建築士は、建築物に関するさまざまな業務を行うプロフェッショナルです。
- 建築物の設計
- 施工管理
- 検査および診断など
そのため、さまざまな能力が求められる職種といえるでしょう。
では、その建築士になるにはどうすればいいのでしょうか?
この記事では、建築士になるにはどうすればいいのか、養っておきたい力などを解説します。ぜひ最後までご覧ください。
- 建築士になるにはどうすればいいのか
- 建築士になるなら養っておきたい力
- 建築士になるのが向いている人の特徴
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【3ステップ】建築士になるにはどうすればいいの?

建築士になるにはどうすればいいのか、3ステップで紹介します。
- 国土交通省から認定を受けた学校を卒業する
- 建築士試験を受験する
- 必要な実務経験を積む
以下で詳細を確認しましょう。
STEP1.国土交通省から認定を受けた学校を卒業する
建築士になるには、試験に合格する必要があります。
そして、その試験を受けるためには指定科目の修了が条件であり、国土交通省から認定を受けた学校を卒業するとその条件をクリアできます。
建築士になりたいのであれば、まずは指定科目の修了を目標にしましょう。
STEP2.建築士試験を受験する
指定科目を修了したら、建築士の試験を受けます。
この建築士の試験に合格しなければ、資格は取得できません。
試験の内容は一級および二級で異なりますが、いずれにしても専門的な知識を求められます。
合格できるように学習計画を立て、知識とスキルをしっかりと深めましょう。
STEP3.必要な実務経験を積む
実は、建築士になるには実務経験が必要です。
たとえば、一級建築士は免許登録するときに以下の条件をクリアしなければなりません。
- 大学卒業なら実務経験2年以上
- 3年制の短大卒業なら3年以上
- 専門学校、2年制の短大卒業なら4年以上
- 二級建築士、建設設備士の資格を持っているなら4年以上
一級建築士になるなら、上記の実務経験を経ていなければならないと覚えておくとよいでしょう。
ただし、指定科目を履修している場合、二級建築士であれば実務経験は必須ではありません。
建築士になるのは難しい?試験の合格率は?

一級建築士の合格率は、9〜10%程度です。
年 | 学科・製図合格率 | 総合合格率 |
---|---|---|
令和6年 | 学科:23.3% 製図:26.6% | 8.8% |
令和5年 | 学科:16.2% 製図:33.2% | 9.9% |
令和4年 | 学科:21.0% 製図:33.0% | 9.9% |
学科や製図の合格率を見ると合格率は20〜30%なので、低すぎるというわけではありません。
しかし、総合合格率になると10%を切ることが多く、一級建築士の難易度は高いといえるでしょう。
一方、二級建築士の合格率は20〜25%程度です。
年 | 学科・製図合格率 | 総合合格率 |
---|---|---|
令和6年 | 学科:39.1% 製図:47.0% | 21.8% |
令和5年 | 学科:35.0% 製図:49.9% | 22.3% |
令和4年 | 学科:42.8% 製図:52.5% | 25.0% |
二級建築士も難易度が低いとはいえませんが、一級建築士と比較すると合格率は2倍ほどになります。
まずは二級を取得して、そこからステップアップするのも一つの方法です。
建築士になるなら養っておきたい力

建築士になるなら養っておきたい力は、大きく6つあります。
- デザインする力
- 柔軟な発想をする力
- 空間をイメージする力
- 創造する力
- コミュニケーションおよびヒアリング力
- 提案する力
それぞれの詳細を確認しましょう。
デザインする力
建築士は設計業務を担当するため、形、色、素材を組み合わせるデザイン力は欠かせません。
デザインする力を養うために最新のトレンドを把握したり、色や形を設計にうまく取り入れる練習をしたりするとよいでしょう。
デザインに関する知識を勉強するのも一つの手です。
柔軟な発想をする力
建築士になるなら、柔軟な発想をする力を養っておくのがおすすめです。
建築士は、敷地の制約、予算、環境問題といった数多くの課題をクリアして、最適な解決策を見つける必要があります。
そのため、柔軟な発想力は欠かせません。
建築士を目指すのであれば、新しい視点で物事を捉える練習をしておくとよいでしょう。
空間をイメージする力
建築士を目指すなら、空間をイメージする力を養っておくとよいでしょう。
たとえば、平面図を見ただけで建物を立体的にイメージできる力があると、よい設計につながります。
また、空間をイメージする力があれば、ほかの人と建物の設計を共有しやすくなるでしょう。
創造する力
建築士は、オリジナルなデザインを生み出すためにも創造する力が欠かせません。
たとえば、限られた空間に機能性と美しさを兼ね備えた建物を設計するときは、建築士の創造力が問われるでしょう。
建築条件が厳しい場面で求められる力なので、養っておくに越したことはありません。
コミュニケーションおよびヒアリング力
建築士になるには、コミュニケーションおよびヒアリング力も必須です。
なぜなら、建築士はクライアントの希望を正確に把握し、設計に活かしていく必要があるからです。
コミュニケーション力やヒアリング力が低ければ、クライアントの要望がうまく反映されず、トラブルになるかもしれません。
トラブルを避けるためにも、コミュニケーションおよびヒアリング力を養っておきましょう。
提案する力
建築士は、自分が考えたプランをクライアントに理解してもらわなければなりません。
そのため、提案する力も必要です。
提案する力がなければ相手にうまく内容を伝えられず、仕事がスムーズに進まない恐れがあります。
仕事をスムーズに進めるためにも、提案する力を磨いておいてください。
建築士になるのが向いている人の特徴

