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建設業の平均年収は567万円!年収の高い業種や年収アップの方法も解説
2024.7.15
建設業の平均年収は、平均よりやや高めの567万円です。
しかし、一口に建設業といっても、業種や資格の有無といった条件により、年収には大きな幅があります。
建設業で高収入を得るためには、どうすれば良いのでしょうか。
今回の記事では、建設業の平均年収や特に平均年収の高い業種、年収を上げる方法について解説します。
建設業は好きだけど収入に不満がある方、年収アップのために建設業への転職を考えている方に特に役立つ内容です。
ぜひ最後までお読みください。
この記事のポイント
- 建設業の平均年収
- 建設業のメリットとデメリット
- 建設業の年収アップ方法と年収の高い職種
建設業の平均年収
まずは、建設業の平均年収を厚生労働省が公表した「令和5年賃金構造基本統計調査」から、建設業の年収について読み解いていきましょう。
建設業の平均年収は約567万円
厚生労働省の調査によると、建設業の平均年収は令和5年時点で約567.0万円となっています。
全産業の平均年収約506.9万円や製造業の平均年収513.6万円と、比較するとやや高いことが分かります。
※「きまって支給する現金給与額」と「年間賞与その他特別給与額」より算出。以下同じ
建設業の年齢層別平均年収
続いて、建設業の年齢層別平均年収を、製造業と比較してみましょう。
建設業は製造業より全年齢層において年収が高いだけではなく、若年層(20~29歳)における年収の伸び率が良く、30代で年収500万円超を達成できることが分かります。
また、ピークから69歳までの減少率も製造業と比較すると穏やかで、シニアになってからも安定した収入が得られる点も建設業の特徴です。
建設業のメリット
建設業は高収入が得られるのはもちろんのこと、安定性ややりがいという点でも魅力のある業種です。
建設業の主なメリットとしては、以下の3点が上げられます。
若い年代から高収入を得られる
先ほどグラフでご紹介した通り、建設業は20~30代の若い年代から高収入を得られます。
建設業は経験と資格取得により、キャリアアップがしやすいためです。
一般企業のような年功序列ではなく、努力次第で給与アップやより責任の重い役職が目指せる、やりがいのある仕事と言えます。
安定した需要がある
建設業は高収入名だけではなく、高い安定性をも誇ります。
マイホームの建築からインフラ工事、都市の再開発まで、さまざまな種類や規模の建設工事が日本全国で行われています。
さらに、建築物は一度建てれば終わりではなく、メンテナンスや更新など、定期的に手を入れなくてはなりません。
建設工事が不要になることはほぼ考えられないことから、建設業において仕事を失うリスクは非常に低いといえます。
また、安定したニーズがあるということは、それだけ転職が容易であるということでもあります。
建設工事の需要が増えている反面、建設業従事者は減少の傾向にあり、人手不足の状態です。
現在の建築業界は売り手市場であり、転職がしやすい状態であると言えるでしょう。
物を作り上げるやりがいがある
物作りが好きな人にとっては、建設業は非常にやりがいのある仕事です。
住宅や店舗、大規模なビルやインフラ建設など、手がけた建設物は長い時間存在し続け、多くの人に利用され続けます。
「自分の作ったものが形になり、人の生活に役立っている」という実感は、金銭には換算できない非常に大きな喜びになるでしょう。
建設業のデメリット
建設業は高収入かつやりがいのある仕事ですが、それだけに心身ともに負担が多い点がデメリットです。
具体的なデメリットとしては、以下の3点があります。
繁忙期は労働時間が長い
建設業は長時間労働が多い職種です。
建設工事は定められた工期内で仕上げるのが絶対のルールです。
しかし、地盤などにトラブルが生じたり、雨の日が多かったりすると作業が遅れてしまいます。
遅れた分を取り戻すには、作業時間を伸ばすしかありません。
特に現在、建設業は人手不足の状態です。
一人当たりの作業時間が長くなり、負担が増すことは避けられません。
責任が重くプレッシャーが大きい
建設業は責任の重い仕事です。
建設工事は工期内で仕上げるのが絶対ですが、だからと言って手抜きはできません。
高い正確性と、安全性が求められます。
定められた工期内で、与えられた仕事を正確に仕上げるためには、高い責任感と注意力が必要です。
特に現場監督のような責任者のプレッシャーは、非常に大きなものになるでしょう。
労働事故が多い
建設業は労働事故の多い危険な仕事です。
高所作業をしていて落下する、建設機械に巻き込まれるなど、さまざまな事故に遭うこともあります。
厚生労働省の発表によると、令和5年の建設業における労災死亡事故者数は223人で、全死亡事故件数(755人)の約29.5%を占めています。
また、屋外作業のため熱中症や寒さによる作業効率低下、風邪などのリスクもあります。
自身の判断ミスはもちろんのこと、機械や器具の故障、天候といったさまざまな要因から事故が起こりえる、危険と隣り合わせの仕事であることは否定できません。
建設業の年収を上げるポイント
先述の通り、建設業は努力次第で年齢に関わらず年収アップが望める業種です。
それでは、建設業において年収を上げるためにはどうすれば良いのでしょうか。
以下に詳しくご紹介します。
実務経験を積む
建設業は、実務経験が重要な業種とされています。
なぜなら、建設業は知識さえあればできる仕事ではないためです。
現場で作業をするためには専門的な技術が必要です。
また、現場監督のような責任者のポジションでは、トラブル対応力や、クライアントとやり取りを行うための交渉力なども求められます。
