Construction column
国土交通省の行政事務補助業務とは?仕事内容と必要な資格や経験について紹介します!
2023.2.28
国土交通省の発注者支援業務の1つである行政事務補助業務。
行政事務補助業務は、国土交通省の職員が行う書類作成業務を補助したり支援したりする仕事を行います。
「行政事務補助業務で作成する書類にはどのようなものがあるの?」
そのような疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、国土交通省の行政事務補助業務がどのような仕事を行うのかについて詳しく解説していきます。
必要な資格や活かせる経験もあわせてチェックしてみてくださいね。
目次
国土交通省の行政事務補助業務とは
国土交通省の行政事務補助業務で行う仕事について詳しく解説していきます。
まず、国土交通省から公表されている「発注者支援業務・公物管理補助業務等の業務概要について」によると、発注者支援業務等一覧には「発注者支援業務等」と「その他」の2つがあります。
「発注者支援業務等」に含まれる業務は「発注者支援業務」「公物管理補助業務」「用地補償総合技術業務」の3つです。
「その他」に含まれる業務は「工事監督支援業務に準ずる業務」「行政事務補助業務」の2つです。
ここからは、行政事務補助業務の仕事内容や職場環境について詳しくみていきましょう。
国土交通省 関東地方整備局|発注者支援業務・公物管理補助業務等の業務概要について
仕事内容
行政事務補助業務は、次の4つの業務に分類されています。
・調査設計資料作成業務
・用地調査点検等技術業務
・裁決申請等関係資料作成整理等業務
・災害復旧用地関係資料作成整理等業務
道路や河川などの事務所や発注課によって業務内容に違いがありますが、一般的には国土交通省の職員が作成する資料の作成補助と支援を行うのが行政事務補助業務で行う仕事です。
資料の作成補助や支援の例には、次のような仕事があります。
・図面の修正
・見積の依頼と比較表の作成
・周辺住民や報道機関への資料の作成
・稟議書類の作成
・見学会や説明会の補助
ここからは、それぞれの業務の仕事内容について詳しくみていきましょう。
調査設計資料作成業務
調査設計資料作成業務で行う主な仕事は次の通りです。
・施工計画立案に関して資料を取りまとめる
・工事を発注するために必要な図面や数量に関する資料を作成する
・設計に用いる検討資料を作成する
・協議資料を作成する
・地元説明で必要となる資料を作成する
・予算要求の資料を作成する
・入札契約の手続きに関する資料を作成する
「工事を発注するために必要な図面や数量に関する資料を作成する」について、調査設計資料作成業務で担当するのは数量の入力を行うことであり工事の積算の補助です。
間接工事費などを計上しなくても良い積算技術用システムがあるため、その積算システムに数量を入力し資料を作成します。
「入札契約の手続きに関する資料を作成する」について、発注者の指示に基づき公示資料等を作成したり、データ入力と出力データの管理をしたりします。
公示資料等が発注者の指示と合っているか、ガイドラインとの整合性は取れているかを確認することも重要な仕事です。
事務連絡や通達との整合性も確認する必要があります。
他にも、実績データや参加表明書に記載されている内容、評価結果などの整合性についても確認します。
用地調査点検等技術業務
用地調査点検等技術業務は、土地の取得の際に測量や調査を行なったり、補償金額の算定等における工程管理の補助を行なったりします。
また、成果の点検や調整確認、用地関係の資料を作成するのも業務の1つです。
裁決申請等関係資料作成整理等業務
裁決申請等関係資料作成整理等業務は、土地の収用や使用の裁決申請に関する資料や明渡裁決の申立て等に関する資料を作成したり整理したりします。
災害復旧用地関係資料作成整理等業務
災害復旧用地関係資料作成整理等業務は、災害復旧事業のための土地の取得や災害の補償等に関する資料を作成したり整理したりします。
国土交通省 関東地方整備局|発注者支援業務・公物管理補助業務等の方針について
職場環境
行政事務補助業務の職場環境の特徴をご紹介します。
行政事務補助業務は国土交通省の就業体制に準拠するため、土日祝祭日は休日です。