建築士になるのが向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- ものづくりが好き
- 責任感が強い
- 人と話すのが好き
- 理数系に強い
自分が当てはまっているかどうか確認しながら読み進めてみてください。
ものづくりが好き
ものづくりが好きな人は、建築士に向いています。
建築士は建物の設計にかかわる仕事であり、自分の描いた図面で建物が出来上がっていく様子には大きな喜びを感じられるでしょう。
小さい頃から工作が得意だった、DIYが好きだったという人は建築士を目指してもいいかもしれません。
責任感が強い
責任感が強い人も、建築士に向いています。
建築士は、クライアントの要望を聞きながらも期限内に設計を完成させなければなりません。
そのため、責任感の強さが求められます。
大変だからといって途中で投げ出すような人は、建築士に向いていません。
人と話すのが好き
人と話すのが好きな人も、建築士に向いています。
建築士はクライアントだけでなく、さまざまな人とかかわりながら仕事を進めていく必要があります。
そのため、人と話すのが嫌いだと業務が滞り、工期全体にも影響を与えかねません。
人と話すのに抵抗がある場合は、建築士以外の仕事を検討した方が良いでしょう。
理数系に強い
建築士として働くには、物理や化学など理系の知識も必要です。
たとえば、塗料に含まれる成分の性質を理解するときに知識が求められます。
そのため、理数系に強い人は建築士に向いています。
理数系が苦手だからといって建築士になれないわけではありませんが、勉強時間をほかの人よりも多く確保するなどの工夫が必要となるでしょう。
建築士に関するよくある質問

建築士に関するよくある質問は、以下のとおりです。
- 建築士になるには何年かかりますか?
- 大学に行かなくても一級建築士になれますか?
- 建築関係の経歴がない社会人でも建築士になれますか?
- 建築士になったらどこに勤務できますか?
建築士に関する理解を深めたい場合は、回答にもしっかり目を通しましょう。
建築士になるには何年かかりますか?
建築士になるには何年もかかるケースがあります。
たとえば、一級建築士になるためには最低でも2年以上の実務経験が必要になります。
そこに試験に合格するための勉強時間も加えると、資格取得に最低でも3年以上はかかるかもしれません。
人によってはそれ以上かかるケースも珍しくないので、学習を始める前にしっかり計画を立てることをおすすめします。
大学に行かなくても一級建築士になれますか?
大学に行かなくても一級建築士にはなれます。
たとえば、二級建築士の資格を取得すると、大学や専門学校へ行かなくても一級建築士の受験資格を満たせます。
ただし、二級建築士の資格登録日から4年以上の実務経験が必要である点には注意しましょう。
建築関係の経歴がない社会人でも建築士になれますか?
建築関係の経歴がない社会人でも建築士になれます。
たとえば、専門学校や短大などに通って卒業すれば、受験資格を得られます。
建築関係の経歴はないけど建築士になりたいという人は、まず学校を探してみるといいかもしれません。
建築士になったらどこに勤務できますか?
建築士になったら、以下のような場所で働けます。
- 建築設計事務所
- ハウスメーカー
- 建設会社
- 地方自治体
- 不動産会社など
経験や知識などが蓄積してきたら、独立という選択肢もあります。
さまざまな場所で働けるのも建築士の魅力の一つです。
建築士になるにはさまざまな力を養っておく必要がある

建築士になるといろいろなところで働けますが、さまざまな力を養っておく必要があります。
そして、もし必要な力を身につけられた場合、仕事を建築士に限定する必要はないでしょう。
非常に能力のある人材なので、視野を広く持ってキャリアについて考えるべきです。転職も選択肢の一つなので、検討してみましょう。
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