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Construction column

建設コラム

施工管理技士とは?建設業界で求められる資格と業務内容を解説!

2023.10.20

施工管理

この記事では、施工管理技士の重要性と、施工管理技士試験の概要や具体的な仕事内容、さらには建築現場での役割まで、詳細に解説していきます。工事現場での専門的な知識が求められる建設業界において、施工管理技士は不可欠な存在です。この資格に興味を持つ方、また建設業界での新たなキャリアを築きたいと考えている方は、ぜひこの記事を最後まで読んでみてください。

建設業界の現状と施工管理技士の需要

現代の建設業界は、技術の進歩と共に急速に進化しています。スマート建築、持続可能な設計、そして安全性と効率性への新たな要求が、業界におけるプロフェッショナルの役割を再定義しています。この変化の中で、施工管理技士の需要は顕著に増加しており、彼らはプロジェクトが予算内で、期限までに、かつ最高の品質で完了することを保証するための鍵となっています。

施工管理技士は、建設プロジェクトの計画、調整、予算管理、そして施工作業の監督において中心的な役割を果たします。彼らは技術的なスキルと深い産業知識を要求され、プロジェクトチームとのコミュニケーション、問題解決、そしてリーダーシップも必要とされます。そのため、資格を持つ施工管理技士は市場で高い需要となっており、安定した職場と競争力のある給与を期待できるのです。

施工管理技士とは?

施工管理技士は、建設業法に基づく国家資格で、建設プロジェクトの品質、スケジュール、コスト、安全管理を担当する専門家です。彼らは、プロジェクトの計画段階から完成に至るまで、さまざまな工程を監督し、調整します。

具体的な職務内容としては、工程表の作成、現場作業の管理、安全対策の実施、品質管理、スタッフや下請け企業の監督、そして進捗報告などが含まれます。

また、問題が発生した際のトラブルシューティングや、必要に応じた解決策の提案・実行も施工管理技士の重要な役割です。

施工管理技士の役割と建設プロジェクトでの重要性

建設プロジェクトは、その規模や性質に関わらず、多くの複雑な要素を内包しています。ここで施工管理技士の役割が重要となるのは、これらの要素を効率的に統合し、計画通りにプロジェクトを進行させることで、期限内に品質の高い結果を出すためです。

施工管理技士は、コスト管理を行い予算超過を防ぎつつ、工程管理を通じてプロジェクトのスケジュールを守る必要があります。また、現場の安全を確保し、法律や規制、標準に準拠した作業が行われているかを監督することも求められます。これらの活動を通じて、施工管理技士はプロジェクトの成功を保証し、投資家、顧客、そして施工者の利益を守る重要な存在と言えます。

さらに、施工管理技士は、建設プロジェクトにおけるコミュニケーションの要ともなります。プロジェクト関係者間の情報伝達や、意思疎通の確保を担い、スムーズな運営をサポートします。このようにして、施工管理技士は、建設プロジェクトが計画通りに、そして効率的に遂行されるための不可欠なプロフェッショナルと言えるのです。

施工管理技士が行う主な5つの業務

施工管理技士が主に行う業務は以下の5つです。それぞれの能力が必要とされています。一つずつ詳しくみていきましょう。

工程管理

施工管理技士としての重要な業務の一つ目は「工程管理」です。これは、建設プロジェクトが定められた「工期」内に計画通り完了するよう、全体のスケジュールを効率的に管理し、調整する作業を指します。

契約に基づき設定された工期は、発注者と受注者間の合意事項であり、この期間内に建築物を完成させることが施工管理技士の責務です。このため、作業員のスケジュール管理、各種リソースの配分、さらには予期せぬ遅延が発生した際の対応策の立案など、プロジェクトの進捗状況を常に把握し、効率的な工程管理を行うことが求められます。これにより、品質を損なうことなく、コストを抑え、期限内のプロジェクト完成を目指します。

原価管理

施工管理技士の主要な業務の二つ目は「原価管理」があります。これは、プロジェクトの「実行予算」と実際の工事コストである「原価」とのバランスを適切に保ち、計画された利益を確保するための管理作業です。