対応力や交渉力は、机上の学習では培えません。
現場での実務経験を積み重ねる中で、少しずつ現場仕事に必要な能力を得る必要があります。
資格を取得する
建築業には、建築士や施工管理技士を始めとしたさまざまな資格があります。
資格を取得することで、より規模の大きな工事に幅広く対応できるようになるため、年収アップにつながります。
また、現場監督やプロジェクトの責任者といったステップアップも可能です。
給与がアップするだけではなく、デスクワーク中心の職種へシフトできるため、体力的な負担も軽減されます。
より年収の高い職種に転職する
一口に建設業といっても、さまざまな職種があります。
現場工事に携わる職人、現場監督となる施工管理技士、建設工事に必要な予算を算出する積算、営業所で書類管理を行う事務など、一つの建設工事において、多岐に渡る職種、立場の人間が関わります。
当然のことながら、責任が重く、豊富な経験や知識が求められる職種ほど高収入です。
実務経験を積み、資格を取得することでより年収の高い職種へキャリアアップすることで、収入の増加が狙えるでしょう。
特に年収の高い建設業の職種5選
建設業で年収アップを実現するためには、建設業内でより年収の高い職種へキャリアアップすることが重要です。
年収の高い業種はデスクワークも多いことから、体力的な負担や労働事故によるケガなどを軽減できる点もメリットといえます。
ここからは、建設業の中でも特に年収の高い業種を5つご紹介します。
建築士
建築士とは、建築の設計や工事監理を行う建築のプロフェッショナルです。
資格としては1級建築士、2級建築士、木造建築士があり、試験を合格することで国または都道府県より資格が与えられます。
資格取得者は設計事務所や建築士事務所、ハウスメーカー、ゼネコンなどで建築物の設計や施工管理・指導・監督などを行います。
平均年収は企業の規模によっても異なりますが平均560~800万円程度、大手ゼネコンであれば1,000万円超も目指せます。
技術士
技術士は、科学技術分野で最高の国家資格です。
21部門からなり、その中の一つに「建設部門」があります。
建設部門の技術士資格を取得すると、技術開発や指導・評価といったより専門的な立場から建設に関わることが可能です。
就職先としては建設会社の技術開発や研究・民間コンサルタント企業、官公庁などが挙げられます。
官公庁では公共事業の事前調査や計画、設計監理といった業務に携わります。
責任は重いですが、尊敬や信頼を得られるやりがいのある仕事です。
厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査によると、技術士の平均年収は約615万円です。
一般的な建設業よりかなり高い収入が期待できるでしょう。
技術士に関する詳しい内容は以下の記事でまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
技術士はどんな仕事?どうしたらなれるの?技術士の仕事内容から受験資格まで解説します!
建設コンサルタント
建設コンサルタントは、インフラ設備や大規模建築などの公共工事において、工事の発注者であるクライアントに専門的な立場から建設に関するアドバイスを行う仕事です。
必須の資格はありませんが、建築士や技術士の資格があると有利です。
建設コンサルタントの平均年収は、450~500万円程度と言われています。
中には年収1,000万円以上を得ているケースもあり、努力次第で年収アップが望める職種です。
建築コンサルタントに関する記事として、以下もご参照ください。
施工管理技士
施工管理技士は現場監督として、建設工事の監理を行います。
安全や品質、環境に配慮しつつ、定められた期間内、予算内で工事を完了できるよう、調整や指導をするのが主な仕事です。
施工管理技士の資格があると、監理技術者や主任技術者といった、より高度な役職に就くことも可能です。
施工管理技士の平均年収は620万円程度と、建設業の中でも特に高年収が期待できます。
また、施工管理技士は発注者支援業務に携わることも可能です。
発注者支援業務は公共事業の発注者に代わり、建設工事の発注や監理を行います。
公務員に準拠した労働条件で働けるケースが多く、建設業のデメリットである長時間労働を避けられる点が大きな魅力です。
発注者支援業務に興味のある方は、MACにご相談ください。
施工管理に関する詳しい内容は以下の記事でまとめているので、ぜひチェックしてみましょう。
測量技術者
測量技術者は、地理的な位置情報や測量技術を用いて、土地や建物の大きさを正確に測量し、工事や地図作成に貢献する仕事です。
測量士は大学などで測量を学んだ後実務経験を積む、もしくは国家試験に合格することで取得できます。
測量士の平均年収は、約450万円です。
測量は建設工事や土木工事を行ううえで欠かせない過程であり、安定した需要が望めます。
培った技術を生かして、長期的に同じ仕事を続けたいという方に向いた職種です。
測量士の年収や仕事内容は、以下の記事でまとめているのでチェックしてみてください。
測量士の平均年収は約450万円!仕事内容やおすすめの資格も解説
まとめ|建設業の転職を考えている場合はMACにご相談ください!
建設業の平均年収や特徴、年収を上げる方法について解説しました。
建設業は平均より高い年収が望めますが、より年収を上げるためには経験を積み、資格を取得して、より高収入を得られる職種に転職するのも一つの選択肢です。
今回の記事を参考に、将来的にどう動くのかイメージを膨らませてみると良いでしょう。
建設業への転職を考えている方は、ぜひMACにご相談ください。
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