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建設コラム

【職種紹介】公共工事の技術審査業務とは?その役割や業務内容について解説します

2024.3.23

公共工事は国や都道府県などが発注者となって行う建設工事のことをいいます。

公共工事の内容は、施工や使用材料といった、さまざまな面で正当性が求められるものです。

そんな公共工事発注にあたって業者を選定する際には、入札を行い業者選定を行います。

その選定の発注者の支援を行う業務に「技術審査業務」があります。

今回の記事では、業者選定に重要な役割を果たす「技術審査業務」について詳しく解説していきます。

技術審査業務とは

技術審査業務とは

技術審査業務とは、公共工事の入札において、参加業者から提出される施工内容などの技術提案資料などの審査や確認を行う業務のことをいいます。

公共工事の入札は総合評価方式で行われ、金額や技術面などを総合的に評価されます。

公共工事の件数は多く、評価に公平性を持たせるために生まれたのが技術審査業務です。

技術審査業務には、具体的に参加業者の実績や資格、工事実績についての技術提案などを審査していきます。

ここからは、技術審査業務の役割や、重要性について解説していきます。

技術審査業務の役割とは

技術審査業務では、具体的に下記の内容を評価していきます。

・過去の工事実績
・技術者の資格や実績
・技術提案資料の確認

上記を総合的に評価していき入札を実施していきます。

工事実績は工事業者が過去に同様の工事を行ったことがあるのか?経験が豊富なのか?などの判断基準と使用できます。

技術者の保有資格や実績の確認は、工事実績と同様に入札実施工事に対する適正を判断する材料にできます。

技術提案資料の確認においては、適切な工事を計画しているのか、その工事内容の妥当性などを審査、確認していきます。

技術審査業務の重要性

技術審査業務で行う確認や審査によって、公共工事の安定した品質の確保、信頼性を保つことを可能とします。

さらに技術者の保有資格の確認によって、工事のスムーズな進行を保証するために必要となってきます。

技術提案の内容の審査、確認においては該当工事の最適な技術が提案されているかの選定が可能です。

このように技術審査業務は、工事の品質からその妥当性などさまざまな側面から総合的な審査を行い、的確な工事を実施するために非常に重要な役割をはたしています。

技術審査業務の手続きについて

技術審査業務の手続きについて

公共工事の技術審査業務の役割や重要性について解説していきましたが、次はその手続きについて解説していきます。

・技術審査業務の流れ
・技術審査業務の必要資料
・技術審査業務の作業について

上記の項目ごとに詳しく解説していきます。

技術審査業務の流れ

ここでは、技術審査業務の一般的な流れについて解説していきます。

1.まず公平性を保つために、公募にて入札参加業者を募集します。
2.次に入札参加業者から提出される競争参加確認申請書の確認や分析、整理を行い落札者の決定をしていきます。
3.落札者が決定したら、工事を依頼していくための落札者に対しての工事発注資料の作成を行います。
4.落札者に対して、公共機関の機密性を確保するために、守秘義務を命じます。

情報の漏洩や無断使用など、外部に情報が漏れないように徹底することを確約していきます。

上記のような流れが一般的なものとなっていますが、各公共機関によって違いがあるため、詳細については事前に確認や問い合わせをすることが必要です。

技術審査業務の必要資料

実際に技術審査業務を行っていく際には、さまざまな資料を審査していく必要があります。

そんな必要資料は以下のようなものがあります。

・工事発注資料:公告文や入札説明書など
・競争参加資格確認申請書:入札参加社の参加資格や技術提案や計画を審査するために使用する書類
・現地調査資料:現地の状況を撮影した写真や現況図面などの資料
・設計成果品:工事中の各種報告書や原図、図面等

上記の資料が一般的に技術審査業務で使用される資料です。

こちらも各公共機関によって必要資料に違いがあるため、確認や問い合わせをしておく必要があります。

技術審査業務で求められる知識

技術審査業務で求められる知識

技術審査業務を公平性をもって正確に進めていくためには、さまざまな知識が必要です。

・建築物の重要性
・数量の計画方法
・契約に必要となる資格

ここからは、上記の技術審査業務に必要な知識や資格について詳しく解説していきます。

建築物の重要性

技術審査業務において建築物の重要性は、公共工事であるため、その維持管理や適切に機能することや、安全面についての配慮に必要不可欠です。

施工内容や使用材料についても、適材適所で使用されていることが求められ、民間工事ではないため、最新の技術や材料の使用も適切に判断し導入することも必要です。

さらに情報漏洩にも注意しておかなければいけません。

建築物の写真や仕様などの情報漏洩は、公共工事の公平性に支障をきたすものとなるため、守秘義務の徹底は重要なものとなってきます。

数量の計画方法

技術審査業務における数量の計画方法についてですが、まずは現地調査を行い工事に必要となる材料や工事についての把握を行います。

次に現地調査の結果と設計図面に基づいて数量の拾い出しから数量計算書や積算資料の作成を行っていきます。

作成したデータを電子データ化したり入力を行いまとめていきます。

このような流れで、適切な発注予定価格を算出していきます。

知識と経験がなければ、適切な金額の算出が困難であり、公平性を保つことができなくなるため、数量の計画の知識は重要知識といえます。

契約に必要となる資格

技術審査業務には、その業務の内容によって異なりますが、資格や一定の経験が必要です。

・建設業許可
・一定の学歴や実務経験
・地質調査などの専門的な実務経験

技術審査業務では、公共工事の公平性や妥当性などを確保するために専門的な知識、経験を有したものであることが求められています。

技術審査業務の提案についての方法

技術審査業務の提案についての方法

技術審査業務の提案や契約方法については、公共工事の入札において技術提案や価格について、交渉による仕様の確定などを行う「技術提案の審査及び価格等の交渉による方式」が規定されています。

そんな技術審査業務の提案方法やについて詳しく解説していきます。

技術審査の提案方法

ここでは、技術審査業務の提案方法の具体的な流れについて解説します。

まず提案する技術やその役割、効果などを踏まえた実施計画の詳細をまとめた技術提案書を作成していきます。

技術提案書がまとまったら、発注者に対して提出します。

提出期限や提出方法など指定されたもので提出していきます。

次に発注者は、提出された技術提案書を審査していきます。

発注者の要望などを踏まえたものであるか、技術の内容や効果など実施可能なものであるか総合的に確認していきます。

技術提案書の確認作業を終えたら、発注者と提案者の間で金額面についての交渉、打合せを行います。

これによって仕様などが確定し予定の価格が確定していきます。

このような手順で進んでいき、技術審査業務の契約が決定されます。

まとめ

まとめ

今回の記事では、公共工事の発注者支援業務のひとつである技術審査業務の役割や業務内容について詳しく解説していきました。

技術審査業務は公共工事の公平性や妥当性などを確保するために重要な業務であり、各公共機関の信用に関わる重要なものです。

技術審査業務を行うためには、資格や実務経験、専門的な知識が必要となる重要な業務です。

しかし、そのやりがいや経験は他では得られないものとなるでしょう。

今回の記事から技術審査業務に興味を持たれた方はぜひチャレンジしてみてください。

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