施工管理技士は、材料費、人件費、その他の運営コストを含むプロジェクトの全体的なコストを監視し、コントロールする責任があります。原価が予算を超過するリスクがある場合、施工管理技士は施工計画の見直しを行ったり、下請け業者との再調整を行ったりすることで、コスト削減の機会を模索しなければなりません。このプロセスは、プロジェクトの質を維持しつつ、経済的な効率性を確保するために不可欠です。

安全管理

施工管理技士としての重要な業務の三つ目は「安全管理」です。これには、作業現場の安全確保と、事故防止措置の実施が含まれます。

施工管理技士は、現場の安全基準を確立し、従業員や下請け業者がこれを順守するように指導しなければなりません。日常的な点検や安全確認、必要な装備の準備を指示し、安全プロトコルの遵守を確保することも、施工管理技士の役割です。

また、施工現場での安全を確保するための取り組みとして、以下の活動があります。

「ヒヤリハット運動」:これは、作業中の危険な状況や事故の発生を未然に防ぐため、作業員が体験したヒヤリとする瞬間や危険な状況を共有し、その原因を分析し、改善策を講じる活動です。

「危険予知活動」:現場で潜在的な危険を事前に特定し、それを作業員全員で共有することによって、事故や怪我のリスクを減らす活動です。

「5S運動」:作業現場の整理・整頓・清掃・清潔・躾を通じて、安全かつ効率的な作業環境を維持するための活動です。

これらの活動を通じて、施工管理技士は安全意識の高い作業環境を作り上げ、事故リスクを最小限に抑える責任を担います。

品質管理

施工管理技士の業務には「品質管理」もあります。この業務では、プロジェクトが発注者の期待に応える品質で完成するよう、継続的な監督と評価が不可欠です。

施工管理技士は、建設プロジェクトが設計図通り、または仕様書に記載された要件を満たしているかを確認する責任があります。これには、建築物の寸法、使用される材料の品質、構造の強度、必要な機能性といった要素の検証が含まれます。

また、品質の確保をさらに強化するために、施工管理技士は以下の活動も行います。

基準の確立と確認:各評価対象について、事前に明確な品質基準を設定し、それに基づいて定期的なチェックと評価を行うことで、プロジェクト全体の品質を保ちます。

記録と文書の管理:施工過程の重要な段階ごとに、写真撮影や詳細な記録を取ることで、実際の作業が計画通りに進行していることの証明書を提供します。これは、将来的な品質問題やクレームが発生した場合の参考情報ともなります。

施工管理技士は建設プロジェクトが一貫した品質基準を満たすよう努力し、最終的な成果物が発注者の満足を得られるレベルであることを保証します。

環境管理

「環境管理」は施工管理技士にとって重要な業務範囲であり、プロジェクトが環境に与える影響を最小限に抑えることを目指します。

施工管理技士は、建設活動が地域の自然環境や生活環境に及ぼす影響を予測し、予防または軽減するための計画を立てる責任があります。これには、以下のような具体的な業務が含まれます。

産業廃棄物の管理:プロジェクトで生成される廃材や副産物の適切な排出と処理を保証し、不法投棄を防ぐためのプロセスを策定します。

環境保護措置の実施:工事現場からの有害物質の飛散防止、水質汚染防止策の導入、また騒音や振動の抑制に関するガイドラインを作成し、それらが徹底されていることを確認します。

継続的なモニタリング:建設工事が進行する中で、環境への影響を継続的に監視し、必要に応じて対策を見直したり、新たな対策を講じることが求められます。

施工管理技士がこれらの業務を遂行することで、プロジェクトが環境法規や地域社会の基準を遵守し、かつ持続可能な方法で進行することを保証します。これは、企業の社会的責任(CSR)を果たし、地域社会との良好な関係を維持する上で不可欠な活動です。

施工管理技士の資格と種類

施工管理技士の資格は、建設業界におけるプロフェッショナルな技術者を認定するもので、その業務は建設プロジェクトの品質、コスト、スケジュール、安全性、そして環境への配慮を総合的に管理することにあります。この資格は全部で7種類あります。1級と2級に分かれており、それぞれに異なる資格要件と試験内容が設定されています。

