Construction column
土木管理施工の仕事はなぜきついと言われるのか?どんなやりがいがある?
2023.2.11
建設系の企業や工事現場などで働いていれば「土木管理施工」という言葉や実際にその職に就いている人と接したことがある方がほとんどかと思います。
忙しい、きついといったイメージが強い職ではありますが、実際に土木管理施工者として働いている人からは「この仕事ならではのやりがいを感じられる」といった声も多くあります。
この記事では土木管理施工の仕事内容や大変な面、魅力的な面を併せてご紹介していきます。
目次
土木管理施工の仕事内容とは
土木管理施工の仕事としては、工事現場において4大管理といわれる「安全管理」「品質管理」「工程管理」「原価管理」というこれらの内容を管理するのがメインの業務です。
実際の現場では作業員に指示を出したり、現場の様子を見ながら図面の修正をしたりすることが多く、その他にも駐車場の確保や担当者との打ち合わせなども行います。
現場が終わった後には、事務所で工事過程のレポートや、クライアントに提出する書類の作成といった事務作業も行います。
このように、現場作業が始まる前から無事に工事が完了するまでの過程の間で、先ほど説明した4大管理の業務を全てこなすのが土木管理施工の仕事です。
なぜ土木管理施工の仕事はきついと言われるのか?
それでは、なぜ土木管理施工の仕事がきついと言われるのか、その理由についていくつかご紹介します。
事務作業が多い
上記でも少し記載したように、土木管理施工の仕事は現場にいる時間と同じくらい事務作業に追われてしまうことがあります。特に国や地方自治体が発注する公共工事では、役所の調査が入ったり、変更点があった際にはその都度書類の提出を求められることも少なくありません。こういった面で自然とパソコンに向かっている時間が多くなってしまう傾向にあります。
勤務時間が長い
工事現場が朝の8時や9時などの早い時間帯から始まっているのを皆さんも見たことがあるかと思います。土木施工管理の担当者は施工作業はしないものの、工事現場内にある事務所や会社などで別の管理作業を行っていることがほとんどです。その日の工事が終わった後も書類の整理などがあるため、必然的に作業員の人たちよりも勤務時間が長くなります。
現場での安全管理が大変
どれだけ安全管理に注意を払っていても、高い場所での作業や、狭い場所での作業には危険が伴い事故も起きやすくなります。クレーンなどの大きい重機を扱う際にも周辺の道路の安全を確保する必要があるので、常に緊張感・責任感に追われてしまうことが多いです。
天候に左右されやすい
土木工事は、屋根のない環境で工事する場合がほとんどなので、急な雨や雪、台風などの天候に左右されやすい面があります。そうなると工事の進捗に支障がでるため、休日返上で対応する必要があります。納品日や工期の変更をすることは難しいので、ギリギリまで作業に追われてしまうことも珍しくありません。
転勤が多い
公共工事が多い土木工事は大規模プロジェクトなことが多く、急に転勤が決まることがあります。全国に展開している会社であれば、都心部だけでなく地方の方に配置されることもあり、滞在期間もそれぞれなので単身赴任で勤める人も多いです。
現場での人間関係が大変
1つの工事現場では発注者の他に元請け会社、協力会社など多くの人が携わっています。土木施工管理は中間管理職であることから、そういったさまざまな立場の人たちと接する機会が多くあります。プロジェクトが大規模であるほど関係者も増えてくるので、良い関係を築くのに苦労するといった声があります。
土木管理施工にはどんなやりがいがある?
