Construction column
現場施工管理補助業務とは?工事現場の仕事を覚えて現場監督を目指す!
2023.5.27
工事には予算や期間が決められており、受注者はその予算と期間内に工事を完了できるように、進捗を管理する必要があります。
これを施工管理と言い、公共工事などの大規模なものはもちろん、住宅などの工事でも重要な業務です。その施工管理を支えるのが、現場施工管理の補助業務です。
本コラムでは、現場施工管理のサポートを行い、施工管理を円滑に進めるための現場施工管理補助業務について解説します。
施工管理業務とは
施工管理は、工事がスケジュール通りに進むよう、工事現場において工事全体の管理を行う業務です。
工事スケジュールの管理や予算の管理、事故が起きないようにするための安全管理など、工事全体をまとめて進捗させる業務を担っています。
施工管理業務について、具体的に見ていきましょう。
まず、あげられるのは工程管理です。工程表を作成し、作業の進め方はもちろん、人員の人数や配置、重機の手配などを管理し、工期を守る重要な業務です。工期に遅れが発生すれば、工程表を作成し直し、工期内に工事を完成させられように調整します。
次に、安全管理があげられます。現場において、事故が発生しないよう安全に配慮する業務です。安全確保のための設備の用意はもちろん、作業員への安全教育も重要な業務です。また、危険な場所への看板設置、現場の立ち入り制限なども行います。
原価管理も施工管理業務の一つです。工事現場でかかる費用を算出し、予算オーバーにならないように管理します。予算と進捗状況によって発生する経費を把握・管理し、予算との差異がある場合には、計画や工程の改善をして適正な費用と利益を確保することが目的です。
工事に使用する材料の品質が、設計図書や仕様書通りの規格を満たしているかを管理する、品質管理も重要な業務です。構造物の強度不足や歪み、工法のミス、見落としがないかをチェックします。また、完成品の強度などが、基準や規定を満たしているかを確認するのも重要です。
施工管理補助業務の内容
施工管理業務は広範に渡るため業務量が多く、現場を任される責任者の負担も大きくなります。
負担が大きくなることで、施工管理業務に不備が出てしまうと、工期の遅れや予算オーバー、安全管理が疎かになれば、事故が発生する可能性もあるでしょう。
そこで、工事現場の責任者の負担を軽くし、工事現場がうまく回るように施工管理業務の補助を行うのが施工管理補助業務です。
簡単に言えば、施工管理業務のサポートを行うということになりますが、重要な業務と言えるでしょう。
施工管理補助業務の内容は、各企業によって異なりますが、「現場での仕事」と「デスクワーク」に大別されます。
現場での仕事
施工管理補助業務の担当者は、施工管理者と共に工事現場へ出向き、施工管理者の指示を受けて業務を行います。
施工管理補助業務担当者が行う仕事は、あくまでも施工管理者の補助となるため、責任のある仕事は任されないことが多いようです。
そのため、一般的に現場における仕事としては、工事現場の清掃作業や現場写真の撮影、工具や資材の準備などが業務となります。
一見すれば、地味ですがどれも重要な作業です。清掃作業は、工事現場内を綺麗にすることが目的ですが、綺麗にしておくことで、構造物への傷や汚れを防ぐことができます。
また、清掃作業を徹底することで、落ちている釘などで発生する怪我を防止するなど、安全管理にもつながります。
このように工事現場での施工管理補助業務は、とても地味な業務です。しかし、施工管理者の業務軽減を図るだけでなく、現場で働く作業員の安全を守る重要な役割も果たすことになります。
デスクワーク
施工管理者の主な業務には、書類作成業務も含まれます。工事管理のための工程表はもちろん、会議用に資料を作成や、書類整理なども行わなくてはいけません。
このようなデスクワークが多いことも、施工管理者の業務量を多くしてしまっている要因です。
そこで、施工管理補助業務の担当者は、施工管理者が抱えるデスクワークを業務として行うことがあります。
例えば、書類作成や、会議用資料を作成することで、施工管理者は工事全体の管理に力を入れることができます。
また、道路を使用するための許可申請書を作成し、行政機関へ提出するなどの業務も任され場合もあるようです。道路使用許可を忘れていると、工事の日程が遅れるなど、さまざまな弊害が出ることもあるため、許可申請の業務は重要と言えるでしょう。
施工管理者の業務は、現場だけではなく、打ち合わせや会議、書類作成などのデスクワークにまでおよびます。
このような負担を取り除き、工事管理に集中してもらうことで、工事の品質も確保されます。
施工管理補助業務は、施工管理のサポートという考え方もできますが、施工管理を確実に行っていくために必要な大切な業務だということをご理解いただけたのではないでしょうか。
なぜ施工管理補助業務が必要なのか
上述の通り、施工管理者の業務は多岐に渡っています。工程表に基づいて作業を進めるだけでなく、現場状況の把握や作業員の調整、安全管理、品質管理、スケジュール管理など、施工管理者にはさまざまな責任があります。
一つの現場の施工管理を行うには、多くの知識と経験が求められますが、そのすべてを一人の施工管理者が行うのは困難と言えるでしょう。
そのため、施工管理者の負担を軽減し、本来の専門的な職務に専念できるようにすることに施工管理補助業務の必要性が生まれています。
例えば、作業員の出勤・退勤管理、使用材料の在庫管理、ファイル整理など、日常的でありながら、重要な業務を補助業務が担当することで、施工管理者は専門的な職務を遂行できます。
これらの理由から、施工管理補助業務は、工事現場の効率的な運営と品質を保つために必要不可欠な存在です。施工管理者の働き方を助け、現場の生産性と品質を向上させるために重要な役割を果たすものとして、施工管理補助業務は必要と言えるでしょう。
施工管理補助は施工管理者へのステップアップ
施工管理の求人の際、未経験者や経験の浅い求職者に対して、施工管理補助からスタートという会社は少なくありません。
その理由としては、まず建設業界の人材不足があげられます。そのため、施工管理者の数も少なくなったことで一層、業務の負担は増しています。
そこで、未経験または経験の浅い求職者に対しては、施工管理補助業務で採用し、現場で施工管理業務のサポートを経験させることで将来的に施工管理者として育てていこうという考えがあるものと思われます。
施工管理補助業務は、施工管理者と共に仕事をすることで、工期や予算はもちろん、人員調整や安全管理など、施工管理業務の重要性を学ぶことが可能です。
そのため、施工管理者になりたいという方のステップアップのためにも、施工管理補助業務は役に立っていると言えるのではないでしょうか。
まとめ
施工管理補助業務は、施工管理業務をサポートすることで、施工管理者の業務負担軽減に貢献する重要な業務です。
それは、施工管理者の業務負担が軽減されることで、専門的な職務に専念することができるようになり、工事全体の品質を保つことが可能になります。
補助という名称になってはいますが、施工管理補助業務も施工管理業務には欠かせない仕事であることに間違いはないでしょう。
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発注者支援業務は、国や都道府県などの自治体や、官公庁が発注する公共事業の発注業務をサポートする仕事です。
公務員と同じような年間休日や勤務時間など職場環境も整っており、安定的な仕事であることも魅力のひとつでしょう。
国民の生活を支えるインフラ整備に関われる「発注者支援業務」の仕事も、ぜひ視野に入れてみてください。