RCCMとはどんな仕事?仕事内容や必要な資格、収入について徹底解説

近年、建設業界で注目を浴びる「RCCM」という資格。

「管理技術者」「照査技術者」としてコンサルタント業務を行うために必要な資格とされています。

しかし、RCCMが具体的にどのような仕事を可能にするのか、分かりにくさを感じることもあるでしょう。

そこで、この記事ではRCCMについて理解しやすいよう、以下の内容について解説します。

この記事でわかること
  • RCCMの詳細
  • RCCMの資格を活かせる勤務先
  • RCCMを取得するメリット

RCCM資格を取得を検討している方や、建設業界でのキャリアを築くことに興味がある方々にとって、役立つ情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。

建設業界は、インフラ整備など世の中に貢献できる仕事が多い傾向にあります。

転職を考えている方は、以下のリンクからMACへお気軽にご相談ください

目次

RCCMとは?どんな仕事をするの?

「RCCM」とは、「一般財団法人建設コンサルタンツ協会」によって認定される民間資格のことです。

この資格の正式名称は「Registered Civil Engineering Consulting Manager(シビルコンサルティングマネージャー)」で、土木工事に関連する専門技術や専門知識を身につけた「管理技術者」「照査技術者」としてコンサルタント業務を行うために必要な資格です。

RCCMは民間資格ではありますが、国土交通省においても重要視されており、専門技術に携われる知識と経験がある技術者であることを証明する資格となっています。

RCCM有資格者の主な仕事内容は以下の通りです。

施工会社や施主との打ち合わせ

RCCMの資格を持つ人は、「専門技術者」として建設コンサルタント業務に携わり、施主に対しアドバイスを行うことができます。

第三者の立場から検討し、アドバイスをすることによって、工事計画の見直しを行います。

設計の意図や工事内容を正確に伝えるため、施工会社や施主と綿密に打ち合わせを行うことが重要です。

予算やスケジュール、品質などの要望を調整し、双方が納得できる計画に落とし込む力量が強く求められるでしょう。

施工予定地の調査

施工予定地を調査するのもRCCM有資格者の仕事です。

工事を始める前に、地形や地盤、周辺環境などの現地調査を行います。

地質や土壌の状態を確認し、設計や施工に影響がないかを見極めます。

災害リスクや法規制なども確認し、安全な施工計画を立てるのも重要な仕事のうちの1つです。

工事の企画

プロジェクトの全体像を把握し、どのように工事を進めるかを企画・立案します。

スケジュール管理やコスト試算、リスク分析などを行い、実現可能な計画を作成。

公共工事や民間工事、それぞれの目的に応じた最適な進行方法を検討します。

ここでの判断が、全体のスムーズな進行に大きく関わるため、責任は重大です。

施工計画の作成

施工予定地の調査結果を踏まえて、実際の施工計画を作成します。

施工会社との打ち合わせを行い、工事内容の詳細を決定することもRCCM有資格者の重要な仕事です。

RCCMは、橋や道路、鉄道、トンネル、空港、ダムなどの土木構造物の施工のための点検や診断などを行い、現場の安全管理や作業員の健康管理、福祉に対しての責任を担うことになります。

RCCMの資格について

RCCM資格の受験者数は毎年約5,000〜7,000人ほどで、合格率は年によって異なりますが、40%ほどです。

実際に2023年度のRCCM試験では、受験者数5,509人、合格者数2,253人、合格率40.9%となっています

合格率は比較的高い部類に入りますが、難易度の高い専門知識を問う設問が多いため、しっかりとした対策が必要な試験といえます。

資格試験の受験には、最終学歴ごとに一定の実務経験が必要です。

以下は一般的な実務経験の期間の例です。

一般的な実務経験の期間の例
  • 大学院修了後、建設コンサルタントなどの業務に関する5年以上の実務経験
  • 大学卒業後、建設コンサルタントなどの業務で7年以上の実務経験
  • 短期大学や高等専門学校卒業後、建設コンサルタントなどの業務で7年以上の実務経験
  • 高等学校卒業後、建設コンサルタントなどの業務で11年以上の実務経験
  • 中学卒業後、建設コンサルタントなどの業務で14年以上の実務経験

このように、必要な実務経験の期間が比較的長いのがこの試験の大きな特徴です。

試験自体は「RCCM試験A」と「RCCM試験B」の2つの試験で実施され、業務関連法制度や建設一般の知識、倫理や管理技術力など、広範囲の専門知識が問われる難易度の高い試験です。

