建設コンサルタントとはどんな仕事?資格はいるの?
人前に出ることは少ないものの、私たちの生活に欠かせない道路やダムの設計に大きく関わる建設コンサルタントの仕事。この記事では、言葉は見聞きしたことあるけど実際どんな仕事をしているのかいまいち分からない、という方向けに建設コンサルタントについて説明します。
建設コンサルタントに求められるスキルやあると便利な資格も併せて紹介しますので、興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
目次
建設コンサルタントとはどんな仕事をするの?
建設コンサルタントは、建設や整備の工事が着工する前段階の業務を担う位置にあり、工事の発注者(クライアント)に社会資本の設計や計画立案などを提案する仕事です。
国や自治体が新しくダムや道路を作るとなっても、彼らには専門的知識がないので、自分たちで設計案を作ることができません。そこで、建設コンサルタントに現地の調査を行ったうえでの工事の企画・設計案を作成してもらうように依頼をします。
そうして建設コンサルタントに作成してもらった設計案を元に、ゼネコンなどに工事の依頼をするという流れになっています。現場によっては着工後も工事が設計案通りに進むように建設コンサルタントが管理する場合もあります。
建設コンサルタントの仕事は忙しい?
上記での説明だけですと、オフィスでの作業が多いのか?と思われた方もいるでしょう。建設コンサルタントの勤務時間は、クライアントである国や自治体のスケジュールに合わせて9:00〜18:00が多いです。
しかし、建設コンサルタントの仕事は忙しいと言えます。なぜならば、現地調査やデータ収集などを行いながらクライアントだけでなく関連組織との打ち合わせなどもあるので、1日中予定が詰まっていることも稀ではないからです。工事規模が大きい案件ほど、調査する範囲や打ち合わせ内容も多くなってきますので、オフィスを行き来したり、連日の残業が続くことも。
特に忙しくなると言われているのが自然災害が起きた時です。医療物資を早く届けるため、2次災害の被害を少しでも減らすために早めの復旧工事が求められます。このような時には現地の避難所や仮設プレハブなどに泊まり込みながら作業を行います。
建設コンサルタントはどんなやりがいがある?
業務の多い建設コンサルタントですが、下記のようなやりがいを感じられることからこの仕事が好き、という人も多いようです。
社会へ貢献できる
仕事柄、国民の生活を支える道路や橋、ダムなどのインフラに携わる業務がほとんどです。工事を行うことで近隣住民の人たちが更に住みやすくなった、物流関係が改善されたなどの声を聞くと社会へ貢献できていると感じることが多いようです。
他にも、防波堤の設置や護岸整備によって自然災害の被害が軽減できた、ということもありますよね。そういった時には特にこの仕事のやりがいを感じるのではないでしょうか。
結果が形として残る
建設コンサルタントは土地の調査から設計案の作成まで、何もない状態からのものづくりを始めているので、工事が完了した時には感動、達成感をより感じることでしょう。
自分が設計したものなら尚更愛着もありますし、地図に載ることもあるでしょう。そういった結果が目に見えて、形となって残るので仕事を続けるモチベーションに繋がります。数字で結果が現れる時とはまた違ったやりがいを感じることができます。
将来性がある
日本は地震や豪雨による自然災害などが多い国であるがゆえに、定期的にリニューアル工事が必要です。また、リニア新幹線の開設に向けてますます道路やトンネルなどの設置が見込まれます。
私たちの生活を支えている大きな仕事だからこそ急に仕事が無くなることがありませんし、需要価値も益々高まっていきます。ですので、これから建設コンサルタントを目指して知識や実績を積むことも決して遅くはありません。
建設コンサルタントはこんな性格の人に向いている
それではどんな性格の人が建設コンサルタントの仕事に向いているのかを見ていきましょう。
向上心がある人
建設コンサルタントは、職に就いてから毎日が勉強の日々です。工事や設計に関する知識以外にも経済的な知識、道路交通法に関する知識、時には政治などの日本情勢の知識が必要になる時があります。
業務をこなすことで自然と学べる機会も増えると思いますが、自分から進んで知識を得ようとする向上心や積極性があると次の依頼確保や更なるキャリアアップにもつながります。
相手に寄り添って解決をしようとする人
クライアントである国や自治体は専門的知識が少ないだけでなく、自分たちが抱えている問題や課題が解決できないからこそ、第三者である建設コンサルタントに依頼をします。
建設コンサルタントからすれば簡単な課題に見える場合も、クライアント側からしたらそうではないこと、そもそもの問題点が分からない時もあるのです。
どのような状況でも建設コンサルタントは客観的かつ、クライアントの要望に寄り添った解決策を見つけ出す必要があります。
責任感がある人
建設コンサルタントの仕事は1つ1つの案件の規模が大きく、将来何百人・何千人もの人々に影響を与えるからこそ、一般的な職業に比べるとより責任感が強い仕事と言われています。
タイトなスケジュールが続くと手を抜いてしまいたくなる人がほとんどです。そんな時にも責任感を持って仕事をする姿勢が建設コンサルタントには求められます。
建設コンサルタントになるために必要な資格とは
実は建設コンサルタントになるために絶対的に必要な資格はありません。しかし、以下の資格を取得することで、建設コンサルタントとして採用してもらえる可能性が高まりますので、ぜひ取得を検討してみてはいかがでしょうか。
RCCM
RCCMとは「Registered Civil Engineering Consulting Manager」の略で、建設業界の29種類の枠において土木工事関連の専門技術の有資格者のことを指す民間資格です。
RCCMの試験を受けるには最終学歴によって5年〜10年ほどの実務経験が必要ですので、受験を考えている人は自分がどれくらいの実務が必要なのかは確認しておきましょう。
技術士
技術士は、計画・調査・設計などの技術力を証明する称号と言われており、科学技術分野で最高位の国家資格とされています。この資格保有者は技術コンサルタントとして技術者を指導する立場になることができます。
技術士の資格は1次試験と2次試験両方に合格することで得られる資格で、1次試験に合格すると「技術士補」の資格を得ることができます。2次試験を受けるには「技術士補」として実務経験が必要になってくるので、早い段階で1次試験を受験することをおすすめします。
建築士
建築士は主に住宅はマンション、オフィスビルなどの建物を設計し、建築工事を監督する国家資格です。
道路やトンネルを扱う建設コンサルタントの仕事とは一見異なりますが、建築士が作成した図面を建設コンサルタントが監修することもあります。そのような時に活かせるのが建築士の資格です。
決して簡単に取得できる資格ではありませんが、興味がある人はぜひ挑戦してみてください。
まとめ
いかがでしたか?建設コンサルタントは国と国民の中立的な立場から業務をこなす仕事なので最初は戸惑うこともたくさんあるでしょう。しかし、その分多くの人から感謝され、必要とされる存在です。
この先も建設業界に関わりたいと思っている人はぜひ上記で説明した資格の取得を目指してみてください。年齢は関係ありませんので、既にそれなりに実務経験を積んでいる人こそ挑戦する価値のある仕事です。