「女性だから厳しい」なんて嘘!現場で“できること”の見つけ方

「現場の仕事って女性には厳しいの?」

現場の仕事をしたいと思っていても「女性は厳しい」という声を耳にし、不安を感じている方もいるかもしれません。

日本全国の土木工事に9年間携わってきた筆者も「自分は本当にできるのだろうか?」と、不安を感じながら就職活動をしていました。

実際に現場の仕事を始めると、たしかに女性だからこそ感じる壁がありました。

しかし「できない」「自分には無理」ではなく、行動や考え方次第で徐々に自信を持てるようになったのも事実です。

今回は、現場で“できること”の見つけ方や自信を持つための考え方を紹介します。

最後まで読み進めることで「女性だから厳しいなんて嘘!」と、自信を持って就職活動を進められるでしょう。

現場の仕事に挑戦したい方はもちろん、建設業界への就職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること
  • 筆者が就職活動前に抱えていた不安
  • 現場で”できること”の見つけ方
  • 現場の仕事で自信を持つための考え方

当社MACでは、建設業のご紹介・案内を行っております。

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目次

【簡単に紹介】現場の1日の仕事

現場の1日の仕事を簡単に紹介します。

工事の内容によって違いはありますが、現場では以下のような仕事をします。

【現場の仕事の1日の流れ】

時間仕事内容
出社(7:30)・1日の作業内容を確認
・KY(危険予知)活動表の作成
・職人さんとの打ち合わせ
朝礼(8:00)・ラジオ体操
・作業内容を発表
作業開始(8:20)・建設機械や電動工具の点検
・資材や機械の搬入車両を誘導
・施工管理(工程・品質・原価・安全)
小休憩(10:00)15分程度の休憩
ランチタイム(12:00)1時間の休憩
打ち合わせ(13:00)・午前中の作業の進捗確認
・翌日の作業内容の確認
小休憩(15:00)15分程度の休憩
作業終了(17:00)・後片づけと整理整頓
・職人さんに翌日の作業内容を周知
事前準備や書類作成(〜17:30)・資材の発注
・現場写真の整理
・施工関係書類の作成

夏場は熱中症の予防のために作業開始時間を早め、一番暑い時間に作業を終えたりするなど、現場ごとに臨機応変に対応しています。

また、前日に大雨が降った場合は現場に異常がないか、朝礼前に確認することも大切です。

「女性ってだけで不利なの?」筆者が就職活動前に抱えていた不安

現場技術者として念願の施工管理の仕事ができるようになりましたが、就職活動のときはなかなか内定をもらえず苦戦しました。

会社説明会や面接の際、会社の採用担当者や面接官から言われたことは…

「女性の現場技術者はいない」

「女性のあなたは現場の仕事ができるの?大丈夫?」

「ロールモデルがいないから心配」

たしかに当時は、建設業界全体で女性の採用に積極的ではない企業も多かったように感じます。

就職活動の状況を両親に話したこともありましたが「大丈夫?」と何度も心配されました。

「”大丈夫?”って聞かれても、やってみないとわからないじゃないか!」

当時の筆者は怒りに似たような感情を持っていましたが、内心は「女性ってだけで不利なの?」と不安も感じていました。

ただ、これから就職活動をする学生さんは、安心してください。

国土交通省をはじめ、建設業界全体で女性活躍を後押しする取り組みを進めています。

また、建設業界の女性で構成される「一般社団法人 土木技術者女性の会」「一般社団法人 日本建設業連合会の”けんせつ小町”」などの団体もあり、女性技術者同士で交流ができます。