勤務場所は国土交通省の庁舎内となり、同様の業務を行なっている他社の職員がいる場合は一緒に業務を進めることになります。
業務によっては現地調査を行うこともありますが、事務所内で仕事を行う割合が高いです。
ただし、地震や豪雨などの自然災害が発生した場合は、休日や深夜の時間帯であっても出勤する場合もあります。
行政事務補助業務で必要な資格
行政事務補助業務では、どのような資格が必要になるのでしょうか。
ここからは、行政事務補助業務で必要となる資格について解説していきます。
行政事務補助業務に含まれる調査設計資料作成業務において、配置予定担当技術者として業務を行う際に必要となる資格は次の通りです。
・技術士(総合技術監理部門(建設)または建設部門)、技術士補(建設部門)
・1級土木施工管理技士、1級土木施工管理技士補または2級土木施工管理技士
・土木学会特別上級土木技術者、土木学会上級土木技術者、土木学会1級土木技術者または土木学会2級土木技術者
・一般社団法人 全日本建設技術協会認定の公共工事品質確保技術者(Ⅰ)または(Ⅱ)
・RCCMまたはRCCMと同等の能力を有する者(ただし技術士部門と同様の部門に限る)
・同種業務または類似業務の実務経験が1年以上
・河川または道路関係の技術的行政経験が5年以上
上記のように、行政事務補助業務の調査設計資料作成業務で配置予定担当技術者として仕事を行う場合は、特定の資格と実務経験、技術的行政経験が求められます。
技術的行政経験とは、国・都道府県・政令市・特殊法人などで職員 として従事した経験のことをいいます。
国土交通省 関東地方整備局|発注者支援業務・公物管理補助業務等の方針について
行政事務補助業務に活かせる経験
行政事務補助業務に活かせる経験には、どのようなものがあるのでしょうか。
ここからは、行政事務補助業務に活かせる経験について解説していきます。
施工管理の経験
行政事務補助業務では、施工管理の経験を大きく活かせます。
土木に関しての幅広い知識があることで業務をスムーズに進められるため、施工管理の経験があれば有利になるのです。
「施工計画の立案の際にはどのような資料を取りまとめればよいのか」「発注図面と数量は間違っていないか」など、これまでの経験を活かして仕事を進められます。
ただし、もし施工管理の経験が浅い場合でも行政事務補助業務の仕事を行うことは可能です。
そのため、数多くある発注者支援業務の中でも、資格取得を目指す技術者が挑戦できるのが行政事務補業務であるといえます。
CADの操作
CADの操作ができる方は、行政事務補助業務において活躍しやすいです。
行政事務補助業務では図面の作成や修正も多いため、CADの操作ができれば仕事が進めやすいです。
また、CADデータを印刷したり変換したりすることもあります。
行政事務補助業務を行う際、設計者のような高い技術が求められることはありませんが、CADの基本的な操作ができると業務に困ることはないでしょう。
表計算ソフトやワープロソフトの操作
行政事務補助業務では、表計算ソフトやワープロソフトの使用頻度が高いです。
そのため、操作に慣れている方は仕事を円滑に進められます。
たとえば、表計算ソフトで数量を算出した経験がある方やワープロソフトで説明資料を作成した経験がある方は強みになります。
PhotoshopやIllustratorの操作
PhotoshopやIllustratorなどのソフトを操作できる方は、行政事務補助業務でも大きく役立ちます。
行政事務補助業務では、周辺住民へ配布するチラシを作成したり、報道機関への資料を作成したりすることもあるのです。
そのため、画像や写真を綺麗に加工してポスターやチラシを作成できるPhotoshopやIllustratorを使える方は業務の幅を広げられます。
まとめ
今回の記事では、国土交通省の行政事務補助業務の仕事内容、必要な資格と活かせる経験について解説しました。
行政事務補助業務は、道路や河川をはじめとした構造物の維持や修繕、国土交通省の働き方改革によって今後も需要が高まる仕事といえます。
「仕事をしながら資格取得を目指したい」「民間の施工管理経験を活かして仕事がしたい」
といった方におすすめなのが行政事務補助業務です。
ぜひ、国土交通省の行政事務補助業務について理解を深めてみてくださいね。