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Construction column

建設コラム

建築と土木の違いは?仕事内容や施工管理業務に必要な資格を紹介

2024.3.23

建築と土木の違いとはなんでしょうか。両方とも建物やインフラ設備の建設に関わるものですが、実は明確な違いがあるのです。今回の記事では、建築と土木の特徴や主な仕事内容、必要となる資格などについて解説します。

建築と土木の違いとは

建築と土木の違いを一言で表すと、「地面の上が建築、地面の下が土木」となります。

建築は建物を作る工事全般を指します。建物の種別や工事内容を問わず、建物に関する工事は全て建築に分類されます。また、工事に付帯するさまざまな業務も「建築」に含まれます。

  • ・建物の種別:住宅、ビル、公共施設など
  • ・工事内容:新築、増築、改築、移転など
  • ・業務内容:設計、デザイン、営業、施工

→すべて「建設」!

一方、土木は地面や地下、海、河川などを対象として、生活に必要なインフラ整備を行うことが主な業務です。

  • ・地面:道路、歩道橋、鉄道、宅地造成
  • ・地下:下水道の配管工事
  • ・海:堤防
  • ・河川:橋、ダム

 →すべて「土木」!

建築の主な仕事

建築の業務内容は幅広く、実際に建物を建てる仕事施工管理や技術)だけに留まりません。美しく機能的な建築物をデザインする「設計」や、工事の受注を獲得する「営業」など多岐に渡ります。

建築業の主な仕事とその役割について解説しましょう。

営業

営業は発注者に自社を売り込み、工事を受注することが主な役割です。発注者の要望を把握し、自社の技術分野とすり合わせを行ったうえで企画書・提案書を作成します。

営業の業務内容は業種によって異なります。ハウスメーカーの営業であれば新しくアパートやマンションを建設する土地の開発や周辺環境の調査、土地所有者との交渉を行います。公共事業を受注する建築業者であれば、官公庁が発注する工事の入札に参加し、情報収集や申請書類の準備等を行います。

営業が工事を受注できなければ、他の部署の仕事はありません。営業は発注者や土地の所有者と会社とのパイプ役として、受注獲得を目指す非常に重要な役割を担っているのです。

設計

工事を受注したら、次に設計や図面作成に取りかかります。設計は主に以下の3種類に分かれます。

  • 構造設計:建物に耐久性、安全性を持たせるのが主な業務です。建築物や設備の重量や耐震性、耐火性などを考慮して、安全な建物を設計します。
  • 意匠設計:建物にデザイン性、機能性を持たせるのが主な業務です。発注者の要望やコンセプトに合わせて、建物の外観や内部のデザインを考えます。
  • 設備設計:電気、ガス、給排水、空調といったインフラ周りの設計を担当します。単にインフラ機能を整えるだけではなく、省エネやランニングコストにも配慮する必要があります。

施工管理

いわゆる「現場監督」です。工事の計画書の作成や人員・資材の調達といった業務に従事します。実際に工事現場を巡回し、工事の進捗状況の確認や調整、安全管理を行うことも重要な業務です。

施工管理の業務や必要な資格については、後ほど詳しくご紹介します。

技術

実際に建物を建築する職種を指します。建物の最終的なできばえを左右する、技術と体力を要する重要な仕事です。

技術職の例

  • ・大工
  • ・とび職
  • ・配管工
  • ・電気工事士

土木の主な仕事

建築業と同じく、土木にも営業、設計、施工管理の仕事があります。それに加え、土木に分類される工事は非常に多岐に渡り、仕事内容が大きく異なります。

土木における主な工事と、その仕事内容をご紹介しましょう。

道路工事

道路の開設や改良を行います。通行や運輸などインフラに関係するだけではなく、街の美観に大きな影響を与えるため、耐久性や機能性だけではなく、見た目を美しく仕上げることも重要です。

基礎工事

建物を造るのは建築の仕事ですが、建物を建てるための土台作りは土木の範疇です。

このような工事を「基礎工事」、「土地造成工事」といいます。土地の状態や使用目的に合わせて土地をならし、整えるのが主な仕事です。

河川・海岸工事

河川や海岸での水害を防ぐための工事です。堤防の設置や修繕、海岸の耐震工事などを行います。

ダム建設工事

水害の防止や貯水の利用を目的としたダムを建設する仕事です。建設予定地の調査や設計、資材搬入のための道路整備、掘削を行い、ダムを造り上げます。

トンネル工事

地下や海底、山を掘削し、トンネルを造ります。岩盤に穴を掘って(削孔)爆薬を入れて岩盤を砕き、砕かれた土砂を運び出します。その後、コンクリートや鉄骨などでトンネルの補強を行います。