女性技術者のリアルな声を聞けるので、うまくいかないことがあった場合でも解決策も見つけられるでしょう。

「女性だから現場の仕事ができないんじゃないか」と不安になる必要はありません。

【参考】

国土交通省|建設産業における女性の定着促進に向けた取組について

一般社団法人 日本建設業連合会|けんせつ小町

一般社団法人 土木技術者女性の会 公式ホームページ

現場で感じた「壁」

女性だからこそ感じた現場の「壁」を3つ紹介します。

現場でのリアルな悩みや葛藤をチェックしてみてください。

職人さんとの距離を感じる

現場の仕事では、職人さんとの距離を感じることもありました。

これまでの現場は、大多数が男性です。

女性である筆者と他の男性現場技術者への職人さんの接し方を見ると、明らかに違いました。

職人さんは一つ一つの言葉をオブラートに包んで話をするので、まるで部外者のような感覚に。

なんとなく寂しいような気持ちになり、当時は孤独な気持ちさえ抱きました。

後でわかったことですが、職人さんが当時の心境を以下のように語ってくれています。

「最初はどのように声をかけて良いかわからなかった」

「〇〇ハラスメントって流行っているから慎重になった」

「傷つけちゃって辞めちゃったら大変だもんね」

たしかに、現場に女性がいなかったことが当たり前と捉えると、どのように接すれば良いのかわからないのも無理はありません。

しかし、当時は職人さんとの心の距離が遠く、どうしたら打ち解けられるのかについて悩みました。

男性が軽々と運んでいるが自分にとっては力仕事

男性が軽々と資材や機械を運んでいても、筆者にとっては力仕事でした。

就職活動をしていた頃から何度も耳にしてきたのが「現場技術者は力仕事をするわけではない」という言葉です。

しかし、実際は力仕事に感じることも。

「ちょっとそこの単管パイプ2本取ってくれる?」と、現場で職人さんから声をかけてもらうこともありました。

「はい!」と元気良く返事をしたものの、運ぶのに時間がかかることも多々ありました。

1mの単管パイプは、1本当たり2.73kg。

1mの単管パイプを2本運ぶと、5.46kgです。

筆者にとって軽々と運べない重さでしたが、職人さんは筆者が対応できるかどうか、わからなかったのでしょう。

はじめて女性の部下を持った筆者の上司も「できる」「できない」の判断が難しいと話していました。

まずは性別を考えずに、上司は男性と同じように指示をしてくれました。

今でも鮮明に覚えているのが、品質管理の試験で起こった出来事です。

「そこの25kgのセメント袋を持ってきてくれるか?」と、上司から衝撃の一言。

「25kgって気のせいかな?無理な気がする」と思いながら挑戦してみましたが、上司がいる場所まで運べず手ぶらで戻ったのを覚えています。

職人さんにお願いして25kgのセメント袋を運んでもらいましたが、女性にとって体力的に厳しいこともあるのだと気づいた出来事でもありました。

女性用の更衣室やトイレがない

女性用の更衣室やトイレがない現場で仕事をしたことで、悩んだこともあります。

現場事務所や朝礼場所には女性用の更衣室やトイレがあっても、一つ一つの作業場所に設置されているとは限りません。

大規模な工事なら、作業場所ごとに女性用のトイレがないこともあります。

会社・商業施設・テーマパークなどを考えても、一般的には男女でトイレがわかれているでしょう。

筆者は男女兼用のトイレを使用することに抵抗はなかったものの、マナーとして女性用トイレを使おうと決めました。

女性用トイレを使用するためには、現場事務所に行かなければなりません。

「トイレのために現場を離れて事務所に行くのが申し訳ない」

トイレに行くために現場を離れると報告をすると、上司や先輩は快く「行っておいで」と言ってくれましたが、逆にその言葉を聞くと申し訳なさでいっぱいになりました。

ただし、国土交通省を中心に、建設現場の働きやすさを高める取り組みを進めています。

国土交通省では「快適トイレ」の設置を原則化。

「快適トイレ」については、以下のリンクから詳しい解説があるので、チェックしてみてください。

【参考】国土交通省|~建設現場の環境をより快適に~「快適トイレ」の仕様を満たす工夫事例集

「できないこと」より「できること」に目を向けてみた

職人さんとの会話がぎこちなかったり、重い物を持てないことに対して悔しい気持ちを抱いたり。

できないことが多いことで、自己嫌悪に陥ることもありました。

「自分に現場は向いていない」「自分にはできないことが多い」と悩んだこともあります。

不思議なもので、上司は筆者の変化を見逃しませんでした。

「何かあったな?」と聞いてくれた上司に泣きながら相談し、解決策を一緒に考えてもらいました。

上司がかけてくれた言葉で印象的だったのは「できないこと」よりも「できること」に目を向けて仕事をすれば良いということです。

体力的なことなど、筆者にはできないことも多かったように思いますが、筆者ができることは何かという視点を持つと、案外できることは身の回りにあるものです。

最初は、現場のゴミ拾いや資材置き場の整理整頓など、とにかく小さなことから始めました。

