Construction column
建設コンサルタントとは?仕事内容や必要な資格について分かりやすく解説
2023.2.25
人前に出ることは少ないものの、私たちの生活に欠かせない道路やダムの設計に大きく関わる建設コンサルタントの仕事。
この記事では、言葉は見聞きしたことあるけど実際どんな仕事をしているのかいまいち分からない、という方向けに建設コンサルタントについて説明します。
建設コンサルタントに求められるスキル、持っていると便利な資格も併せて紹介しているので、興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
この記事のポイント
- 建設コンサルタントの仕事内容
- 建設コンサルタントの年収
- 建設コンサルタントに必要な資格
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目次
建設コンサルタントとはどんな仕事をするの?
建設コンサルタントは、建設や整備の工事が着工する前段階の業務を担う位置にあり、工事の発注者(クライアント)に社会資本の設計や計画立案などを提案する仕事です。
国や自治体が新しくダムや道路を作るとなっても、彼らには専門的知識がないので、自分たちで設計案を作ることができません。
そこで、建設コンサルタントに現地の調査を行ったうえで、工事の企画・設計案を作成してもらうように依頼をします。
そうして建設コンサルタントに作成してもらった設計案を元に、ゼネコンなどに工事の依頼をするという流れになっています。
現場によっては着工後も工事が設計案通りに進むように、建設コンサルタントが管理する場合もあります。
建設コンサルタントの年収
一般的な建設コンサルタントの年収は、約400万~700万円です。
新卒や未経験からのスタートの場合、年収は300万~400万円程度が一般的ですが、経験を積むにつれて給与も上がり、10年以上のキャリアを持つと年収は500万~800万円ほどに達することも。
また、管理職や専門性の高い資格を持つ人は、1,000万円を超えるケースもあります。
以下の記事で、より詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
建設コンサルタントの平均年収は?年収が高い理由や上げる方法を解説
建設コンサルタントの仕事は忙しい?
上記での説明だけですと、オフィスでの作業が多いのか?と思われた方もいるでしょう。
建設コンサルタントの勤務時間は、クライアントである国や自治体のスケジュールに合わせて9:00〜18:00が多いです。
しかし、建設コンサルタントの仕事は忙しいと言えます。
なぜならば、現地調査やデータ収集などを行いながらクライアントだけでなく関連組織との打ち合わせなどもあるので、1日中予定が詰まっていることも稀ではないからです。
工事規模が大きい案件ほど、調査する範囲や打ち合わせ内容も多くなってくるので、オフィスを行き来したり、連日の残業が続くことも。
特に忙しくなると言われているのが、自然災害が起きた時です。
医療物資を早く届けるため、2次災害の被害を少しでも減らすために早めの復旧工事が求められます。
このような時には、現地の避難所や仮設プレハブなどに泊まり込みながら作業を行います。
建設コンサルタントの仕事がきついと言われる理由として、以下も参考にしてみてください。
建設コンサルタントはどんなやりがいがある?
