Construction column
施工管理における安全管理は最重要業務!安全管理の目的と現場での安全管理6選を紹介!
2023.7.20
施工管理の中で、最も重要とされているのが「安全管理」です。
安全管理では、危険と隣り合わせの建設現場において、作業員が怪我なく安全に働けるように災害を防ぐ対策を行います。
本記事では、安全管理業務がなぜ施工管理業務の中でも、最重要とされているのか、その目的や現場での安全管理について解説します。
目次
安全管理とは
簡潔に言えば、安全管理とは「建設現場で安全な作業ができる環境を整えること」です。
安全管理は施工管理における4大管理の中の一つで(その他は、工程管理・原価管理・品質管理)、特に重要なものとして知られています。
建設現場では状況が常に変化するため、危険を排除することが必要です。
事故が発生した場合、遅れが発生してしまい工期通りに建設が完了しないことも考えられますし、最悪の場合には死亡事故が発生する可能性もあります。
安全管理は、そのような事態にならないように、事前に建設現場でどのような事故が起こり得るかを想定しておくことが重要です。
また、企業の社会的責任の一環として安全管理は重要視されており、安全管理を行うことで生産性の向上と従業員の安全と健康を守るなど、企業と従業員の双方にメリットがあります。
企業は安全管理を徹底することで、従業員の安全や健康を守り、社会からの信頼を得ることができます。
安全管理の目的
安全が確保されていない工事現場では、工事そのものを進めることができません。そのような環境下では事故が発生する可能性が高いからです。
建設現場では、大型建設機械の出入りや、その取扱時の事故、高所からの落下、クレーン作業時の重量物落下など、さまざまな労災事故が発生する原因が存在します。
特に、高所での作業や大型建設機械の操縦などについては、怪我や死亡事故などの危険と隣り合わせで作業を行わなくてはいけません。
そのような危険と隣り合わせの建設現場において、事故が起こらないように対策を行うのが安全管理の目的です。
安全管理において対策を行う際には、環境的要因と人的要因に2つに気をつける必要があります。
建設現場では、2つの要因を考慮して策定されたルールを一人ひとりがしっかりと守り、作業を行うことが重要です。
現場における安全管理6選
ここからは、建設現場で行う6つの安全管理について、具体的に見ていきましょう。実際に、建設現場で行う安全管理を行う際の参考にして見てください。
教育の実施
建設現場での安全管理において、教育はとても大切です。ここでいう教育とは、危険な行動を防止するために行う安全衛生教育を指します。
建設現場においては、その現場ごとに注意点や危険な場所、禁止事項が異なります。そのため、初めての現場に入る作業員に対しては、しっかりと教育を行うことが重要です。
安全衛生教育は、現場に対する理解を深めてもらうためにも、作業する人の理解度に合わせて繰り返し行うようにしましょう。
繰り返し行うことで、作業員全員が安全意識を高く持つようになり、建設現場における安全な環境を作り上げることができます。
また、現場に慣れることによって、気のゆるみや油断が生じてしまう可能性もありますので、現場に慣れてきた頃に再度、安全衛生教育を行うことも重要です。
危険察知運動やヒヤリハット事例の共有
ヒヤリハット事例を共有しておくことも、安全管理の重要なポイントです。
ヒヤリハットとは、文字の通り「ヒヤリとした」り、「ハッとした」瞬間のことを意味しており、重大な事故や災害にはならなかったものの、もう少しで事故や災害につながっていたような事例のことをいいます。
どんなに些細なことであったとしても、「ヒヤリ」としたことや「ハッ」としたことは、作業員全員で共有するようにしましょう。
朝礼の時間を使い、各作業員が感じたヒヤリハット事例を全体で共有しておくことで、安全意識が高まり、事故や災害を事前に防ぐことができます。
厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」でも、さまざまなヒヤリハット事例が掲載されていますので、目を通しておきましょう。
ヒヤリハット事例は建設業だけでなく、製造業や介護など、さまざまな業界で活用されています。
作業員の健康チェック
体調が悪いなど、健康状態に問題があるまま現場に出てしまうと、事故を引き起こしてしまう可能性が高くなります。
このような理由から、建設現場の安全管理では、作業員の健康チェックを行うことが肝心です。特に、熱中症やメンタルの不調に注意するようにしましょう。
夏場は熱中症対策として、水分補給や定期的に休憩を取るように促したり、体調の悪そうな作業員には声をかけて休ませるなどの対策が必要です。
健康チェックに関しては、「建災防方式健康KYとストレスチェック」を実施して、作業員の心身の健康チェックを行います。
また、作業員だけでなく、現場監督も長時間労働となりがちですので、現場全体で業務の効率化を図るなど対策を行うこようにしてください。
機材の定期点検
定期的に機材を点検することで、建設現場の安全管理につながります。
建設現場では、さまざまな機材や重機を使用するため、それらに何か問題があった場合、動作不良によって重大な事故につながるかもしれません。
そのような事態におちいらないためにも、使用する機材について性能や構造に不具合や変化がないかを点検することが重要です。
機材の点検は、始業前や作業終了後に行うと良いでしょう。また、台風などの自然災害発生した後の作業再開時には、現場の機材や設備に関して点検を行うことをおすすめします。
また、作業時に身につける墜落防止用器具(安全帯)や、ヘルメットなど作業員の身を守る器具についても点検を行うようにしましょう。
機材点検を行う際には、点検が必要な機材や項目などをチェックリストにしてまとめておくと、スムーズに行うことができます。
工法が守られているかのチェック
工事現場において、決められた工法を守っているかどうかチェックすることも安全管理にとって重要なポイントです。
工事によって種類や工法がさまざま存在するため、工法によって発生する事故や災害について注意すべき点はそれぞれ異なります。
工事現場においては、正しい工法を守るように周知し、注意点を把握しておくことが重要です。
また、正しい工法を守るために作業手順書を作成し、作業前に確認してもらい工法を順守するなどの対策を行うことや、定期的に現場を巡回することが現場の安全を確保するには有効です。
作業員同士のコミュニケーション
作業員同士のコミュニケーションがうまく取れていない場合、トラブルが発生したり連携ミスが発生したりして、事故や災害につながりかねません。
作業員同士のコミュニケーションを強化することも、現場の安全管理の重要なポイントです。
コミュニケーションが強化されることで、情報共有の機会が増え、些細なトラブルによる現場の雰囲気が悪くなることも少なくなるでしょう。
現場の雰囲気が良くなれば、ケアレスミスを減少させることにつながります。
具体的には、体調が悪そうな人や、作業が思うように進められていない人に声をかけるなどの配慮を行います。
まとめ
安全管理ができていない建設現場では、事故や災害が発生する可能性が高くなり、作業員の安全や健康を守ることができません。
実際に事故や災害が発生した場合は、責任を問われることになり、信用も失墜してしまうことになるでしょう。
そうならないためにも、安全管理を確実に行い、従業員の安全と健康を守り、企業の社会的責任を果たすことで信頼を得ていく必要があります。
このような観点から、施工管理の中でも安全管理は最重要視されているのです。
建設工事における安全管理などの業務において活躍することができる仕事に、発注者支援業務があります。
国や都道府県などの自治体や、官公庁などが発注する公共事業の発注業務をサポートする仕事です。
公務員と同じような年間休日や勤務時間など職場環境も整っており、安定的な仕事であることも魅力のひとつでしょう。
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