要件を満たす場合でも実務経験は必要になるので、いきなり主任技術者になれるわけではないということを知っておきましょう。
1.一つの業種の実務経験を積む
建設業において、一つの業種に就いて実務経験を積むことで、主任技術者になることができます。
この場合、学歴によって必要な実務経験の年数が異なります。
具体的には、以下の表を参考にしてください。
学歴 | 実務経験年数 |
大学の指定学科を卒業している者 | 3年以上 |
高等専門学校の指定学科を卒業している者 | 3年以上 |
高等学校の指定学科を卒業している者 | 5年以上 |
上記以外の学歴 | 10年以上 |
なお表中の「指定学科」とは、国土交通省が定めている学科のことです。
29種類ある建設業の業種のそれぞれに対し、指定学科が定められています。
たとえば土木工事業で実務経験を積む場合であれば、指定学科は「土木工学、都市工学、衛生工学又は交通工学に関する学科」を選ぶ必要があります。
2.複数の業種の実務経験を積む
複数の業種を経験した人も、実務経験の要件を満たすことで、主任技術者として働けます。
この場合、「2つの業種で12年以上の実務経験を積み、そのうち許可を得たい業種の実務経験は8年以上あること」が要件になります。
たとえば、とび・土木工事業の主任技術者になることを考えている場合、「土木工事業及びとび・土工工事業に係る建設工事に関し12年以上の実務経験を有する者のうち、とび・土工工事業に係る建設工事に関し8年以上の実務経験」が必要になります。
3.国家資格を取得する
国家資格の取得によっても、主任技術者として働くことは可能です。
主任技術者になるための代表的な資格をご紹介します。
建設業界でおすすめの資格について紹介した記事はこちら↓

・2級施工管理技士
施工管理技士には、建築施工管理技士、土木施工管理技士、電気工事施工管理技士など全部で7種類の資格があります。
それぞれに1級と2級があり、2級を取得することが1級チャレンジの要件にもなっています。
試験の流れとしては、第一次検定と第二次検定があり、一次に受かると二次に進める仕組みになっています。
第一次検定の内容としては、施工管理における基礎知識を問う問題が主に出題されます。
第二次検定は、主任技術者として施工管理を行うために必要な応用知識を問う問題が出題されます。
なお、第一次検定にしか受からなかった場合でも、「技士補」として主任技術者のサポート業務を行うことができます。
・2級建築士
2級建築士は、都道府県の知事によって認められた国家資格です。
2級建築士は建築のプロとして、戸建住宅の設計や工事管理を行います。
大学で建築学科を卒業していれば、実務経験ゼロで受験資格を得ることができます。
また大学や高等専門学校で土木課程を履修している場合、実務経験を1年、高校の建築・土木学科を卒業した場合は、3年の実務経験を積むことで受験資格を満たせます。
・第二種電気工事士
電気工事士は、一般住宅の電気工事が行える独占業務資格です。
受験資格や学歴などは必要なく、工業高校などでも取得することができるため、チャレンジしやすい点が魅力です。
試験内容としては、学科試験と技能試験に分かれており、どちらの試験にも合格することで晴れて電気工事士となれます。
なお学科試験をパスした人しか、次の技能試験に進めないため、まずは学科試験の学習内容を固める必要があるでしょう。
また資格取得してから、3年間の実務経験が必要になるため注意しましょう。
参照:国土交通省「監理技術者⼜は主任技術者となり得る国家資格等」
監理技術者とは

主任技術者とよく比較される仕事として、監理技術者というポジションがあります。
主任技術者として業務経験を積んだ上で、さらなるキャリアアップを目指したい人は監理技術者を目指すのが一般的です。
主任技術者との違いは、工事の請負金額が4,000万円を超える場合に、主任技術者の代わりに配置される点です。
そのため、監理技術者は主任技術者としても働くことができますが、その逆はできません。
また下請け企業の指導・監督業務も、主任技術者にはなく、監理技術者ならではの仕事です。
監理技術者について詳しく解説した記事はこちら↓

監理技術者になるためには

監理技術者になるためには、1級施工管理技士や一級建築士、第1種電気工事士などの国家資格の取得が必要です。
また、実務経験で監理技術者になるためには、最長で12年の実務経験が必要です。
しかし上記でも述べたように、指定学科を卒業することで、短い期間で受験資格の要件を満たすことができます。
主任技術者に関するよくある質問

主任技術者に関するよくある質問として、以下をチェックしてみましょう。
主任技術者は誰でもなれるの?
主任技術者は誰でも簡単になれるわけではなく、建設業法で定められた資格や実務経験などの要件を満たす必要があります。
代表的な資格としては、1級建築士や1級土木施工管理技士などの国家資格があり、これらを持っていれば主任技術者として認められます。
また、資格がない場合でも、指定された学科を卒業して一定年数の実務経験を積めば要件を満たすことができます。
たとえば、高等学校の指定学科を卒業した場合は5年以上、大学であれば3年以上の実務経験が必要です。
これらの条件を満たさない場合は、主任技術者として登録することはできないので注意しましょう。
主任技術者になれる人のタイプは?
主任技術者は、現場の責任者としてチームをまとめたり、品質や工程を管理したりする重要な役割を担います。
そのため、まず責任感が強く、自分の仕事に誇りを持てる人が向いています。
また、細部まで気を配れる几帳面さや、作業手順・安全基準を守る意識も欠かせません。
さらに、協力会社や職人との調整も多いため、円滑にコミュニケーションを取れる柔軟性や対人スキルも求められます。
このようにさまざまな面での適性が求められる点について、理解しておきましょう。
主任技術者が現場にいないことはある?
基本的に主任技術者は、担当する工事の期間中、常時現場にいることが原則とされています。
理由として、現場の安全を確保し、工事が適正に進行しているかを管理する役割があるためです。
ただし、工事の規模が小さく「軽微な工事」に該当する場合は、常駐義務が緩和されるケースもあります。
万が一、やむを得ない事情で現場を一時的に離れる必要がある場合は、事前に発注者へ報告し、代理者を立てることが求められます。
無断で現場を離れる行為は、建設業法違反となり、行政処分の対象になることもあるため注意が必要です。
基本的には、現場に常駐することが主任技術者の責務といえるでしょう。
以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

主任技術者や監理技術者として活躍するなら発注者支援業務がおすすめ

リーダーシップを発揮して、現場の監督や管理を行う主任技術者・監理技術者ですが、高度なスキルや経験の証明になるため、転職で有利に働くでしょう。
主任技術者・監理技術者として転職を考えるなら、「発注者支援業務」がおすすめです。
発注者支援業務は、国や都道府県が発注する工事をサポートする業務で、働き方や待遇が公務員に近いことから、人気の仕事です。
また社会インフラを作り上げる公共工事に携われるため、やりがいを持って業務に臨めるでしょう。
そして「発注者支援業務」には工事監督業務が含まれており、大規模工事の数が年々増えているため、大規模工事を監督する監理技術者の需要は高まっていると言えます。
そのため、主任技術者はもちろん、監理技術者になるための条件を満たしておくと、発注者支援業務で活躍できるでしょう。
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