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Construction column

建設コラム

施工管理と現場監督の仕事内容は違う?資格の有無で収入はどう変わる?

2024.6.26

施工管理と現場監督は、どちらも建設工事の現場で円滑な工事を進めるために、工程の進捗や、品質・安全など全体を管理・監督する仕事です。

では、施工管理と現場監督は、実務上の仕事内容や責任の重さはどう違うのでしょうか

また、収入に違いはあるのでしょうか。

今回の記事では、施工管理と現場監督の仕事内容の違い、施工管理技士資格の有無による収入の違い、将来性について解説します。

これから施工管理の仕事に就きたいと考えている場合は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること

  • 施工管理と現場監督の仕事内容の違い
  • 施工管理と現場監督で呼び方が違う理由
  • 施工管理技士資格の有無で年収はどう変わるのか

施工管理と現場監督の仕事内容の違い

仕事内容は、施工管理に求められる五大管理(品質・原価・工程・安全・環境)のほかに、業者や施主との打ち合わせ、部下の教育、問題解決など多岐にわたります。

メインである五大管理の業務内容は次のとおりです。

Q(Quality)品質管理

設計図から、職種ごとに作成した施工図を元に現場へ作業の指示を出します。

工程ごとに検査記録や写真をまとめ、品質を管理、記録します。

工事を進める上で変更が発生したら、設計図や施工図を修正し、共有するのも重要な業務の一つです。

C(Cost)原価管理

実行予算書を作成し、原価と利益のバランスを意識しながら、人員・資材・機材を調達します。

設計図や施工図の変更時は、予算書も見直しが必要です。

D(Delivery)工程管理

作業する人員・資材・機材をそれぞれ最適な時刻に搬入するよう段取りをする重要な業務です。

週ごとに工程表を作成し、進捗を管理します。

納品まで時間がかかる資材は、搬入日から逆算して発注する必要があり、経験を積むまではプレッシャーに感じる業務の一つです。

S(Safety)安全管理

建設現場が日々変化する中で安全ルールを徹底させる仕事です。

具体的には安全帯の使用呼びかけ、機械の定期点検、雇用体制などの労務管理や、作業手順書や安全書類の作成も業務に含まれます。

E(Environment)環境管理

環境管理は、次の3つの環境を管理します。

・自然環境:現場周辺の地盤、空気、水、森林、土壌などを汚染・破壊しない
・周辺環境:騒音・振動・粉塵・排気ガスなどで近隣に迷惑をかけない
・職場環境:過重労働や熱中症の予防など、作業員が働く環境を整える

以下のコラムでは、施工管理の労働環境や業務の効率化についてさらに詳しく解説しています。併せて参考にしてください。

施工管理の仕事内容|わかりやすく労働環境や業務効率化の方法も解説します。

施工管理と現場監督、呼び方が違うのはなぜ?

施工管理と現場監督のように、仕事内容は同じであるにもかかわらず、呼び方が違う仕事は珍しくありません

例えば、教師と先生、会社員とサラリーマンなどです。

施工管理の仕事は、昭和58年に施工管理技士という国家資格ができました。

それに伴って施工管理という名称の求人が増え、一般的になったと思われます。

したがって、国家資格ができる前から建設業界にたずさわっていた人は、現場監督と呼ぶ傾向にあります。

また「監督」は呼びやすい役職名なので、今後も使われることが多いでしょう。

他にも、以下のように施工管理と現場監督を使い分けているケースがあります。

会社による

会社によって、どちらかに統一、または区別している場合があります。

・古くからある会社は現場監督
・「施工管理技士」が国家資格化した後に創業した会社は施工管理

または、

・現場の管理だけ行う人を現場監督
・書類仕事も含めて現場を管理する人は施工管理

などです。

現場監督が現場の管理だけ行うケースとしては、会社の規模が大きく、事務作業は別の担当者がいる場合が考えられます。

建設現場の規模

国土交通省の「技術者制度の概要」によると、工事の請負金額が4,000万円(建築一式工事の場合は8,000万円)以上の場合、現場ごとに、専任の主任技術者を配置しなくてはいけません

