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Construction column

建設コラム

【2023年版】国土交通省のインフラDXとは?分野推進のための策定プランと基礎知識について

2023.9.30

デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉は、今や私たちの日常に浸透し、既に4年以上が経過しています。建設業界のような人材不足や老朽化したインフラ設備といった課題に対処するため、DXはデジタル技術の導入を通じて生活の質を向上させる取り組みを強化しています。

国土交通省は、特にインフラ分野におけるDXの推進に焦点を当て、その取り組みを本格化させています。この記事では、インフラDXの基本的な概念から、国土交通省の3つのアクションプランに至るまで、詳細に解説いたします。

我々は、各種手続きや整備、申請手続き、政策、そして最新の統計情報といった、国土交通省が公式ウェブサイトや報道で発表・紹介した情報をもとに、インフラDXの進展を探ります。

インフラDXとは?

インフラDXは、建築、土木、発電所など、社会基盤および公共サービス分野において、デジタル技術の活用を通じて変革を実現する取り組みを指します。

このアプローチは、これまでにアナログな技術や人力に依存していた業務を効率化し、エネルギーの節約、コストの削減、サービス品質の向上を目指しています。

インフラDXでは、IoT(Internet of Things)、AI(Artificial Intelligence)、ビッグデータ解析などの先進技術が駆使され、これらを統合することで、インフラの運用、保守、管理の効率性を向上させるだけでなく、労働環境の改善、新たなサービスやビジネスモデルの創出を促進します。

インフラDXの具体的な事例として、以下のようなものがあります。

ダムの老朽化対策

ドローンや水中ダムロボットを活用して、点検やメンテナンスを効率化すること。

施工業務の自動化

AI技術を導入して、ブルドーザーなどの建設機械を完全自動化すること。


交通システム最適化

ビッグデータ解析を使用して、渋滞の解消や公共交通機関の運行管理を改善すること。


インフラDXは、社会インフラの品質や効率性を高め、持続可能な社会の実現に向けた重要な取り組みです。新たな技術の導入と既存のインフラシステムの革新を通じて、より安全で快適な生活環境の構築が可能となり、地域と国の発展に寄与します。

インフラDXの必要性

インフラDXの推進が必要とされる契機は、新型コロナウイルス感染症の拡大による働き方の変化でした。テレワークやオンラインサービスの需要が急増し、多くの企業が非接触型の業務スタイルを採用しました。また、日本の建設業界は人材不足など多くの課題に直面しており、これらの課題解決のためにもインフラDXの導入が喫緊の課題とされています。

日本におけるインフラDXが必要とされる理由は以下の通りです。

老朽化対策

日本のインフラ設備は高度経済成長期に整備され、老朽化が進行しています。インフラDXにより、老朽箇所の早期診断と維持管理が可能となり、安全性の確保が期待されます。

人口減少と労働力不足

日本全体が人口減少と高齢化に直面しており、これが労働力不足を引き起こしています。インフラDXの導入により自動化と効率化が進み、労働力不足の緩和が期待されます。

災害へのリスク対策

日本は地震や豪雨などの自然災害が頻発する国です。インフラDXを導入することで、リアルタイムデータ収集と分析が可能となり、災害に対する迅速な対応と事前の予防策が強化されます。

これらの理由から、インフラDXの導入は日本において不可欠であり、デジタル技術の積極的な活用によって、インフラ設備の品質向上と効率化が推進されるべきです。

インフラDXの3つのアクションプラン

インフラ分野のDXの全体像(引用元:国土交通省「インフラ分野のDXアクションプラン」

国土交通省は、インフラDXの推進のために2022年3月に3つのアクションプランを策定しました。以下で、それぞれのアクションプランについて詳しく説明します。

1)行政手続きのデジタル化

行政手続きのデジタル化は、従来の紙ベースや対面で行われていたインフラ関連の手続きをオンラインで完結できるようにすることを目指します。これにより、手続きが簡素化され、迅速に実行できるようになります。また、リモートワークや非接触型の手続きも促進され、新しい働き方にも適応します。デジタル化により、申請時間の短縮、コスト削減、環境負荷の軽減、情報共有の容易化など、多くのメリットが期待されます。デジタルデータの活用により、情報共有がスムーズに行え、関係者間の連携も向上します。これにより、事業運営の効率化や持続可能な社会インフラの整備に貢献するでしょう。

2)情報の高度化およびその活用

デジタルDXの導入により、正確でリアルな情報の共有が可能になります。3次元データ(BIMやCIM)の流通促進、XR(クロスリアリティ)やWEB会議システムの活用、インフラデータの公開と活用などが推進されます。これにより、効果的な情報伝達や広報活動が可能になり、災害時の迅速な対応が期待されます。例えば、避難行動の支援、被災地の状況解析、ドローンによる確認などが挙げられます。情報の高度化およびその活用は、業務の効率化だけでなく、国民の安全性を向上させ、災害時の対応や被災地の復興を支援します。

3)現場作業の遠隔化・自動化・自律化

現場作業の遠隔化、自動化、自律化は、インフラDXの中でも最も注目される取り組みです。これにより、建設業界の労働力不足が克服されます。例えば、機械やロボットの活用により、人手不要の現場作業が実現します。AIを活用して機械が状況を判断し、適切な行動を取ることも可能です。施工管理、出来高確認、災害復旧、点検などが機械やロボットによって行えるようになり、作業現場での作業員不足を補完し、安全性と生産性を向上させます。技術基準の標準化、環境開発、プラットフォームの整備により、負荷軽減と労働力不足の解消が期待されます。

まとめ

建設業界は、インフラDXの導入により大きく変革する過程にあります。長時間労働や過酷な労働環境から、最新技術を活用した働きやすい職場への転換が進行しています。インフラ整備の仕事に興味を持つ方にとって、「発注者支援業務」も魅力的な選択肢です。これは国や自治体、官公庁が発注する公共事業の発注業務をサポートする仕事で、年間休日や勤務時間が安定しており、安定性のある職業です。

建設業界が大きく変わる中で、インフラDXの推進に貢献する「発注者支援業務」も、検討対象に入れてみてはいかがでしょうか。

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