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建設コラム

発注者支援業務の発注者は国土交通省だけじゃない?発注者支援業務の発注者について徹底解説!

2023.6.24

発注者支援業務

発注者支援業務は、「国や地方公共団体などの官公庁が発注する公共事業の発注業務をサポート」する仕事のことを言います。

公共事業の発注者と聞くと、真っ先に思い浮かぶのが国土交通省ではないでしょうか。

しかし、発注者支援業務の発注者は、国土交通省だけではありません。

本コラムでは、発注者支援業務の発注者にはどのような所があるのか、またその大部分を占める官公庁からの仕事内容について詳しく解説します。

発注者支援業務の主な発注者は4つ

発注者支援業務の発注者は、冒頭でも述べさせていただいた通り、国や地方公共団体などがメインです。

しかし、国や地方公共団体以外にも発注者支援業務の発注者は存在します。

ここでは、発注者支援業務の主要な発注者を4つ紹介していきます。4つの主要な発注者は以下の通りです。

  • 特殊法人
  • 地方公共団体
  • 地方公社

それでは、それぞれについて解説していきます。

発注者支援業務の発注者として真っ先に思い浮かぶのが「国」です。発注者支援事業の最大の発注者と言っても過言ではないでしょう。

国の中でも、発注量の大部分を占めるのが「国土交通省」です。

国土交通省が発注する発注者支援業務は、仕事内容が多岐にわたる(仕事内容については、別の章で解説)ため、発注量も多くなっています。

国の発注者支援業務の発注者となるのは、国土交通省だけではありません。

「農林水産省」と「防衛省」も発注者支援業務の発注者として知られており、国土交通省とあわせ、この3つの省が国の発注者支援業務の主要な発注者になります。

特殊法人

特殊法人とは、日本の法律に基づき特定の公共的な目的や特殊な事業を達成するために設立された法人です。

これらは特定の法律、つまり「特別法」によって設立され、公的な機能を果たすことが期待されています。

特殊法人は、民間企業とは異なり政府が100%出資しているのが特徴で、予算や事業計画には主務大臣の認可が必要です。

特殊法人の行う業務は、一般的には民間企業には解決しきれない課題や、公共の利益を求めるための活動となります。

特殊法人の例として挙げられるのは、日本赤十字社・日本放送協会(NHK)などです。

これらの特殊法人は多岐にわたる分野で活動しており、公共工事の実施やインフラ整備、技術開発といった業務を担当することもあるため、発注者支援業務の発注者となります。

地方公共団体

地方公共団体とは、日本国内の都道府県や市区町村の統括を行う行政機関です。

地方公共団体には、普通地方公共団体と特別地方公共団体(特別区や財産区、地方開発事業団)の2種類があります。

公共事業の一部は、地方公共団体がその責任を持ち、プロジェクトとして進めることがあります。

例えば、都道府県の場合は、県道の整備や二級河川の整備であり、市区町村の場合は、市道の整備や公共下水道の整備などです。

地方公共団体も、国と同様に公共事業の発注者としての大きな役割を担っています。

地方公社

地方公社とは、都道府県や市町村などの地方公共団体が公共的な事業を行うために設立した法人です。

地方公社は、地方公共団体から出資や貸し付け、補助、債務補償などを受けていることが一般的です。

その目的は地方自治体が行っている公共サービスをより効率的かつ専門的に提供することにあります。

地方公社は、公共用地に関することや住宅、道路などの事業を担当しており、多数設立されています。

これらの業務は、地方公社がその専門知識と経験を活用して遂行し、地方自治体のサービスを高めることが目的です。

例としては、道路公社、土地開発公社、住宅供給公社などが挙げられます。

道路公社は、高速道路以外の有料道路を作り、土地開発公社は公共用地の取得や土地を有効活用するために造成し、住宅供給公社は公営住宅を建設するのが仕事です。

これらの事業は、公共事業としての色合いが強いため発注者支援業務が発生することになります。

このことから、地方公社も発注者支援業務の発注者となります。

国の主な発注者は国土交通省・農林水産省・防衛省の3つ

発注者支援業務の主要な発注者についてはご理解いただけたでしょうか。

国や地方公共団体以外にも特殊法人や地方公社が発注者となりますが、発注量の多さではやはり国が大きな割合を占めます。

その中でも、国土交通省は群を抜いて発注量が多く、次いで農林水産省、防衛省が同じくらいとされています。

