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建設コラム

発注者支援業務はみなし公務員?仕事で気をつけることを解説!

2023.1.15

発注者支援業務

発注者支援業務は発注機関の職員に代わり仕事を行うことから、公務員と似ているイメージを持つ方もいるのではないでしょうか。

ただ、発注者支援業務は公務員とまったく同じ立場というわけではありません。

そこで今回の記事では、発注者支援業務が「みなし公務員」なのかについて解説していきます。

発注者支援業務を行う上で、気をつけるべきこともあわせてご覧ください。

みなし公務員とは

ここからは「みなし公務員」について解説していきます。公務員との違いはどのような点なのかについても、詳しくみていきましょう。

みなし公務員

公務員ではなく、公務に従事する職員のことを「みなし公務員(準公務員)」と呼びます。

国家公務員や地方公務員などではなく、民間企業に勤務し公共性の高い仕事をする社員のことです。

公務員にはいくつかの厳しい規制が設けられています。

たとえば、守秘義務や贈収賄などがあります。

守秘義務とは、業務を行う際に得た情報や個人の秘密などを守らなくてはならないという決まりです。

贈収賄とは、取引企業から接待や贈答が禁止されていることです。

みなし公務員の場合も公務員と同じ待遇で仕事ができますが、民間企業にはない規制があることを押さえておく必要があります。

みなし公務員は公共性の高い仕事をしなければならないため、責任が重くなり民間企業で認められていることが禁止になる場合もあるのです。

ただ、みなし公務員は公務員試験を受験する必要がありません。

そのため、それぞれの企業が実施する採用試験を受験することになるため、一般企業の新卒採用試験や中途採用試験を受験することになります。

また、みなし公務員の仕事は国民の暮らしに欠かせない需要なものであることから社会的信用の高さも魅力といえます。

みなし公務員の例

みなし公務員と呼ばれる職員はさまざまですが、例として次のようなものがあげられます。

  • 国立大学法人の役職員
  • 日本郵便の役職員
  • 日本銀行の役職員
  • 日本年金基金の役職員
  • 国民年金基金の役職員
  • 厚生年金基金の役職員
  • 駐車監視員
  • 公証人
  • 自動車教習所の技能検査員

上記は代表例ですが、この他にもみなし公務員に該当する職員はいます。

発注者支援業務はみなし公務員なのか

発注者支援業務は、みなし公務員と呼べるのでしょうか。

実は、発注者支援業務はこれまでは「みなし公務員」に該当していました。

しかし、令和3年12月14日に国土交通省 関東地方整備局開催の令和4年度発注者支援業務等に関する説明会「発注者支援業務・公物管理補助業務等の方針について」の中で変更がありました。

令和4年度から発注者支援業務は市場化テストの終了に伴って、みなし公務員ではなくなったのです。

競争の導入による公共サービスの改革に関する法律(公共サービス改革法)の第25条が適用されなくなることから、みなし公務員とは呼ばないことが決定しました。

ただし、現在契約している業務に限って、業務が完了するまでは「みなし公務員」となるため注意しましょう。

みなし公務員は「スキルアップがしにくい」「給与が上がりにくい」などネガティブな意見もあります。

しかし、発注者支援業務は国を代表する大きな建設工事に携わることができるため、技術力を高めたい方やこれまでの経験やスキルを活かしたい方にもおすすめです。

発注者支援業務で気をつけること

みなし公務員と呼ばなくなった発注者支援業務ですが、現在契約している業務の場合は業務が完了するまで「みなし公務員」という位置づけで仕事を行う必要があります。

みなし公務員として発注者支援業務を行う場合、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか。

ここからは、発注者支援業務を行う上で気をつけるポイントについて解説していきます。

みなし公務員規定

みなし公務員には、公務員と同じように罰則規定があるのが特徴です。

「みなし公務員規定」は、競争の導入による公共サービスの改革に関する法律(公共サービス改革法)で規定されています。

公共サービスに従事する公務員以外の職員を刑法上の公務員とみなします。

つまり、贈収賄の罪・公務執行妨害罪等を適用できるようになるのです。

たとえば、日本銀行を例にみてみましょう。

もし、日本銀行の職員がストライキなどを起こしてしまうと、日本経済に大混乱を引き起こしてしまいます。

企業だけではなく国民にも大きな影響を与えてしまうことから、このような罰則規定が設けられているのです。

また、発注者支援業務は建設コンサルタント業務に該当します。実は、みなし公務員規定は業務を行う担当者だけではなく建設コンサルタント会社にも適用されるのです。

発注者支援業務の担当者だけではなく、企業も規制の対象になるということを覚えておく必要があります。

内閣官房行政改革推進本部事務局|政府の行政改革「公共サービス改革法」における民間事業者の義務等について

接待や贈答は禁止

公務員と同じように、工事受注会社などの取引相手との接待は禁止です。

たとえば、飲食代を負担したりお酒を振る舞ったりするのは法律違反となります。また、お中元やお歳暮、手土産などを受け取るのも禁止です。

手土産などを受け取ってしまうと贈収賄になる可能性があるため、基本的には受け取れないと覚えておきましょう。

一般企業の場合は、会社訪問の際に手土産を渡す場合もあるでしょう。しかし、公共性の高い仕事を担当する発注者支援業務の場合は違反となるため注意が必要です。

ただし、接待や贈答の禁止については仕事上の付き合いに限定されます。

そのため、プライベートで家族や友人とお酒を飲みに行ったり手土産などを受け取ったりすることは問題ありません。

副業を禁止している場合もある

公務員は副業が禁止されていますが、みなし公務員も同じように副業が禁止されている場合があります。

発注者支援業務は建設コンサルタント業務に含まれるため、建設コンサルタントの社員です。そのため、企業で副業を認めていたとしても副業が禁止されることがあります。

しかし、公務員に比べてみなし公務員は厳しい決まりがあるわけではなく、副業してもいい職種もあるのです。

ただ、副業を認めているのか禁止しているのかについては、企業の就業規則によります。

事前に就業規則を確認しておくこと、企業に確認を取っておくことをおすすめします。

みなし公務員ならではの魅力

みなし公務員ならではの魅力というのは、どのようなものがあるのでしょうか。

みなし公務員といえば、公共性の高い仕事を行うという特徴があります。そのため、個人や企業だけではなく国民の暮らしまで大きく役立てることから社会貢献度の高さが魅力です。

また、社会的に信用を得られることも魅力といえます。社会全体に信用されて仕事ができることで、仕事のやりがいにも繋がるのではないでしょうか。

発注者支援業務の場合も公共工事に携わることから、民間企業では味わえなかった大規模な建設工事に関われる可能性が高いです。

さらに、建設業界で課題となっている長時間労働や休日などについても、公務員の勤務形態に準拠していることで働きやすさも実現できます。

まとめ

今回の記事では、発注者支援業務がみなし公務員なのかについて解説しました。

令和4年度からは市場化テストの終了に伴い、発注者支援業務はみなし公務員から外れることになりました。

ただし、現在契約済みの公共工事に限っては、みなし公務員として仕事を行わなければなりません。

そのため、民間企業とは違うルールが適用されることがあると知っておくことが重要です。

みなし公務員に当てはまる発注者支援業務は、公共性の高い仕事ができるのが魅力といえます。

民間企業では経験できない仕事をしたいという方は、発注者支援業務についてさらに理解を深めてみてくださいね。

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