発注者支援業務のやりがいとは?仕事の魅力を徹底解説!
- 発注者支援業務
建設プロジェクトが社会に与える影響の大きさを、あなたの手で支援したくはありませんか?また、規模の大きなプロジェクトで重要な役割を担い、その成功に直接貢献したいと思いませんか?そうした願望を叶えるには、建設業界内での発注者支援業務が一つの鍵となります。
この業務は、発注されたプロジェクトの円滑な進行を助け、建設業界全体の発展に寄与する重要な役割を担っています。しかし、具体的にどのような仕事なのでしょうか?そして、そのやりがいはどのようなものなのでしょうか?
本記事では、発注者支援業務の具体的な内容とその業務が持つ深い魅力、さらにはこの仕事を通じて得られる豊かなやりがいについて紹介していきます。
目次
発注者支援業務の働き方
ここからは、発注者支援業務の働き方について解説していきます。
発注者支援業務は、公共工事を発注した発注機関の職員に代わって業務を行います。
発注者支援業務では「国土交通省」「農林水産省」「防衛省」などの行政機関や都道府県庁などが発注者となる場合が多いです。
また、NEXCO各社やJRTTなどの業務を担当することもあります。
国土交通省を例にあげると、発注者支援業務で担当する業務は「工事監督支援業務」「技術審査業務」「公物管理補助業務」「用地補償総合技術業務」の4つです。
それぞれの業務では次のような仕事を行います。
- 工事監督支援業務:工事現場で行う検査確認や事務所内で行う資料作成など
- 技術審査業務:工事予定価格を算出する積算技術業務や入札契約の手続きにおける資料確認など
- 公物管理補助業務:河川の巡視、ダム・排水機場の監視、道路の点検など
- 用地補償総合技術業務:土地の権利者に対しての用地交渉など
発注者支援業務の勤務形態は発注機関と同じです。たとえば、国土交通省の場合は、平日8:30〜17:15までが勤務時間であるため、発注者支援業務も同様の就業時間内で業務を行います。
また、土日祝は発注機関の休日となるため、発注者支援業務も同じく休日です。
発注者支援業務の場合、繁忙期に時間外労働がある場合もありますが、基本的には民間企業に比べて残業は少ない傾向があります。
発注者支援業務のやりがい
発注者支援業務のやりがいには、どのようなものがあるのでしょうか。ここからは、発注者支援業務の仕事で感じられるやりがいをみていきましょう。
大規模な建設工事に関われる
発注者支援業務では、国土交通省や農林水産省、防衛省などの国の行政機関が発注する公共工事に関わる場合が多いため、大規模な建設工事に関われるのが魅力です。
たとえば、橋梁工事やダム工事、トンネル工事などがあげられます。
発注者支援業務は、民間工事では味わえないような建設プロジェクトに関われます。そのため、仕事のやりがいをより感じやすくなるのではないでしょうか。
プライベート重視の働き方ができる
発注者支援業務は、時間外労働が比較的少なく休日も充実しています。そのため、プライベート重視の働き方を希望する方にとってはやりがいを感じやすいといえます。
仕事そのものにやりがいを感じていたとしてもプライベートを充実させられないことによって、仕事への不満も抱きやすくなってしまうのではないでしょうか。
「仕事も大切だけど、家族との時間も大切」「趣味の時間を満喫したい」「新しい勉強をしたい」という思いを持っている方にとっては、仕事以外の時間も確保できる発注者支援業務はおすすめです。
現場の実務経験を活かせる
発注者支援業務では現場の実務経験が大きく役立つため、施工管理の経験がある方にとっては仕事のやりがいを感じやすいです。
たとえば、現場代理人の経験があれば設計図書の確認や施工計画書などの資料作成業務に慣れているのではないでしょうか。
また、ご自身が工事請負業者という立場で構造物の出来形を確認してもらったという経験があれば、正確に確認しなければならないポイントについても理解が早いです。
発注者支援業務は直接構造物をつくるわけではありません。ただ、現場の実務経験をそのまま業務に活かせるのが魅力といえます。
発注者支援業務でやりがいを感じる人の特徴
発注者支援業務を行う上でやりがいを感じる人には、どのような特徴があるのでしょか。ここからは、発注者支援業務でやりがいを感じる人の特徴について解説していきます。
家族との時間を大切にしたい人
家族との時間を大切にしたい方にとって、発注者支援業務はやりがいを感じやすいといえます。
発注者支援業務は、時間外労働が少なく休日も土日祝と充実しているのが魅力です。そのため、仕事とプライベートのメリハリをつけられます。
ライフワークバランスを保てることで、仕事へのやりがいも見出せるのではないでしょうか。
スキルアップしたい人
発注者支援業務では大きな建設プロジェクトに関われるため、よりスキルアップしたいと考えている方にとってはやりがいを感じやすいです。