業務の多い建設コンサルタントですが、下記のようなやりがいを感じられることからこの仕事が好き、という人も多いようです。
社会へ貢献できる
仕事柄、国民の生活を支える道路や橋、ダムなどのインフラに携わる業務がほとんどです。
工事を行うことで近隣住民の人たちが更に住みやすくなった、物流関係が改善されたなどの声を聞くと社会へ貢献できていると感じることが多いようです。
他にも、防波堤の設置や護岸整備によって自然災害の被害が軽減できた、ということもありますよね
そういった時には、特にこの仕事のやりがいを感じるのではないでしょうか。
結果が形として残る
建設コンサルタントは土地の調査から設計案の作成まで、何もない状態からのものづくりを始めているので、工事が完了した時には達成感をより感じることでしょう。
自分が設計したものなら愛着も湧きやすく、地図に載ることも。
そういった結果が目に見えて、形となって残るので仕事を続けるモチベーションにつながります。
数字で結果が現れる時とは、また違ったやりがいを感じることができるでしょう。
将来性がある
日本は地震や豪雨による自然災害などが多い国であるがゆえに、定期的にリニューアル工事が必要です。
また、リニア新幹線の開設に向けてますます道路やトンネルなどの設置が見込まれます。
私たちの生活を支えている大きな仕事だからこそ急に仕事が無くなることがなく、需要価値も益々高まっていきます。
これから建設コンサルタントを目指して、知識や実績を積むことは決して遅くはありません。
建設コンサルタントはこんな性格の人に向いている
それではどんな性格の人が建設コンサルタントの仕事に向いているのかを見ていきましょう。
向上心がある人
建設コンサルタントは、職に就いてから毎日が勉強の日々です。
工事や設計に関する知識以外にも経済的な知識、道路交通法に関する知識、時には政治などの日本情勢の知識が必要になる時があります。
業務をこなすことで自然と学べる機会も増えると思いますが、自分から進んで知識を得ようとする向上心や積極性があると、次の依頼確保やさらなるキャリアアップにもつながります。
相手に寄り添って解決をしようとする人
クライアントである国や自治体は専門的知識が少ないだけでなく、自分たちが抱えている問題や課題が解決できないからこそ、第三者である建設コンサルタントに依頼をします。
建設コンサルタントからすれば簡単な課題に見える場合も、クライアント側からしたらそうではないこと、そもそもの問題点が分からない時もあるので注意が必要です。
どのような状況でも建設コンサルタントは客観的かつ、クライアントの要望に寄り添った解決策を見つけ出す必要があります。
責任感がある人
建設コンサルタントの仕事は1つ1つの案件の規模が大きく、将来何百人・何千人もの人々に影響を与えるからこそ、一般的な職業に比べるとより責任感が強い仕事と言われています。
タイトなスケジュールが続くと手を抜いてしまいたくなる人がほとんどです。
そんな時にも、責任感を持って仕事をする姿勢が建設コンサルタントには求められます。
建設コンサルタントに向いている人の特徴については、以下の記事でもチェックしてみてください。
建設コンサルタントに向いている人の特徴は?有利になる学部や資格についても解説
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建設コンサルタントになるために必要な資格とは
実は建設コンサルタントになるために絶対的に必要な資格はありません。
しかし、以下の資格を取得することで、建設コンサルタントとして採用してもらえる可能性が高まりますので、ぜひ取得を検討してみてはいかがでしょうか。
RCCM
RCCMとは「Registered Civil Engineering Consulting Manager」の略で、建設業界の29種類の枠において土木工事関連の専門技術の有資格者のことを指す民間資格です。
RCCMの試験を受けるには最終学歴によって5年〜10年ほどの実務経験が必要ですので、受験を考えている人は自分がどれくらいの実務が必要なのかは確認しておきましょう。
技術士
技術士は、計画・調査・設計などの技術力を証明する称号です。
この資格保有者は、技術コンサルタントとして技術者を指導できます。
技術士の資格は1次試験と2次試験両方に合格することで得られる資格で、1次試験に合格すると「技術士補」の資格を得られます。
2次試験を受けるには「技術士補」として実務経験が必要になってくるので、早い段階で1次試験を受験することがおすすめです。
建築士
建築士は主にマンション、オフィスビルなどの建物を設計し、建築工事を監督する国家資格です。
道路やトンネルを扱う建設コンサルタントの仕事とは一見異なりますが、建築士が作成した図面を建設コンサルタントが監修することもあります。
そのような時に活かせるのが建築士の資格です。
