用地調査点検等技術業務とは?間違えやすいその他業務との違いもわかりやすく解説
- 施工管理
発注者支援業務のひとつである用地調査点検等技術業務。
用語だけ取り上げてみても、なかなか具体的な業務内容のイメージが湧きにくいかも知れません。
同じく、公共事業の業務内容である測量業務や調査業務とどのように異なるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、用地調査点検等技術業務についてわかりやすく解説するとともに、その具体的内容や魅力・特徴について解説していきます。
目次
用地調査点検等技術業務とはどんな仕事?
用地調査点検等技術業務とは、国や自治体の公共事業のための土地取得などに伴って発生する「用地測量業務」や、「用地調査等業務」、「補償金額の算定等業務」の進捗状況を確認する業務です。
また、用地調査等業務の成果物(調査書)の点検・調製(作成)も、主な業務内容となります。
いわば、用地取得の「工程管理」と用地調査の「取りまとめ」を担う業務と言えるでしょう。
用地調査点検等技術業務に必要なスキル・資格
建設コンサルタントや、補償コンサルタントと呼ばれる企業が主に請け負っていることが多いです。
ただし入札に当たっては、全ての建設コンサルタントが参加できるわけではなく、補償関連部門か総合補償部門のいずれかを有する必要があります。
中でも主担当者は7年以上の実務経験か、もしくは日本補償コンサルタント協会の有資格者であること等が求められるように、知識と経験の必要な業務でもあります。
「用地調査業務」「用地補償総合技術業務」との違い
いずれも補償コンサルタント企業が主に請け負っていることが多い仕事ですが、初めて聞くと両者との違いが分かりにくいのではないでしょうか?
「用地調査業務」とは、事業予定地の権利調査、境界確認・測量、面積計算、用地実測図作成などの「調査実務」を指します。
対して、「用地補償総合技術業務」とは、用地取得に伴う、土地権利者に対する損失補償の交渉や、用地取得の早期進捗を図ることを目的とした業務で、いわば権利者との「交渉」に主眼を置いた業務です。
他に似た業務区分として「用地アセスメント調査等業務」があり、これは用地取得上で発生し得る様々なリスクを、構想計画段階で事前に明らかにするための業務です。
いずれも関連する業務のため、覚えておくと良いでしょう。
具体的な業務内容
用地調査点検等技術業務の詳しい内容は次の通りです。
・用地調査等の工程管理の補助
・調査書類の点検・調製
・用地関係資料の作成
・打ち合わせ記録簿の作成
・資料収集調査
・その他、必要に応じ現地確認調査 等
以上を見て分かる通り、調査業務のアウトプットとしての資料作成が、多くの業務割合を占めています。
ただし、現地確認や権利者との協議同行などのフィールドワークが必要となる局面もあります。
業務の魅力・向いている人の特徴
何といっても、公共事業の用地取得という重要な局面で、工程管理という立場で推進する一端を担うことは大きな魅力と言えるでしょう。
普段は資料作成の機会が多く、デスクワークが得意な方に向いた職業です。
一方で、事業用地に直接出向き、実施調査に参加する場面や、権利者と直接会話し、事業計画の説明・立ち会いを行うことも。
書類仕事に留まらない幅広い業務であることも、本業務の魅力のひとつです。
まとめ
公共事業において、用地確保は予定調和的に進まないことも多く、権利者含めた交渉やその工程管理は困難な仕事です。
その工程管理を一手に担い、スケジュールに遅滞なく事業を推進することは、用地調査点検等技術業務の役割であり、やりがいともいえます。
そのような経験と技術を活かして働きたい方は、業務に参画してみてはいかがでしょうか。