専任の主任技術者とは、2級以上の施工管理技士を指します。

・一定規模以上の建設現場を監督する人を施工管理
・規定を下回る現場を監督する人を現場監督

このように、建設現場の規模で呼び方を区別するケースもあります。

資格の有無

施工管理技士の資格を持っているかどうかで、以下のように呼び方を変えることもあります。

・施工管理技士の資格を保持する人を施工管理
・施工管理技士の資格を持たない人を現場監督

転職するなら施工管理(現場監督)の資格は必要か

現場監督の仕事につきたい場合、施工管理技士の資格は必須ではありません

そもそも施工管理技士の資格を取得するために、一定以上の実務経験が必要なので、実務をやりながら勉強して資格を取るのが一般的です。

実際の求人情報を見てみると、資格の有無で募集している仕事内容や責任の重さに違いがあることがわかります。

施工管理の求人

施工管理と書かれている求人は、すでに施工管理技士の資格を保持していることが要件の場合が多く、大規模な建設現場を請け負う求人が目立ちます。

現場の規模や責任の重さ、既に一定以上の経験が期待されていることから、年収も高めです。

現場監督の求人

現場監督と記載されている求人は、資格保持が必須ではないことも珍しくありません。

要件としては「○年以上の実務経験」など、資格の代わりに現場監督の実務経験が求められる傾向にあります。

未経験でも現場監督になれるのか

全くの未経験から施工管理の仕事に就くことも可能です。

アシスタント・見習い・補佐の名称で募集されています。

経験を積み、いずれ施工管理技士の資格を取得予定とアピールすれば採用につながりやすくなります。

建設現場で業務経験がある場合は、経験年数や図面が読めるなどのスキルを求められます。

見習いのうちは膨大な管理業務の中から、写真管理など新人ができるものを任され、だんだんと経験に応じて仕事が増えていきます

施工管理技士資格の有無で年収はどう変わるのか

令和5年9月に発表された、国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収は458万円、建設業の平均年収は529万円です。

施工管理の情報サイト「セコカンプラス+」によると、登録している施工管理18,277人のデータを集計した結果、2024年6月24日現在の平均年収は約624万円前後でした。

実際の求人情報を見てみると、最低年収が次のとおりです。

・1級施工管理技士の年収は500万円から
・2級施工管理技士の年収は400万円から
・無資格の場合は350万円から

転職後は経験年数や会社の規模、現場の種類や場所などに応じて収入が上がっていきます

施工管理技士の将来性

2013年にオックスフォード大学が「今後10~20年以内に労働人口の47%が機械に代替可能である」との予測を発表しました。

当時は誰もが大げさだと思いましたが、10年以上たった2024年現在、AIの浸透を実感している人も多いと思います。

ファミレスではウェイトレスの代わりにロボットが配膳し、コンビニやスーパーではセルフレジも見慣れた光景になってきました。

では、建築現場や施工管理の仕事はどうでしょうか。

AIはあらかじめプログラムされた範囲内の仕事が可能なので、工程や品質など数字で管理しているものを扱うのは得意です。

安全実験でも既にAIが導入され、今後は重機の自動運転なども予想されています。

一方、施工管理に求められる能力としては、コミュニケーション能力とリーダーシップが重要とされており、AIの最も苦手とする部分です。

さらに、2020年に帝国データバンクが行なった調査によると、建設業は今後人手不足になる業界のトップでした。

引用:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2020年7月)」

実際、建設業に携わる人口の約3割が55歳以上である一方で20代は約1割と、高齢化が進んでいます。

さらに、今後も建設ラッシュが見込まれます。

・昭和56年(新耐震基準)以前に建てられた旧耐震基準の建築物の老朽化
・大阪万博やリニア中央新幹線計画などの大事業
・年々増えつつある自然災害の復旧工事

これらの理由から、施工管理は非常に将来性のある仕事といえます。

以下のコラムで、建設業でAIが導入される例を詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

施工管理はなくなる?AIの登場によって見えてきた建設業界の将来性

まとめ:施工管理の仕事に興味がある場合は一度MACにご相談ください

施工管理と現場監督の仕事は、同じ仕事内容です。

未経験でも問題なく転職が可能で、働きながら経験を積み、資格を取得することで年収アップにつながります。

今後は、人口構造の変化や建設業界の労働力人口の減少から、施工管理のスキルはさらに求められると予想できます。

現在の建設業に従事する3割が55歳以上であることを考えると、ベテランが多く厳しい印象を持たれるかもしれません。

しかし、あらゆる局面や状況を乗り越えてきた知識や経験を持つ先輩から多くのことを学ぶチャンスでもあります。

現状をプラスに考えて行動に移すことで、数年後のスキルや収入が変わります

転職を考えているのに踏み切れない場合は、ぜひ一度悩みを相談してみてください。

当社MACでは、全国の発注者支援業務の転職に関わる相談を受け付けています。

転職について悩んでいる場合は、以下のLINE窓口からお気軽にご相談ください。

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