Construction column
積算事務に転職するのは難しい?転職する際のポイントも解説
2024.8.29
積算事務は、建設工事に必要な費用を算出する大切な仕事です。
建設工事の中心的な役割を担う責任の重い仕事ですが、充実感や達成感を得られる点が大きな魅力です。
そのような積算事務に興味がある、転職してみたいと思う方もいるのではないでしょうか?
今回の記事では、積算事務の転職について解説します。
今回の記事では、積算の業務内容や魅力、向いている人の特徴を解説します。
転職する際のポイントや、積算業務の志望動機の書き方と例文も紹介していますので、積算業務に興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。
この記事のポイント
- 積算への転職は難しいのか
- 積算の1日の仕事の流れ
- 積算のやりがいや魅力的要素
- 積算に求められるスキルや資格
- 積算へ転職するポイント
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目次
積算事務に転職するのは難しい?
結論として、簡単ではありませんが、未経験でも積算業務への転職は可能です。
建設業界は慢性的な人手不足に悩まされており、未経験者を積極的に採用する傾向があります。
積算業務もその例外ではなく、基礎から教育する体制が整った企業や、アシスタント業務から始められる企業も数多く存在します。
また、建設に関する知識や経験があれば、積算業務の実務経験がなくても歓迎されるでしょう。
中でも、コツコツと数字を扱い正確な作業が得意な人、意思決定において重要な情報を扱いたい人、建築物が好きでコミュニケーションが得意な人は未経験でも歓迎されるでしょう。
積算とは?
積算は、建設工事にかかる工事費を算出する重要な役割を担う仕事です。
図面や仕様書をもとに人件費や材料の数量を計算し、それぞれの価格を掛け合わせて最終的な工事費を算出します。
その工事費を基に建設工事での利益を見積もり、設定することも積算業務の一環です。
また、コスト削減のために、材料の業者や専門工事業者と価格交渉を行うことも求められます。
積算業務では、正確な数字が求められるため、効率的に計算を行うためのソフトを使用することが一般的です。
工事費の算出に加えて、見積書や内訳明細書、数量調書などの書類作成も積算業務に含まれます。
積算の仕事の一日の流れ
積算業務に従事する場合、1日のスケジュールは以下のように進行します。
1.8:00 :出社。事務所の清掃とその日の業務内容を確認。
2.8:10 :朝会議。今日の仕事内容や予定、昨日の進捗状況、確認事項の報告。
3.8:10~12:00: 日常業務: 各業者からのメール対応、稼働中の現場との打ち合わせ、設計業務など。
4.13:00~17:00:積算業務: 稼働中の物件や入札期限が迫っている案件の積算作業。
5.17:00~18:00 :業務のその日のまとめ、メール対応、日報の記入、入札案件のチェックなど。
このように、積算業務は単に計算するだけでなく、現場との打ち合わせやメール対応など、多岐にわたる業務が含まれています。
積算のやりがいや魅力的な要素
積算のやりがいや魅力的な要素は何があるのでしょうか。
やりがいと魅力的な要素を解説します。
コストを抑えて利益を追求する姿勢が身につく
工事費用を最大限に抑えつつ、どれだけの利益を生み出せるかを考えることが積算業務の面白さといえます。
施主の要望を反映することは重要ですが、すべてを受け入れると予算オーバーになることも少なくありません。
積算業務では、詳細な費用を算出することで、必要なものと不要なものを明確にし、限られた予算内で利益を確保することが大きなやりがいとなるでしょう。
企業にとって欠かせない役割を果たせる
適切な積算を行うことで、工事を受注できるかどうかを判断する基準となります。
受注数は会社の存続に直結するため、積算業務は非常に重要な役割を担うポジションです。
また、費用の積算ミスや予算と見積もりの不一致など、小さなミスが大きな金額のズレにつながる可能性があります。
そのため、建設工事全体に関わる責任は重大ですが、難しい仕事を無事にやり遂げたときの達成感は格別です。
後世に語り継がれる建築物に関わることができる
建設業界全般に共通する魅力の一つとして、自分が携わった建物が後世に残るという点があります。
積算業務に従事する中で、建設現場に赴く機会は少ないかもしれませんが、建設過程の重要な一部を担っていることは、大きなモチベーションとなるでしょう。
自分の仕事が形となり、長く残り続ける建物の一部として貢献できることは、積算業務における大きなやりがいの一つです。
積算業務に求められるスキル
事費用を正確に算出するためには、図面や仕様書を的確に読み解く能力と、建設に関する広範な知識が不可欠です。
これにより、必要な建設材料の量を適切に見積もり、材料が余ることなくコストを管理することが求められます。
また、工事開始前には資材や人件費などの予測が必要であり、経済動向の理解も重要です。
景気の変動によっては、工事費の削減を余儀なくされることも少なくありません。
さらに、急な仕様変更に柔軟に対応する能力や、価格交渉に必要なコミュニケーションスキルも、積算業務には欠かせない能力の1つです。
積算業務に求められる資格
建築積算士の資格が役に立ちます。
建築積算士は、材料費や工事費の積算業務における高度な専門技術を持つ資格です。
建築積算士を取得することで、年収のアップが期待できるほか、条件の良い企業への転職がしやすくなります。
また、公共工事の入札基準にも関連しており、企業側にも大きなメリットの1つです。
建築積算士試験には、以下の2つの試験があります。
・一次試験: 四肢択一式の問題が出題される筆記試験
・二次試験: 短文記述と実技試験が含まれます。
実技試験では、鉄骨や躯体などの費用および内訳明細を作成する実践的な内容が求められます。