合格にはAとB両方を受験し、合格点に達していることが必要です。

以下の記事でさらに詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

当社MACでは、資格取得支援制度を実施しています。

受験費用や学習費用の補助をしているほか、合格祝金として最大10万円を支給。

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RCCMの資格を活かせる勤務先

RCCMの資格を活かせる勤務先には大きく2種類あります。

・建設コンサルタント会社

・ゼネコン・サブコン

建設コンサルタント会社

建設コンサルタントを専門に行っている会社で勤務する際に、RCCMの資格は役に立ちます。

中小企業から大手企業までさまざまな企業があり、就職や転職の選択肢も豊富です。

RCCMの有資格者は即戦力として採用されるので、仕事面も収入面も有利に働きます。

ゼネコン・サブコン

ゼネコンやサブコンは、会社内に建設コンサルタントに関する部署があることが多い傾向にあります。

ゼネコンやサブコンの場合、大型の物件の受注も多いので、大きな経験を積むことができます。

施工計画の立案、品質管理、技術提案、現場での技術的判断などさまざまな場面で知識が活きるので、より仕事がしやすくなるでしょう。

RCCMの平均年収は?

RCCMは、専門性の高い資格であるため、比較的年収は高い傾向にあります。

業務内容や専門にする技術職の内容により異なりますが、月収は40万円程度が一般的です。

ボーナスが年間で100万円程度、年収にすると、500万円ほどが平均です。

RCCM有資格者のなかには、60〜80万円という月収を得ている人もいます。

ただし、特別賞与や手当などは、企業によって異なるので事前の確認が必要です。

大卒者でも7年という実務経験が必要な資格なので、RCCMを受ける人はそれまでに一級建築士や技術士などの他の資格を取得しているケースがほとんどです。

また、複数の資格を所有している人が多く、個人収入は高くなる傾向にあります。

単純にRCCMの年収というより、「他の資格も取得していて、RCCMも持っている人の年収」として考えましょう。

RCCM資格を取得するメリット

RCCM資格を取得することで専門技術者としての認知を受け、建設コンサルタント業界でのキャリアを築くことができます。

同じような知識や技術を持っていても、RCCM資格を所有しているかどうかで、できる仕事の範囲が大きく変わります。ここからは、RCCM資格を取得するメリットについて見てみましょう。