ここからは土木管理施工の仕事をやってて良かった、と感じられるやりがいについていくつかご紹介します。
工事が終わった時の達成感
何もないゼロの状態から携わっているため、無事に工事が完了し終わった時の達成感は他の仕事ではなかなか体験できないもの。こうした「ものづくり」は工期や人間関係が大変な反面、完成した時には発注者や協力会社なども含めた慰労会でお互いをねぎらうこともあります。
コミュニケーションが楽しめる
あらゆる立場の関係者がいるからこそ、普段の生活では関わることのない人とコミュニケーションが取れる貴重な機会でもあります。
中間管理職なので、発注側・受注側の立場、視線で物事を見極めるスキルも身に付けられますし、人との連携を通じて得られる学びは他の仕事やプライベートにも役立つことが多いです。
地域や社会に貢献できる
土木工事は私たちの生活を支えるインフラの整備を担う仕事なので地域や社会への貢献度が高く、このような面にやりがいを感じる人は多くいます。
道路やトンネルなどは後々地図にも残るものですし、自然災害が発生した時にはその復旧工事に携わることで地域復興にもつながります。
高い給与を得られる
土木管理施工の仕事は労働時間が長く、多くのスキルを求められることから、業界内の他の職種よりも高い給与が期待できます。
平均年収が400〜600万で、土木施工管理技士の資格を持っている場合には手当てが発生することもあります。転勤が多い職である分、赴任手当や寒冷地手当などによって年収が上がることも珍しくありません。
土木管理施工の仕事はどんな人に向いている?
土木管理施工の仕事に向いている人の特徴として以下のような点が挙げられます。
・コツコツと作業ができる
・細かいところまで気が付ける
・人と接するのが好き
・トラブルが起きても慌てない
・向上心がある
土木管理施工の仕事は事務仕事、多くの人との人間関係の構築、現場の把握および修正などマルチスキルが求められます。どれか1つでも欠けてしまうと仕事に支障が出てしまうので、1つ1つの業務を丁寧にこなすことが重要となってきます。
特に、コミュニケーション能力が高い人やリーダーシップ力がある人はこの職に向いています。このようなスキルは業務を通して自然と身につくスキルでもあるので、ちょっと自信ないけど、という人も挑戦する価値は存分にあります。
土木管理施工にとって労働環境の整った企業を見つけよう
やることが多い土木管理施工の仕事においては、会社のサポート体制が働きやすさに大きく関係してきます。良い企業と出会うために以下のような点を意識して求人を探してみましょう。
上司の理解・サポートがある
工事期間中はなかなか休みづらい管理施工の仕事。ですが、上司が現場の進行具合や自分の仕事内容を把握しており、かつ労働環境に配慮している人であれば気兼ねなく休むことができます。
会社のシステムが整っている
例えば必要書類のやりとりをファイル化したり、現場の進行具合を会社のシステム上で確認することができれば、会社と現場間の無駄な行き来を減らすことができます。
アナログな会社ではそれだけで時間と労力を費やしてしまうのである程度ネットシステムが整っている会社を選びましょう。
公共工事を多く取り扱っている
公共工事は週休2日制といったある程度の規制があり、工期も余裕をもって設定されていることが多いです。民間工事よりも、切羽詰まった状況になりにくいので、比較的働きやすいといえます。
土木管理施工になるには
土木管理施工の職を希望する場合には、国家資格である「土木施工管理技士」の取得が必要です。
この土木施工管理技士の資格には1級・2級とあり受験するには実務経験が必須ですので、入社後に資格取得を推奨する企業も多くあります。
全ての建設工事現場では「2級以上の施工管理技士の有資格者を1名以上置くこと」が法律で定められています。よって有資格者ほど携われる現場が多く、スキルアップ、給与アップにつながる可能性が高まります。今後転職を考えている際には自己PRとしても活用できるので取得しておくのが良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?都市開発の一環として新しい道路やトンネル開発で需要は高まっているものの、高齢化によって人材不足の傾向にある建設業界。
いまだに労働時間が長い、仕事がきついといったイメージが強いこともあり、近年では労働環境を見直している企業も増えています。これから建設業界を目指している人、さらに良い企業への転職を考えている人にとっては絶好の機会ともいえますので、ぜひ土木管理施工の職も前向きに検討してみてくださいね。