橋梁工事

橋を建設する仕事です。まずは地中に橋を支える基礎を作り、橋脚、橋桁、道路の順に建設します。

日本は山や川が多く起伏に富んでいるため、橋梁工事が非常に盛んです。現在日本には約73万の橋梁があり、修理や更新といった施工を必要としているところも多いことから、土木工事の中でも特にニーズが高いといえます。

建築と土木における施工管理業務の違い

建築と土木は同じ建設業として、類似した業務も多く見られます。その中から「施工管理」に焦点を当てて、建築と土木の違いを見ていきましょう。

仕事内容

先述の通り、建築と土木では携わる工事が異なりますが、施工管理という点では仕事内容はほぼ同じです。

施工管理の主な仕事は以下の4つです。

  仕事の目的    主な仕事内容
工程管理工事を「予定通りに」行う工事スケジュールの作成
人材の手配
進捗状況の確認と調整
品質管理工事を「高品質で」行う作業内容の確認
安全管理工事を「安全に」行う現場の安全確保
安全指導
原価管理工事を「できるだけ低コストで」行う材料の調達
工事費の管理

施工管理は、工事を「予定通りに」、「高品質で」、「安全に」、「できるだけ低コストで」行うための管理と調整を行う、非常に重要な役どころといえます。

必要な資格

施工管理者にとって最も重要な資格は「施工管理技士」です。施工管理技士は国家資格の一つで、携わる業種によって以下の6種類に区分され、それぞれ1級、2級があります。

  • 建築施工管理技士
  • 土木施工管理技士
  • 建設機械施工技士
  • 電気工事施工管理技士
  • 管工事施工管理技士
  • 造園施工管理技士

無資格でも施工管理業務に携わることは可能ですが、有資格者であれば規模の大きいプロジェクトに関われる、主任技術者や監理技術者といった重要なポジションにつけるなど優遇されます。

他にも以下のような資格があると有利です。

建築の施工管理業務において有利になる資格

資格名    内容管轄・運営主体
建築士建築物の設計および工事監理を行う専門家であることを示す資格国土交通省
(国家資格)
宅地建物取引士不動産取引の専門家であることを示す資格国土交通省
(国家資格)
不動産鑑定士不動産鑑定・評価の専門家であることを示す資格国土交通省
(国家資格)
コンクリート診断士コンクリートの劣化状態を診断するための調査、測定、評価に関する知識を有していることを認定する資格日本コンクリート工学会
(民間資格)

土木の施工管理業務において有利になる資格

資格名内容管轄・運営主体
技術士(建設部門)科学技術に関する計画、研究、設計、分析、試験、評価とそれらを指導できる能力があることを認定する資格文部科学省
(国家資格)
コンクリート診断士コンクリートの劣化状態を診断するための調査、測定、評価に関する知識を有していることを認定する資格日本コンクリート工学会
(民間資格)
コンクリート技士コンクリートの製造や施工に伴う技術や知識があることを認定する資格公益法人日本コンクリート工学会
(民間資格)
測量士測量技術に関する知見がることを認定する資格国土地理院
(国家資格)

就職先

建築と土木の施工管理技士の就職先としては、以下のようなものが上げられます。

建築施工管理技士    ・ゼネコン ・建築会社 ・工務店 ・建築設計事務所 ・ハウスメーカー ・リフォーム会社 ・ディベロッパー ・不動産管理会社 ・発注者支援業務
土木施工管理技士・ゼネコン ・建設コンサルタント ・インフラ系の会社(橋梁、トンネル、水道設備など) ・公務員 ・発注者支援業務

いずれも知識や技術を最大限に生かした職種に就職可能です。あえて違いを述べるのであれば、建築施工管理技士の方が民間企業に就職できる可能性が高く、選択肢が多いといえます。

公共事業に携わりたいと考えている人にとっては、建築・土木とも魅力的な業種です。

まとめ

建築と土木の違いについて解説しました。簡単にまとめると、建築は地面の上の建物、土木は地面の下の土台やインフラ整備を対象とした職種です。

いずれも人の生活に必要不可欠であり、今度も高いニーズが期待できます。その中でも「施工管理」は現場監督として工事の管理を行い、作業員をまとめ上げる重要な仕事です。

施工管理の仕事に興味のある方には、「発注者支援業務」もおすすめです。発注者支援業務は、公務員に代わって発注者の業務(資料作成や施工管理)などを行う仕事です。発注者支援業務は大規模な公共事業に関われるため、社会的意義ややりがいを感じられます。公務員に準じた働き方ができ、仕事だけではなくプライベートも充実させることができる点も大きな魅力です。

建築、土木に関わらず、建設業界は現在好景気を迎えています。「建設業界で大きな仕事をしたい」、「好待遇の仕事をしたい」と考えている方は、発注者支援業務を検討してみてはいかがでしょうか。

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