近年の合格率は50~60%で、難易度はそれほど高くないとされていますが、実技試験では実務よりも計算の正確性が強く求められるため、高い難易度の試験です。
以下の記事では、資格についてより詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
未経験から積算業務に転職するためのポイント
未経験から積算業務に転職するためにはポイントを理解することが重要です。
転職するためのポイントをまとめました。
基礎的な計算スキルを磨く
正確な工事費用を算出するためには、図面や仕様書を読み解く能力と、建設に関する広範な知識が必要です。
これらの資料から必要な建設材料の量を正確に見積もり、材料が余ることなくコストを適切に管理することが求められます。
そのため、基本的な計算スキルを磨くことは欠かせないことが想定されるでしょう。
基本的な計算でつまずいていると、積算業務に支障が出てしまいます。
自主的に学ぶ姿勢を見せる
積算業務を未経験から始める場合、知識を習得するまでには一定の時間がかかります。
仕様書の読み取りや工事の工程、工法、建材の種類や価格、専門用語など、覚えるべきことは膨大です。
未経験から一人前として活躍するためには、積極的に知識を吸収しようとする意欲が必要です。
自主的に学び、わからないことはすぐに先輩に聞くなどの学ぶ姿勢を見せるといいでしょう。
建築積算士の資格を取得を目指す
積算業務は資格がなくても行える仕事ですが、積算業務における代表的な資格である「建築積算士」を取得することで、スキルの証明ができ、資格手当やキャリアアップにもつながります。
また、建築積算士の下位資格である「建築積算士補」を先に取得してから試験に挑戦する方法もあります。
建築積算士補は、認定校で「建築積算講座」を受講し、試験に合格することで取得可能です。
以下の記事でより詳しくまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
積算は未経験でも転職できる?業務内容ややりがい、平均年収なども解説
積算業務の志望動機の書き方と例文
最後に、積算業務の志望動機の書き方のポイントを解説します。
また、例文も紹介しますので参考にしてみてください。
志望動機を書くときのポイント
志望動機を書く際は、以下のポイントを押さえて具体的に述べることが基本です。
①積算業務を選んだ理由
建設業には施工、営業、設計、施工管理など多くの職種があります。
その中で積算業務を選んだ理由を明確に伝えることが大切です。
積算業務の仕事内容や求められるスキルを理解したうえで、なぜこの分野に興味を持ったのか、自分がどのように貢献できるかを具体的に述べましょう。
②その企業を選んだ理由
多くの建設業者が存在する中で、なぜこの企業を選んだのかを具体的に説明します。
企業研究を行い、その企業ならではの取り組みや強みを理解したうえで、自分がなぜこの企業で働きたいのかを明確に伝えましょう。
「積算業務に挑戦したいから」という漠然とした理由ではなく、企業特有の魅力や自分の目標と企業の方向性が合致している点を強調しましょう。
③どんな仕事をしたいか・どんな貢献ができるか
積算業務としてどのような仕事をしたいのか、また、どのように企業に貢献できるかを具体的に述べます。
自身のスキルや経験、知識をどのように活かして成果を上げるつもりなのかを説明しましょう。
④未経験者のアピールポイント
未経験の場合は、実績をアピールできないため、仕事への意欲やキャリアビジョンを伝えることが重要です。
建築を学んでいる、資格取得を目指しているなど、積算業務に関連する取り組みを強調することが大切です。
⑤関連するスキルのアピール
パソコンスキル、数字に強い、設計やCADのスキル、コミュニケーション能力など、積算業務に役立つスキルをアピールするのも効果的です。
これらのポイントを踏まえた志望動機により、具体的で説得力のあるものになります。
積算業務の志望動機の例文
それぞれのケースに合わせた志望動機の例文を紹介します。
【建設業の経験者の場合】
「前職では建設会社で施工管理に従事しておりました。施工管理を通じて図面の読み解きや工事の進行管理に関する知識と経験があります。積算業務は、施工管理で培った図面解析能力やコスト管理のスキルを直接活かせると考え、転職先として選びました。貴社での積算業務を通じて、さらに専門的なスキルを磨き、より一層の貢献を果たしたいと考えております。」
【建設の知識がない未経験者の場合】
「建設業界に興味を持ったのは、自分の仕事が形として残る素晴らしさに感銘を受けたからです。調べる中で積算業務という職種に出会い、数字に強く、計算が得意な自分に適していると感じました。現在は独学で建設に関する知識を勉強し、積算業務に必要なスキルを身につけています。貴社での積算業務を通じて、自分の得意分野を活かしながら成長し、貢献していきたいと考えています。」
【設計の知識がある未経験者の場合】
「製図学校で設計を学んだ経験があります。その中で、設計が単なるデザインではなく、コスト管理や積算の重要性を深く理解するようになりました。図面を読み解く力や、設計におけるコスト管理の知識を活かし、貴社の積算業務に貢献できると考えています。設計の知識を積算業務に活かし、より良い成果を上げるために努力したいと思っています。」
これらの例文を参考に、自分の経験や背景に合わせてアレンジすると良いでしょう。
まとめ|積算事務への転職を考えている方はMACにご相談ください
結論として、未経験でも積算業務に転職することは十分に可能です。
建設業界は人手不足が続いており、未経験者の採用に積極的な企業が多く存在します。
積算業務も例外ではなく、基礎から教育を行う体制が整っている企業や、アシスタント業務からスタートできる企業もあります。
基本的な計算スキルを磨きや自主的に学ぼうとする意思があれば、より転職しやすくなるでしょう。
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