資材を運搬する車両のバック誘導、クレーンの旋回範囲の立ち入り禁止措置としてカラーコーンを並べるなど、少しずつできることを増やしていきました。

できることに目を向けて仕事をしているうちに、職人さんから「ゴミがまったくない綺麗な現場になったよ」「この立ち入り禁止措置は完璧だね」と声をかけてもらうことも。

上司や他の先輩のように現場の調整ができなくても、職人さんのように重い物を運べなくても、自分が最大限にできることをやれば良いのです。

できないことに目を向けてしまうと、どうしてもネガティブな感情を抱きやすくなります。

「できないこと」ではなく「できること」に目を向け、自分ができることを少しずつ増やしていくという考えを持つことが大切です。

“資格”は自分に自信をくれる武器になった

現場で少しずつできることを増やしてきた筆者ですが、やはり現場技術者として仕事をするために必要なのが資格でした。

資格の取得は、職人さんへの安心感と信頼感を持ってもらうための一つの手段となります。

いち早く一級土木施工管理技士の資格を取得するようにと、上司からもアドバイスをもらいました。

一級土木施工管理技士の合格を目指し、平日は通勤時間や昼休みを使って勉強をしました。

上司に質問をするために、休日でもコールセンターのように電話をかけたこともあります。

コツコツと勉強に取り組んだ結果、一発合格を果たし一級土木施工管理技士に。

一級土木施工管理技士の資格を取得してからは、主任技術者というポジションで仕事ができるなど、仕事の幅が広がりました。

社内でも責任のある工事を任せてもらえるようになり、技術発表をしたり論文を執筆する機会をもらえたりするなど、筆者が関わった工事を社内や社外へアピールする機会も増えました。

土木は経験工学といわれるように、経験により身につくことも多いため、資格の取得がゴールではありません。

ただ、資格は自分に自信をくれる武器となります。

建設業界へ就職したら、実務経験を積みながら資格の取得を目指し、幅広い仕事にチャレンジしてみてください。

当社MACでは、社員のスキルアップを応援するために、資格取得制度を設けています。

受験費用や学習費用の補助や合格祝金の支給など、資格合格までのサポートを実施。

以下のリンクから資格取得制度の詳細を確認できるので、資格の取得を考えている方は参考にしてみてください。

「現場はチーム戦」一人で抱え込まなくていい

9年間、日本全国の土木工事に従事した筆者が伝えたいことは…

現場の仕事はチーム戦なので、困ったら一人で抱え込まないということです。

  • 説得力のある説明をするのが得意な人
  • コミュニケーションを取るのが得意な人
  • 複数の物事を同時に進めるのが得意な人
  • ピンチのときに素直に人を頼るのが得意な人

女性に限らず、人それぞれ得意なことも不得意なことも違います。

現場は個人戦ではなく、チーム戦。

自分が苦手なことやできないことは、得意な人やできる人でカバーするなど、補い合って仕事をすることが大切です。

一人でやろうと無理をすると、労働災害を引き起こす危険性も高まります。

現場の仕事のポイントは「自分一人で判断しないこと」と「無理をしないこと」です。

筆者のように、人を頼るのが苦手な方もいるかもしれませんが、はじめは「手伝ってほしい」と周りの仲間に声をかけてみるのも良いでしょう。

「女性だから」で諦めないで!土木が好きなあなたへ

「土木が好きだけど、女性が現場の仕事をするのは厳しいの?」

このように思っている方に伝えたいのは、性別を理由に諦める必要はないということです。

たしかに、現場では女性ならではの悩みを抱えることもあるでしょう。

体力的なことやコミュニケーションなど、筆者も数々の壁を感じました。

ただ、解決策はいくらでもあります。

自分の視点だけで何とかしようとせず、仲間を頼ってみてください。

筆者は上司を頼り、些細なことも何でも相談してきました。

日本全国の土木工事に9年間携わってきましたが「女性だから無理」と感じたことはありません。

むしろ、筆者がいることで現場の雰囲気が良好になり、周りから羨ましいと言われることもありました。

「女性だから」と悲観的にならず、土木が好きな気持ちを大切にして就職活動に取り組みましょう。

建設業界への就職ならMACにご相談ください

今回は、現場で“できること”の見つけ方や自信を持つための考え方を紹介しました。

女性が活躍できる環境整備に取り組んでいる建設業界ですが、全産業と比較すると女性の比率が低いのが特徴です。

しかし、女性だからといって現場の仕事が厳しいということはなく、弱みだと思えることが強みに変わることもあります。

また、現場の仕事は個人戦ではなくチーム戦です。

チームで補い合って仕事ができるので、自分だけでできないことがあれば、迷わず仲間を頼りましょう。

「女性だけど現場の仕事ができるのか」と、不安を感じている方の気持ちが少しでも軽くなれば幸いです。

当社MACでは、建設業のご紹介・案内を行っております。

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