決して簡単に取得できる資格ではありませんが、興味がある人はぜひ挑戦してみてください。
建設コンサルタントを取り巻く環境の変化
建設コンサルタントを取り巻く環境の変化として、以下3つを紹介します。
働き方改革への対応
引用:国土交通省
2024年4月より建設業界では働き方改革関連法が施行され、時間外労働に上限が設けられました。
月45時間・年360時間を超える時間外労働が原則禁止となり、長時間労働が多いとされる建設業界には大きな影響を及ぼしています。
労働時間を削減しながら効率的に業務を進めるには、業務プロセスの見直しや業務の効率化が不可欠です。
加えて、デジタルツールの導入が急務とされ、例えば業務の進行管理を自動化するツールの活用が進んでいます。
賃上げ要求への対応
日本政府は建設業界全体に対して5%以上の賃上げを求めており、建設コンサルタント業界もその対応を求められています。
近年の人材不足が深刻化していることから、企業が魅力的な労働環境を整えることで優秀な人材を確保することが重要です。
大林組や大成建設といった大手企業では既に賃上げが実施されており、他の企業にも同様の流れが広がっています。
賃上げは企業にとってコスト増となりますが、労働環境改善や給与面での競争力が上がれば、採用難の緩和と社員の定着率向上にもつながるでしょう。
デジタル化の推進
建設業界ではデジタル化が急速に進んでおり、特にBIM(Building Information Modeling)といったデジタル技術の導入が重要視されています。
BIMは、建築物の3次元デジタルモデルに多くの建築情報を統合的に組み込んで管理するシステムのこと。
BIMを活用することで、設計から施工までのデータが一元管理され、業務の効率化やリスクの低減が図れるでしょう。
また、働き方改革の一環としてデジタルツールの導入は必須で、データの共有や進行管理を自動化することにより、無駄な作業を削減し、プロジェクト全体の生産性を向上させることが期待されています。
デジタル化は生産性向上のキーポイントとなるだけでなく、より高度なサービス提供や新たなビジネス機会を創出する可能性も秘めています。
建設コンサルタントにまつわるFAQ3選
建設コンサルタントにまつわるFAQ3選として、以下をピックアップしました。
建設コンサルタントはやめとけと言われる理由は?
「建設コンサルタントはやめとけ」と言われる理由には、業界特有の厳しい労働環境が挙げられます
長時間労働や納期に追われるプレッシャーが原因となり、仕事に対するハードルが高いと感じる人もいるでしょう。
また、プロジェクトの規模が大きく、責任も重大なため、経験を重ねるまでは仕事をこなすための高いスキルと体力が求められます。
しかし、近年は働き方改革やデジタル化の進展により、労働環境は改善されつつあります。
厳しい一方で、社会インフラを支えるやりがいが感じられるため、長期的なキャリアとして考える人も増えています。
建設コンサルタントはいらないって本当?
「建設コンサルタントはいらない」という意見があるのは、ゼネコンや設計事務所が自社で設計から施工まで行うケースが増え、外部コンサルタントが必要とされない場面もあるためです。
しかし、実際には建設コンサルタントは専門的な知見と技術に基づき、複雑なプロジェクトの計画や設計、技術的なアドバイスを提供する存在として依然と重要な役割を担っています。
特に大規模なインフラ整備や都市開発などの分野では、環境保護や災害対策といった観点も含めて、専門家のサポートが不可欠です。
効率性と高い品質が求められる現場において、建設コンサルタントの需要は根強く残っています。
建設コンサルタントとゼネコンの違いは何?
建設コンサルタントとゼネコン(総合建設業)の違いは、その役割と業務内容にあります。
建設コンサルタントはプロジェクトの計画・設計・調査段階を主な業務とし、プロジェクトが効率的かつ安全に進められるよう支援する役割を果たします。
一方で、ゼネコンは実際の施工を担当し、計画に基づいて建物やインフラを形にする役割を持ちます。
例えば、道路の建設では、コンサルタントが地質や環境を調査し、設計を行った後、ゼネコンがその設計をもとに実際の工事を進めます。
両者は役割が異なるものの、プロジェクトの成功には両方が細かく連携することが欠かせません。
建設コンサルタントとゼネコンの違いは、以下の記事でより詳しく解説しています。
まとめ
建設コンサルタントは国と国民の中立的な立場から業務をこなす仕事なので、最初は戸惑うこともたくさんあるでしょう。
しかし、その分多くの人から感謝され、必要とされる存在です。
この先も建設業界に関わりたいと思っている人は、ぜひ上記で説明した資格の取得を目指してみてください。
年齢は関係ありませんので、既にそれなりに実務経験を積んでいる人こそ挑戦する価値のある仕事です。
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