1.建築施工管理技士

建築施工管理技士の資格は、様々な種類の建築物(マンション、住宅、商業施設、オフィスビルなど)の建設工事を適切に管理し、品質、コスト、スケジュール、安全、環境といった各面を総合的に監督するための専門知識と技能を認定するものです。この資格試験は、一般財団法人建設業振興基金によって実施されています。

2.土木施工管理技士

土木施工管理技士は、インフラプロジェクト(道路、橋、水道、河川、トンネルなど)の実施に不可欠な資格です。この資格は、一般財団法人全国建設研修センターが主催する試験によって認定され、資格保有者は施工計画の立案から現場管理までの重要な業務を担当します。保有する級のレベルに応じて、特定の土木プロジェクト分野での責任者としての役割も果たすことができます。

3.電気工事施工管理技士

電気工事施工管理技士は、一般財団法人建設業振興基金が実施する試験に合格することで取得できる、照明や送電設備などの電気工事資格です。資格保有者は、級に応じて発電や変電、非常用電源設備などの工事の責任者として業務に従事することができます。


4.管工事施工管理技士

管工事施工管理技士は、ガス配管、ポンプ、空調などの配管工事資格で、一般財団法人全国建設研修センターの試験に合格することで取得できます。この資格を持つ者は、給排水や空調機器、浄化槽などの建築設備工事を担当し、資格レベルに応じて一般建設業や特定建設業で専任技術者や主任技術者として働くことができます。

5.造園施工管理技士

造園施工管理技士は、学校、公園、道路などの造園工事に関わる資格で、一般財団法人全国建設研修センターが試験を実施します。この資格を持つ者は、庭園や公園の造成における作業者の総合的な管理を行い、一般建設業や特定建設業で専任技術者や主任技術者としての役割を果たすことができます。

6.建設機械施工技士

建設機械施工技士は、多種多様な建設機械の使用に関する資格で、一般社団法人日本建設機械施工協会が試験を実施します。この資格を持つ者は、建設機械を活用した工事の計画立案、工程と安全管理を担当します。

7.電気通信工事施工管理技士

電気通信工事施工管理技士は、インターネットや携帯電話回線などの通信工事資格で、一般財団法人全国建設研修センターが試験を提供します。業務は基地局設置、LAN新設、電波障害調査などを含み、資格の級に応じて活動します。

受検資格の改正

施工管理技術検定には年齢や実務経験が受検資格として求められます。特に2級以上では実務経験が必須で、1級の資格には最低3年以上の経験が要求されてきました。

このため、この資格は業界未経験者がキャリアチェンジのために取得するものではなく、既に経験を持つ業界の専門家がキャリアアップを図るために取得する人が多数でした。

しかし、国土交通省により、令和6年に実施される施工管理技士試験の受験資格の改正が行われることになりこれは施工管理技士を目指す人には大きなチャンスです。

新しい制度では、19歳以上であれば、実務経験を積むことで、1級の施工管理技士資格を直接目指すことが可能になります。これにより、2級資格を取得するメリットは減少し、特に実務経験がある場合、直接1級の資格を目指すことが効率的となるかもしれません。

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建設業界でニーズがますます高まる

施工管理技士の資格は建設業界で高い需要があり、転職に有利で、資格手当が提供される会社も多いです。資格保有者は企業にとって多くのメリットを提供します。

これには、「監理技術者」や「主任技術者」の配置が法律で必要とされ、特に大規模なプロジェクトでは「専任」技術者が必要であること、さらには施工管理技士が「専任の技術者」にもなれることが含まれます。

この資格は一般建設業では1級・2級が、特定建設業では1級が「専任の技術者」に該当し、公共工事の入札における経営事項審査では点数が加算されます。したがって、企業にとっても施工管理技士の採用は大きな利点を持っています。

まとめ

この記事では、施工管理技士の資格とそのキャリア展望に焦点を当て、建設・建築業界での重要性を解説しました。資格取得は、専門性向上につながり、発注者支援業務での活躍も見込めます。この資格を通じて、あなたのキャリアをさらに拡大しましょう。

エムエーシーでは施工管理の将来性や安定性、仕事とプライベートのバランスを考えた「発注者支援業務」の多くの実績があります。発注者支援業務に興味のある方はお気軽にご相談ください。

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