Construction column
発注者支援業務は未経験からでもできる?仕事をする方法について解説します
2023.1.22
工事を発注する発注者と工事を受注する民間の建設会社との間に入って仕事をするのが発注者支援業務です。
そんな発注者支援業務に興味がある方にとって気になるのは「発注者支援業務は未経験からでもできるのか」ということではないでしょうか。
そこで今回の記事では、発注者支援業務は未経験からでもできるのかについて詳しく解説していきます。
発注者支援業務の仕事に興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
発注者支援業務は未経験でもできるのか
発注者支援業務は、未経験の方でも1級・2級土木施工管理技士の資格を保有していたり、施工管理の経験があったりする方を積極的に採用している企業が多いです。
発注者支援業務というと大規模な公共工事を担当する場合が多く、求められるレベルも高いといわれることもありますが、実は未経験からでも担当できる業務もあります。
国土交通省の場合、発注者支援業務の中には「積算技術業務」「技術審査業務」「工事監督支援業務」などさまざまな業務があります。
未経験の方が担当するのは積算や設計補助、資料作成などの補助業務が多いのが特徴です。
民間の建設会社や建設コンサルタント、発注機関で実務経験がある方の場合は、これまでの経験を活かして発注者支援業務の仕事を経験しながら専門知識やスキルを習得できます。
また、業務自体もいきなり1人で担当するわけではなく、先輩の仕事の補助を行ったりOJTで学んだりしながら仕事を進められるため安心です。
建設業界で施工管理経験があるベテラン社員の場合は、施工管理に必要な資料作成や図面作成など幅広い仕事ができる傾向があります。
実務経験を積みながら資格を取得することもできます。
企業によっては、基礎知識を学ぶ研修会や資格取得に向けた勉強会を開催して社員育成に力を入れているところもあるほどです。
ただし、発注者支援業務を募集している企業の中には、募集条件が定められている場合があります。
たとえば「工事受注者として公共工事の経験がある」「発注者として土木工事の実務経験がある」「土木施工管理技士の資格を保有している」などです。
また、NEXCOの発注者支援業務に強い企業の場合は、NEXCO案件の工事経験者が求められる傾向があります。
しかし、1級・2級土木施工管理技士などの資格取得者や施工管理経験がある方は、発注者支援業務が未経験であっても積極的に採用している企業もあります。
発注者支援業務の仕事を詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
株式会社エムエーシー|発注者支援業務とは?仕事内容と必要な資格やスキルまで詳しく解説します
未経験から発注者支援業務に挑戦するには
「未経験から発注者支援業務に挑戦したい」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここからは、未経験から発注者支援業務に挑戦するためにはどうすれば良いのか、どのように会社を選べば良いのかについて詳しく解説していきます。
発注者支援業務を行っている企業へ転職する
未経験の方が発注者支援業務に挑戦したい場合、建設コンサルタント業務として発注者支援業務を行っている企業へ転職するのが近道です。
建設コンサルタントの中でも発注者支援業務を行っていない企業や発注者支援業務に弱い企業もあるため注意が必要です。
また、発注者支援業務を行っている企業がどのような発注機関の工事を担当しているのかも必ず確認するようにしましょう。
弊社の主要実績をご紹介すると、国土交通省・NEXCO各社・鉄道運輸機構・UR都市再生機構などがあります。
「大きな建設工事に関わりたい」「今よりもやりがいを感じられる仕事がしたい」という方は、当社でご希望を叶えてみてはいかがでしょうか。
主要実績について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
他にも、ご自身が希望する勤務地付近で発注者支援業務を行っているかも確認するのをおすすめします。
企業のホームページの採用情報などで不明点がある場合は、直接問い合わせをして事前に疑問点をクリアにしておくようにしましょう。
会社選びのポイント
発注者支援業務をしたい未経験の方が会社選びをする上で、押さえておくべきポイントがあります。
まず、発注者支援業務を受注している建設コンサルタントがどのような業務に強いのかを知っておきましょう。
たとえば、積算技術業務に強い場合でも工事監督支援業務に弱い場合もあります。
また、地域ごとに受注実績が異なっている場合もあるため、ご自身が希望する勤務エリアでは受注できていないことからやりたい業務ができない可能性もあります。
次に、1級土木施工管理技士の資格を取得したい方は実務経験を積めるのかどうかを忘れずに確認しましょう。
2級土木施工管理技士の資格を取得している状態で、発注者支援業務ができる会社に転職するとします。
もし、発注者支援業務で実務経験にできない業務を担当してしまうと、1級土木施工管理技士の受験資格を得られなくなってしまいます。
そのため、2級土木施工管理技士の資格取得者で1級土木施工管理技士の資格を取得したいと考えている方は、発注者支援業務で実務経験を得られるのかについても確認しておくと安心です。
発注者支援業務で強みになること
ここからは、発注者支援業務で強みになることについて解説していきます。
未経験から発注者支援業務に挑戦したい方は、ぜひチェックしてみてください。
公共工事の施工経験者
発注機関や民間の建設会社などで公共工事の施工経験がある方は、発注者支援業務でも即戦力になれるため大きな強みになります。
さらに、1級・2級土木施工管理技士を保有していれば、企業から求められる人材となるため転職に有利です。
発注者支援業務を募集している企業にもよりますが、土木学会認定の土木技術者資格や技術士補、RCCMを持っている場合でも優遇されることもあります。
施工管理技士などの資格がある方の場合、ベテラン社員だけではなく20代の若手社員でも転職が成功しやすいのも特徴です。
他にも、工事監督支援業務の場合は施工状況の確認や出来形確認などで現場の立ち会いを行うため、工事の流れや仕様書の中身を理解していることが重要です。
そのため、公共工事で施工経験がある方は発注者支援業務でも大きく活躍できるといえます。
積算業務の経験者
積算業務の経験がある方は、発注者支援業務では強みになります。
発注者支援業務の1つに積算技術業務がありますが、発注図面や数量計算書を元にして積算を行います。
民間の建設会社で積算業務の経験があれば、発注者支援業務でもスムーズに業務を進めやすいです。
もちろん、専門としていない工事の場合は数量の算出方法に違いがあったり、材料が理解できなかったりする場合もあるでしょう。
しかし、積算業務の経験があるかないかでは、業務の理解度も大きく異なります。
そのため、発注者支援業務でも積算業務の経験は間違いなく活かせます。
土木設計の経験者
発注者支援業務では、CADの操作スキルが求められます。
そのため、土木設計の経験があると発注者支援業務でも図面作成などでCADの操作スキルを活かせます。
発注者支援業務の場合、設計者と同じくらい高度なCADの操作スキルを持っている必要はありません。
発注者支援業務では、設計変更があると図面を修正することがあるため、図面の修正ができるくらいのCADの操作スキルを持っているといいといわれています。
ただし、設計段階から仕事を行う場合はやや高度なCADの操作スキルが求められる場合があります。
まとめ
今回の記事では、発注者支援業務は未経験からでもできるのかについて解説しました。
発注者支援業務の経験がない場合でも、1級・2級土木施工管理技士などの資格を保有している方が即戦力として活躍できるのが発注者支援業務です。
資格を取得している方であれば、20代や30代の若手社員でも幅広い業務を担当できます。
また、長年施工管理として携わってきたベテラン社員は、発注機関の立場でこれまでの経験を活かすことも可能です。
これまで培った経験やスキルをフルに活用して、発注者支援業務に挑戦してみてはいかがでしょうか。