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Construction column

建設コラム

道路許認可審査・適正化指導業務ってどんな仕事?

2023.3.20

この記事では道路許認可審査・適正化指導業務についてご紹介していきます。私たちが日頃使う道路は適正な管理の元で成り立っています。

道路工事は許可を得た上で行っていますが、ごく稀に法令や規則に沿わないまま工事をしようとする会社があります。そのような事態が起きないように審査・指導するのが今回ご紹介する「道路許認可審査・適正化指導業務」です。

道路許認可審査・適正化指導業務とは?

道路許認可審査・適正化指導業務は、国道の占用や利用申請の審査・相談の対応を行う業務です。無許可で利用する人に対しては確認・指導などを行うことで道路の管理や維持はもちろん、道路の安全性や利便性の向上を図りながら、交通事故の防止・地域の発展につなげています。

道路許認可審査業務では、新しく道路建設や改修工事などを行う際の許可申請に対して、法令や規制に適合しているかどうかを審査します。

道路適正化指導では、既存の道路について適正な管理や維持を行うために提言や助言を行い道路の適正な維持管理を促すための指導をします。

道路許認可審査・適正化指導業務はどんな業務を行うの?

ここからはさらに詳しく、道路許認可審査・適正化指導業務のそれぞれの仕事内容をみていきましょう。今回は東北地方整備局の令和2年度 道路許認可審査・適正化指導業務の資料に基づいて記載しています。

道路許認可審査

①道路法に基づく申請書類の受付および審査

道路法に基づいた工事の事務に関わる申請書類の受付および審査・書類作成・実施状況の確認を行いその結果を報告する。

その他にも、特殊車両通行許可申請書に関わる受付、特殊車両通行許可申請書の通行経路・通行車両などの確認および許可条件付与などの審査、書類の作成や、河川や鉄道などの占用・使用更新手続きの書類作成なども行う。

②苦情申し立てや行政相談などに関わる受付・伝達・現地立ち合い

道路管理に関する苦情申し立て(相談者)に対して内容確認を行い、必要に応じて相談者と現地の状況把握を行い報告する。

③許認可審査に係る各種台帳・台帳附図などの整備

道路法に基づく道路台帳およびその他道路管理上必要な図面の点検・修正などを行いその結果を報告する。

④災害時など緊急時における業務

地震災害・水害・雪害などの発生およびその恐れがある場合に上記②と③の業務への対応とともに、道路管理に関するデータの収集や外部からの連絡を記録し報告する。

適正化指導業務

①道路法に基づく指導取締り

道路の不正使用・不法占用などに関わる指導取締り、道路区域内における未承認工事、不許可看板などの不法占用物件、放置自転車などの状況把握、対象者への道路法などの説明およびそれらの記録を行い報告する。

併せて、特殊車両の通行に関わる指導取締りにおいて対象車両の重さ・長さ・高さなどを計測し、通行許可証との内容を照合する。車両制限などに違反している場合にはその状況を書類に記録し報告する。

②適正化に関わる各種台帳・台帳附図などの整備

道路法に基づく道路台帳およびその他道路管理上必要な図面類の点検・修正等を行い、その結果を報告する。

道路許認可審査・適正化指導業務に就くには資格がいる?

道路許認可審査・適正化指導業務の業務を行うには下記いずれかの資格が必要とされています。

技術士(総合技術監理部門・建設または建設部門)・技術士補(建設部門)

技術士は、国によって科学技術に関する専門知識と応用能力および、豊富な実務経験を有していることを認定する資格です。科学技術の応用面に携わる技術者にとっては最も権威のある国家資格です。

技術士補は、技術士試験の1次試験に合格した人、もしくは指定大学において日本技術者教育認定機構認定課程を修了した人が名乗ることができる登録制の資格です。技術士補の人は2次試験に合格することで「技術士」と名乗ることができます。

土木施工管理技士(1級または2級)

土木施工管理技士は国家資格である「施工管理技士」のひとつで、土木工事現場の施工管理を行うための資格です。

施工管理技士の資格には、電気工事施工管理技士・建築施工管理技士・管工事施工管理技士などいくつか種類がありますが、土木施工管理技士は、道路・トンネル・橋などの私たちのインフラ設備を中心とした土木工事全般の施工管理を行います。

この資格は1級と2級の2種類に分かれており、1級保有者は「監理技術者」、2級保有者は「主任技術者」として土木工事現場に配置されます。

全ての土木工事現場では「主任技術者」の配置が義務付けられていますが、請負金額が4000万円以上の大規模的な工事の場合には「監理技術者」を配置しなければなりません。

よって、1級土木施工管理技士の資格を保有している方がより携われる現場の数が多いといえます。

土木学会土木技術者(特別上級・上級・1級・2級のいずれかを保有している者)

2001年より公共社団法人土木学会によって開始されたこの資格は土木分野に関する知識・能力を証明する資格です。技術者の成長段階に応じて資格が選べるように下記の4つの階層に分かれています。

特別上級土木技術者:豊富な知識・経験・幅広い見識を持っており、国を代表する技術者として土木業界や社会に貢献できる

上級土木技術者:複数の専門分野の知識と経験があり、課題解決においてリーダーとして任務が遂行できる

1級土木技術者:少なくとも1つの専門分野で高い知識があり、自己判断で任務が遂行できる

2級土木技術者:土木技術者としての基礎知識があり、与えられた任務が遂行できる

この資格は土木技術者の実務能力を認定するもので、土木学会はこの資格を通して土木技術者自身のキャリアアップにつながることを期待しています。

RCCMまたはRCCMと同等の能力を有する者(技術士部門と同様の部門に限る)

RCCMとは「Registered Civil Engineering Consulting Manager」の略で、土木工事関連の技術者の資格です。建設コンサルティング業務の中にある「管理技術者」「照査技術者」として企画・調査・施工・積算などの幅広い知識が求められます。

RCCMを取得することで「建設コンサルタント」として公共工事の施主に対してアドバイスをするなどのサポート業務を行うことができます。

発注者支援業務からはじめてみよう

道路許認可審査・適正化指導業務は発注者支援業務の1つですので、将来的にこの仕事に関わりたいと思っている方はまずは発注者支援業務から始めてみましょう。

発注者支援業務は官公庁が発注する公共事業の発注業務のサポートをする仕事です。資料作成や現場の進行状況の確認など、仕事内容は多岐にわたりますが、その分スキルアップが期待でき、やりがいも多く感じられる仕事です。

この発注者支援業務に就くためにも上記で記載した資格が求められます。特に土木施工管理技士の資格は土木建設業界では重要視される資格です。2級土木施工管理技士の資格は誰でも受験ができますが、1級土木施工管理技士を目指す場合には、実務経験が必要となってきます。ですので、まずは1級土木施工管理技士の資格取得を目指してはいかがでしょうか。

まとめ

いかがでしたか?普段あまり聞きなれない業務内容が多かったかもしれませんが、このようにして道路の安全が守られているのかが理解できたかと思います。

近年では2027年のリニア中央新幹線開業に向けて道路の整備や開発などが行われていますので、発注者支援業務および道路許認可審査・適正化指導業務は益々需要が高まることでしょう。

ぜひ皆さんもご自身のキャリアアップにつながるよう道路許認可審査・適正化指導業務の仕事を目指してみてはいかがでしょうか。

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