Construction column
施工管理はなくなる?業界の現状や将来性を解説します。
2024.1.25
AIの登場によってデジタル化が進み、建設業界の仕事のあり方も大きく変わりつつある昨今。
施工管理の仕事はどのように変わっていくのでしょうか。
この記事では、建設業界の現状と将来や、施工管理の仕事の変化を解説していきます。
最後まで読むことで、施工管理の現状や将来性について分かるようになりますよ。
目次
建設業界の現状
それではまず、建設業界の現状から見ていきましょう。
建設業界について詳しく解説した記事はこちら↓
建設業の主な職種にはどのようなものがある?仕事の内容と特徴も解説
景気循環と市場動向
建設業界は景気循環に強く影響を受けます。
好景気時には住宅建設や商業施設の新築が増加し、逆に不景気時には需要が低迷します。
近年では都市化の進展やインフラ整備の需要が一定の安定をもたらしていますが、地域や国によって異なる市場動向が見られます。
都市化と住宅需要
急速な都市化が進む現在、住宅の需要が高まっています。
特に都市部では、人口増加や経済発展に伴い住宅不足が顕著になっています。
高層ビルや集合住宅、持続可能な住宅など、多様な形態の住宅が求められています。
インフラ整備と公共事業
交通インフラ、エネルギー供給、水道施設などの公共インフラ整備は、国の発展に不可欠です。
特に経済発展の著しい地域では、これらの工事が大きな市場を形成しています。
また、持続可能なインフラの構築が重視されています。
技術革新とデジタル化
建設業界でも技術の進化とデジタル化が進んでいます。
建築情報モデリング(BIM)の活用、ドローンやセンサー技術の導入、建設ロボットの利用などが増加しています。
これにより、効率の向上や工程管理の精度向上が期待されています。
施工管理は人手不足
ここまで建設業界の現状について触れてきましたが、建設業界は全体的に人手不足であることは否めません。
まず、人材不足の背景にはいくつかの要因が挙げられます。
一つは、建設業界の需要が急増していることです。
都市化やインフラ整備、住宅需要の増加などに伴い、多くの工事が同時に進行しています。
この急激な需要増加に対して、適切な人材の確保が追いついていない状況が続いています。
また高齢化と若年層の不足も、人材不足の要因となっています。
施工管理者となるには経験やスキルが必要であり、そのためには時間がかかります。
しかし高齢の施工管理者が引退する一方で、若年層からの新しい人材が追いついていないのが現状です。
これが、業界全体のキャリア形成とバランスを乱しています。
人材不足が業界にもたらす影響
この人材不足が建設業界にもたらす影響は大きいです。
まず工事の遅延や品質低下といったリスクが高まります。
施工管理においては、工事全体を統括し、スケジュールの管理や品質の維持に責任を持たなければなりませんが、人手不足により適切な監督ができないと、問題が発生しやすくなります。
また労働市場において需要と供給のアンバランスが生じ、優秀な人材の採用が難しくなっています。
これが競争を激化させ、企業間での人材争奪戦が勃発しています。
企業は優秀な人材を確保するために高い給与や福利厚生を提供する一方で、これがコストの上昇を招く原因ともなっています。
人材不足を解消するには
解決策としては、若年層への施工管理者の養成やキャリア形成のサポートが重要です。
教育機関や業界団体が協力し、実践的なトレーニングや研修プログラムを提供することで、新しい人材を育成する環境整備が求められています。
同時に、働き方やキャリアパスの魅力をアピールすることで、若い労働力の確保が期待されます。
総じて、施工管理の人材不足は建設業界における大きな懸念事項であり、業界全体が協力して効果的な対策を講じることが求められています。
施工管理について詳しく解説した記事はこちら↓
これからの建設業でAIの及ぼす影響は大きい
さて建設業の現状について見てきましたが、これからの業界はどうなっていくのでしょうか。
現在は、チャットGPTなどのAI(人工知能)技術の発展が著しく、将来的に建設業界においても多用されることでしょう。
もっと言えば、AIはこの先の建設業界において様々な分野で活用され、効率向上や工程管理、安全性の向上などに貢献することが予想できます。
そのためAI技術について触れずに、建設業のこれからは語れません。
ここからは、建設業界でAIがどのように活用されるか見ていきましょう。
データ分析と予測
AIは膨大なデータを処理し、建設工事におけるパフォーマンスの向上やリスクの予測に役立っています。
過去の工事データや気象データなどを活用し、リアルタイムでの予測を行うことで、スケジュールやコストの見積もりの精度向上が期待できます。
建築情報モデリング(BIM)
BIMは建設工事の全体像をデジタルでモデル化する技術であり、AIと組み合わせることで、設計や施工のプロセスを最適化できます。
AIがBIMデータを解析し、設計の問題点やコスト効率の改善点を特定することが可能です。
ドローンとセンサーの技術
ドローンやセンサーを利用したデータ収集は、建設現場のモニタリングや監視に役立っています。
AIはこれらのデータを解析して、施工進捗の可視化や効率的なリソース配置の提案など、リアルタイムでの意思決定をサポートします。
品質管理と安全対策
AIは画像認識技術を活用して施工現場の品質を検査し、不具合や欠陥を自動的に検知することができます。
また、センサーデータを解析して作業者の安全をモニタリングし、危険な状況を事前に警告するなど、安全性の向上に用いられるでしょう。
労働力の補完
AIは単純作業や危険な作業を代替する形で労働力を補います。
建設ロボットや自動運転車両などが導入され、人間が難しい環境での作業を行います。
これにより生産性向上と同時に、作業者の安全性も向上させます。
カスタマーエクスペリエンスの向上
AIは建築デザインや顧客サービスにも活用され、クライアントとのコミュニケーションを強化します。
VR(仮想現実)やAR(拡張現実)を活用して建物の仮想ツアーを提供したり、デザインの可視化を行ったりすることで、クライアントとの協力をスムーズに進めます。
総じて、AIの建設業界での活用は、効率性の向上や安全性の向上、データ駆動の意思決定などに大きな影響を与えることでしょう。
将来的には、これらの技術が一層進化し、建設の流れ全体を変えていくことが期待されています。
施工管理で働くなら発注者支援業務
さてここまで、建設業の現状や将来性を見てきました。
建設業においてはデジタル化の波がきており、これから大きく働き方が変わりそうです。
施工管理の仕事も、現場での働き方に変化が出てくるでしょう。
ドローンやAIが、人の代わりに行う仕事が増え、人はより生産的な業務につくことが求められます。
もしも施工管理で良い求人を探しているのであれば、「発注者支援業務」はオススメです。
工事を発注する国や都道府県などの役所の業務をサポートする仕事で、公共性が高いことが特徴です。
その公共性の高さから、みなし公務員と呼ばれており、給与や福利厚生などの待遇も公務員に近いことから人気が高まっています。
また官公庁と連携を取りながら業務を進めていくため、一般的な施工管理業務と比べ公務に近く専門的な業務にも当たれることでしょう。
発注者支援業務について詳しく解説した記事はこちら↓