ここでは、国の主な発注者である国土交通省、農林水産省、防衛省が発注する主な仕事内容を解説します。

国土交通省の発注する主な仕事内容

国土交通省では、以下の7つの工事を発注しています。

  • 道路工事
  • 河川工事
  • 砂防工事
  • ダム管理
  • 公園整備
  • 建築物の営造、修繕(営繕)
  • 港湾・空港工事

道路工事は、国道などに関する内容の工事を行い、河川工事は一級河川の工事を行います。

一級河川とは、国土保全上または国民経済上で特に重要な水系のうち、国土交通大臣が指定した河川のことです。

砂防工事は、土砂災害や土石流などを防ぐために行われる工事を指します。砂防や貯水、治水を目的として、河川や渓谷を横断して作られる堤防である砂防ダム(砂防堰堤)を作ります。

ダム管理は、完成したダムの管理を行う仕事です。国土交通省で新しいダムを作ることはなかなかありません。

国で管理している公園の整備を行うのが公園整備であり、国土交通省の官舎の建設や、完成後の修繕などのメンテナスを行うのが営繕の仕事です。

そして、港湾や空港に関する工事を行っています。

農林水産省の発注する主な仕事内容

農林水産省では、農業と林業、水産業を取り扱っていますが、工事として多いのは農業分野です。

そのため、農林水産省が発注する主な仕事内容は以下の3つが代表的なものになります。

  • 農道
  • 田んぼや畑の整備(圃場整備)
  • 溜め池工事

農道とは、農業従事者のために整備された道路のことです。一般の車も通行できるため他の道路との区別が難しいと言えます。

しかし、本来は農業従事者のために農林水産省が整備した道路です。

田んぼや畑の形などがバラバラだと効率良く農業ができません。そこで、農林水産省は、田んぼや畑を整備(圃場整備)し、効率の良い農業ができるようにします。

溜め池は、農業用水を溜めておく場所のことです。小さなダムのように見えますが、コンクリートで作るのではなく、土を盛って池を作るというイメージが近いかもしれません。

防衛省の発注する主な仕事内容

防衛省が発注する仕事内容は、基地に関するものが多く、実際に基地内で行うものが圧倒的に多いと言えます。

防衛省が発注する代表的な仕事の内容は以下の3つです。

  • 基地内の滑走路等の整備
  • 基地内の宿舎・官舎の整備
  • 格納庫等の整備

自衛隊の基地内にある滑走路等の整備は、防衛省からの発注で行われますし、基地内の宿舎や官舎、格納庫等の整備も同様です。

防衛省から発注される仕事については、基地内での作業が多くなるため、セキュリティ面で非常に細かいチェックが行われる特徴があります。

なぜ国土交通省の年間発注件数は多いのか

国の発注者の中でも特に発注量が多いのは、国土交通省です。その理由は一体、何でしょうか。

もともと、建設省と運輸省という2つの独立した省がありましたが、2001年の中央省庁再編により両省が1つになり、国土交通省となりました。

建設省は国土開発や地方計画としての河川・道路・上下水道などの公共事業の他、住宅や土地政策、都市計画、建設産業の指導・監督などに関する行政事務を担当していました。

そして、運輸省は水・陸・海・空の交通や運輸に関わる行政はもちろん、外局の気象庁が行う気象業務、海上保安庁が行う海上の安全および治安の維持に至るまで幅広く担当していたのです。

再編前から業務量の多かった建設省の仕事にあわせ、運輸省が担っていた業務を担当することになり、より多くの仕事を行う必要に迫られました。

そのため、国土交通省の年間発注件数が多いと考えられます。

まとめ

発注者支援業務は主に国が発注者となりますが、その他にも特殊法人や地方公共団体、地方公社も発注者となることがあることが分かっていただけたと思います。

そして、その中でも国土交通省が発注者支援業務の大部分を発注していることもご理解いただけたのではないでしょうか。

発注者支援業務は、公共事業に携わる機関や団体から発注されます。

公共事業は、市民生活に関わる重要な仕事です。発注者がどこであれ、発注者支援業務に携わることは、多くの人々の生活に深く関わる大事な仕事であることを意識しておきましょう。

発注者支援業務は公共事業の発注業務をサポートする仕事であり、公務員と同じような年間休日や勤務時間など職場環境も整っているため、安定的な仕事であることも魅力のひとつです。

興味がある方は、国民の生活を支えるインフラ整備に関われる「発注者支援業務」の仕事に携わってみませんか。

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