「幅広いフィールドで活躍したい」「今の仕事ではスキルアップに限界を感じている」という方は、発注者支援業務に携わることでスキルアップを実現できる可能性が高まります。
また、発注者支援業務ではさまざまな設計図書に目を通す以外にも、法令や標準仕様書などに触れる機会も多いです。
幅広い知識やスキルを身につけながら業務を担当できるようになるのが発注者支援業務ならではの魅力といえます。
発注者支援業務に必要な経験・資格
発注者支援業務をする上で、どのような経験や資格が役立つのでしょうか。ここからは、発注者支援業務に役立つ経験・資格について解説していきます。
経験
「発注者支援業務で役立つ経験として特に重要視されるのは、「施工管理の実務経験」及び「専門分野の施工経験」の2つです。
施工管理の実務経験は、会社が発注者支援業務の採用を行う際に非常に重視されるポイントです。この経験があれば、工事のプロセス全体を熟知しており、業務をスムーズに進行させる能力があると評価されます。
発注者支援業務では、工事請負業者から提出される施工計画書などのドキュメント確認が求められます。施工計画書を自ら作成した経験があると、どのポイントを確認すべきかが明確になります。また、施工管理技士として現場での指揮・監督経験があれば、発注者や職人とのコミュニケーションスキルも磨かれているでしょう。これらのスキルは、会社にとって即戦力となるため、採用の際に大きなアドバンテージとなります。
また、専門分野の知識や施工経験も、発注者支援業務において重要です。公共工事の場合、橋梁、ダム、トンネルなどの大規模建設工事が対象となることが多く、これらのプロジェクトでは構造物の確認検査が不可欠です。設計図書や仕様書が適切に反映されているかを精査する必要があり、専門分野の知識や施工経験があると、確認すべきポイントを的確に把握でき、業務の効率化に寄与します。
専門的な知識は、発注者支援業務の実務経験を積む中で習得することも可能ですが、あらかじめ専門分野に精通している場合、会社にとって採用の際の魅力的な要素となり得ます。これらの経験と知識は、発注者支援業務を効果的かつ効率的に進めるための強固な基盤を築くことに寄与します。
資格
発注者支援業務では「土木施工管理技士」「技術士(技術士補)」「RCCM」の3つの資格が役立ちます。
土木施工管理技士
土木施工管理技士は、施工管理業務を行う上で必要になる資格です。ゼネコンや建設会社で監理技術者や主任技術者になる上で欠かせません。
発注者支援業務で携わる工事は公共工事であるため、1級土木施工管理技士の資格を持っているのが望ましいです。
ただし、2級施工管理技士の資格を取得している方でも資料作成を行い、補助的な業務を担当できるため発注者支援業務を行えます。
技術士(技術士補)
技術士は、科学技術分野における最高位の国家資格であり、持ち主の高度な技術力を示すものです。この資格は、特に土木分野で働く際にキャリアアップに寄与し、発注者支援を含む多くの分野での活躍を可能にします。
資格取得には、21の部門から一つを選び、その分野の試験に合格する必要があります。特に「建設部門」や「上下水道部門」は、発注者支援業務に直接役立つ分野です。技術士の資格は取得が難しいものの、その資格が示す専門知識とスキルは、発注者支援業務での成功を強く後押しします。
RCCM
RCCMとはシビルコンサルティングマネージャ(Registered Civil Engeneering Consulting Manager)のことで、土木工事分野における専門技術者資格です。
「管理技術者」や「照査技術者」としての役割を担う際、RCCMは非常に重要な資格となります。安全な構造の設計、既存の構造物の点検、リスク評価と管理、新しいプロジェクトのための適切な材料と技術の選定など、多岐にわたる専門知識が求められます。
また、道路、河川、トンネルなどの社会資本プロジェクト、特に土木中心のものを扱う際、RCCMの資格はプロジェクトの品質、安全性、効率性を保証するための信頼の証となります。
発注者支援業務は建設コンサルティング業務に分類されているため、管理技術者や照査技術者として業務をする場合にRCCMの資格を保有している必要があります。
そのため、発注者支援業務でもRCCMの資格は役立つといえます。
まとめ
今回の記事では、発注者支援業務のやりがいと仕事の魅力について解説しました。
橋梁やダム、トンネルなどの公共工事に携われるのは発注者支援業務の醍醐味といえます。民間工事では経験できない大規模な建設工事に携われる一方で、残業が少なく休日が充実しているなど、働きやすさも発注者支援業務の大きな魅力です。
現場の実務経験を活かしたいとお考えの方は、ぜひ発注者支援業務でやりがいのある仕事をしてみてはいかがでしょうか。また、発注者支援業務に興味があり、建設業界での転職を考えている方や、新たな求人を探している方は、エムエーシーにご相談ください。