高い専門性と信頼性

RCCMは筆記試験と実務経歴審査の両軸で評価されるため、RCCM合格者=高度な土木知識とマネジメント能力を備えた技術者であることが明示されます。

この肩書きがあるだけで、提案書や入札時の説得力が増し、プロジェクトの中核ポジションを任されやすくなります

結果として、社内外からの評価も上がり、専門家としてのレベルが強化されるでしょう。

幅広いキャリアオプション

RCCM資格を取得すると、建設コンサルタント業界におけるキャリアオプションが広がります。

設計・施工管理だけでなく、計画立案や維持管理コンサルティング、官公庁への技術提案など、多様なフィールドで活躍できるのがRCCMの強みです。

発注者側との折衝やBIM/CIM推進など、周辺領域へステップアップする道も開けるため、キャリアの選択肢が飛躍的に拡大します。

高収入の機会

公共インフラ案件では資格者の配置が義務付けられるケースが多く、RCCM保持者は希少価値が高いのが現状です。

そのため、資格手当やプロジェクト手当が上乗せされやすく、年収ベースで大きな差がつくことも珍しくありません。

経験と実績を積めば、コンサルタントとして独立し、高単価案件を受託するルートも視野に入ります。

高収入を目指す人こそ、RCCM資格を取得するメリットは大きいといえるでしょう。

転職の有利性

RCCM資格は建設業界で非常に尊重される資格であるため、転職の際に大きなアドバンテージとなります。

求人票に「RCCM保持者優遇」と明記する企業は少なくなく、採用面接でも即戦力として評価されやすいのがメリットです。

技術提案書作成や工事監理のリーダー実績をアピールできれば、シニアポジションでのオファーを受ける可能性も高まります。

結果として、望む勤務地や専門分野にピンポイントで転職しやすくなるでしょう。

社会貢献

RCCM有資格者は、公共インフラプロジェクトにおいて安全性や機能性のバランスを取る重要な役割を果たします。

道路・橋梁・上下水道・防災施設など、公共インフラの品質と安全性を左右する立場で仕事ができるため、完成した構造物が長く社会を支える喜びを味わえるでしょう。

実際に災害復旧や老朽化対策といった社会的意義の高いプロジェクトに携わる機会も多く、技術者としての使命感と達成感を同時に得やすいのもポイントです。

発注者支援業務の魅力

RCCM資格を持つことで、建設コンサルタント業界でのキャリアを築くことができますが、建設プロジェクトにおいて発注者支援業務に携わることもまた魅力的です。

発注者支援業務とは、公共事業の発注者である国や都道府県、官公庁などが行う業務をサポートする役割を果たす仕事のことです。

この仕事の魅力は、以下の点にあります。

安定的な勤務環境

発注者支援業務は公的機関と連携する仕事であり、一般的には安定的な勤務環境が提供されます。

発注者側とタッグを組むため、年間休日や就業時間が制度として整備されているケースがほとんど。

繁忙期でも無理のない労働時間が確保されやすく、腰を据えてキャリア形成できます。

社会貢献

公共事業に携わることで、社会への貢献度が高い仕事です。

道路や橋梁、防災施設など暮らしを支えるインフラに直接携わり、地域の安全・利便性向上へダイレクトに貢献できます。

完成した構造物が地図に残る達成感は、格別です。

多彩なプロジェクト

発注者支援業務はm多種多様なプロジェクトに携わることができます。

公共インフラプロジェクトは多岐にわたり、道路、橋、学校、病院、公園などさまざまな分野で展開されています。

そのため、興味や専門知識に合わせて様々なプロジェクトに参加することができます。

自身の興味分野や専門知識に合わせてプロジェクトを選択でき、多面的な経験を積めるでしょう。

プロジェクト管理のスキル磨き

発注者支援業務は、プロジェクトの計画から実行、監視、報告まで幅広い業務をカバーします。

計画立案、進捗管理、品質・コスト・リスクのトータルコントロールなど、プロジェクトマネジメントに必要なプロセスに沿ったマネジメント実務を日常的に経験。

これにより、数字に基づく判断力、プロジェクト管理やリーダーシップのスキルを磨く機会を多く得られるでしょう。

イノベーションと効率化

発注者支援業務において、効率的なプロジェクト実行や新しい技術の導入が求められます。

たとえばICT施工やBIM/CIMの導入、AIによる点検データ解析など、新技術を試行導入する場面が多いのも公共事業ならではです。

イノベーションの推進やプロセスの改善に貢献し、業界の発展に関われます。

最新の知見に多く触れるため、自分の成長につながりやすいのもうれしいポイントです。

安全性の確保

公共インフラの建設において、安全性は最も重要な要素の一つです。

設計審査や施工段階での安全監理を通じて、労働災害ゼロと品質確保の両立を追求。

社会的責任の大きい仕事だからこそ、技術者としての使命感を強く実感できます。

発注者支援業務に従事することで、プロジェクトの安全性を確保し、社会的な責任を果たす役割を担えるでしょう。

チームワーク

発注者支援業務は多くの場合、プロジェクトチームで協力して行われます。

チームでの協力や協調性が求められ、新たな仲間と共に成果を上げる喜びを味わえるでしょう。

RCCM資格を持つことで、発注者支援業務においても優れた専門知識とスキルを提供し、プロジェクトの成功に貢献できます。

また、発注者支援業務は公共インフラ整備の推進に欠かせない役割を果たしており、社会的な意義を持つ仕事です。

建設業界において、RCCM資格を活かす幅広いキャリアオプションがあることを視野に入れ、将来のキャリアパスを考えてみる価値があります。

このように、RCCM資格を持つことで、建設コンサルタント業界や発注者支援業務において多くの魅力的なキャリア機会が広がります。

資格取得に向けての準備を進め、建設業界での成功を目指しましょう。

まとめ

RCCMは、土木工事における専門知識と技術を持つ資格として、建設コンサルタント業界で非常に重要な存在です。

高い信頼性、幅広いキャリアオプション、高収入の機会、転職の有利性、社会貢献度など、多くのメリットがあります。

資格取得までの努力が必要ですが、建設業界を目指す方にとって非常に魅力的な資格です。

RCCMを持つことで、建設プロジェクトの成功に貢献し、自身のキャリアを飛躍させられるでしょう。

建設業界での成功を目指す方にとって、RCCMは価値ある資格といえます。

資格取得に向けて着実なステップを踏んでいきましょう。

また、建設業界での転職を考えている方は、勉強を始める前に一度、以下のLINEからMACにご連絡ください。

不安な点に関する相談、書類のチェックなど細かい点もご相談いただけますと幸いです。

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