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建設コラム

NEXCOと国土交通省で工事監督業務の違いはある?業務内容の違いやメリット・デメリットを解説!

2023.6.18

NEXCO 発注者支援業務

発注者支援業務の主な発注者と聞いて思い浮かぶのは、「NEXCO(ネクスコ)」と「国土交通省」だと思います。

それでは、「NEXCO」と「国土交通省」における発注者支援業務の業務内容について異なる点はあるのでしょうか。

本コラムでは、2つの主要な発注者における発注者支援業務の中でも、工事監督業務に関する違いを解説します。

NEXCOとは

まずは、発注者支援業務を行う上で、国土交通省と同じく主要な発注者として知られているNEXCOについて簡単ではありますが解説します。

NEXCOは2005年10月1日、日本道路公団が分割民営化されたことで発足した、「NEXCO東日本」「NEXCO中日本」「NEXCO西日本」の3社の総称です。

なお、NEXCOの名称は、「Nippon Expressway Company Limited」の頭文字から名付けられました。

「Next(次なる)」と「Co(共にという意味の接頭語)」の意味も包括されているそうです。

3社共通の事業としては、高速道路の管理・修繕、交通管理、渋滞対策、料金収受、危機管理(災害対策)を行っています。

高速道路の利便性の向上を図り、ドライバーの安全を守ることがNEXCOの仕事と言えるでしょう。

そのため、高速道路の新設や定期的なメンテナンス、災害時の復旧工事などにおいて、発注者支援業務の発注者となります。

工事監督支援業務とは

ここからは、発注者支援業務の一つである工事監督業務について解説します。

工事監督業務とは、高品質の工作物を完成させることを目的として、発注者と施行業者の間を取り持ち、工事の調整や支援を行う業務です。

発注者支援業務のメインとなる業務と言っても過言ではなく、具体的には以下のような仕事を行います。

  • 材料の個数、規格の確認
  • 完成した構造物の出来形や品質の検査

つまり、工事が着工してから引き渡すまでの間、全工程において工事監督の支援を行います。

また、施工業者から提出された資料と現場状況の照合を行ったり、設計変更協議用の資料の作成を支援したり、それらに付随する業務の支援を行います。

工事は、施行計画や設計図書に則して進むのが基本です。しかし、不測の事態が発生する可能性もあります。

このような事態に陥った場合には、発注者に代わり現場の状況を迅速に確認し、工事が遅滞なく進むように調整することも重要な業務です。

NEXCOと国土交通省の工事監督業務の大きな違い

NEXCOと国土交通省が、発注者支援事業の主要な発注者であることは冒頭でも述べさせていただきました。

両者ともに、発注者支援事業として工事監督業務を行うことがありますので、ほとんどの人が同じ内容の業務をするのだろうと考えているかもしれません。

しかし、実際にはNEXCOと国土交通省の工事監督業務には、大きな違いがあります。その大きな違いとは何でしょうか?

ここでは、NEXCOと国土交通省の工事監督業務の違いについて解説します。

NEXCOでは積算業務と工事監督業務を一貫して担当する

NEXCOと国土交通省で行われる、工事監督業務について大きな違いといえば、たった一つと言えます。

それは、NEXCOで行う工事監督業務には「積算」まで行う必要があるということです。

国土交通省の場合は、ある人物が積算業務を担当し、別の人物が工事監督業務を行うというように、積算業務と工事監督業務が分担されています。

一方、NEXCOの場合は、担当者が積算業務から工事監督業務までを一貫して行うのです。

当然のことではありますが、積算業務を担当することになりますので、積算に伴って発生する数量拾いや特記仕様書の作成も含まれます。

このように、NEXCOの工事監督業務は、積算から工事監督までを一貫して一人の人物が担当するという違いがあるのです。

積算業務とは

ここで言う積算業務とは、正式名称を「積算技術業務」と言い、公共工事に必要な費用を算出することが主な仕事です。

費用を算出するためには、設計図面から数量を求める「数量拾い」を行います。

数量とは設計図面に記載された個数や設計寸法から求められる、長さや面積、体積などのことです。

その中には、作業員の作業量や時間なども含みます。

工事全体の費用を算出するためには、工事にかかるすべての数量を計算し、算出された数量に単価をかけなければいけません。

つまり、数量に抜けがあると工事費用に影響を及ぼす可能性があるため、かなり重要な業務と言えるでしょう。

積算業務と工事監督業務を一貫して担当するメリット

積算業務と工事監督業務を、一人の担当者が一貫して行うのは大変なことのように思われます。

そのため、両業務を一貫して行うことに、どのようなメリットがあるのか疑問に思う方もおられるでしょう。

そこで、NEXCOのように積算業務と工事監督業務を一貫して行う場合に、どのようなメリットがあるのか解説します。

両業務を一貫して行うことのメリットは、スキル面の向上につながることです。

国土交通省から発注された工事監督業務でも、数量拾いならば行うことがあるかもしれませんが、積算業務を行うことはありません。

そのため、業務の幅やスキルの広がりについては、長い年数をかけても限界があります。

一方で、NEXCOでは、積算業務と工事監督業務の両方を行うことで、工事監督業務のスキルだけでなく、積算業務のスキルを身につけることが可能です。

このように、NEXCOで工事監督業務を行う場合、業務の幅やスキル面を広げることができるというメリットが得られます。

積算業務と工事監督業務を一貫して担当するデメリット

両業務を行うことにはデメリットも存在します。その最たるものは、業務量の多さです。

NEXCOで工事監督業務を行う際には、当然、積算業務も含まれますので、発注段階から工事に携わることになります。

また、工事の施行段階だけでなく、費用算出から参加することになるため、工事のあらゆる面に精通していることも求められます。

積算業務において数量の抜けがあったことが施行段階で発覚し、影響が出た場合には新しい単価の算出を行わなければいけません。

その際には、受注側の請負代金にも影響が出るため、協議をする必要が出るなど、業務が膨らんでしまいます。

NEXCOの施行管理基準は体系が国の基準と少し異なるため、段階確認の際に臨場が多いとされています。

現場へ自ら赴いて、施工の段階や仕様通りの材料を使用しているかどうかの確認、立会いを行う必要があるため業務量が多くなるのです。

さらに、NEXCOの場合、「検測」と呼ばれる独自のシステムがあるため、その分、業務量が増えてしまいます。

検測とは文字通り、検査のための測量のことです。出来上がった工事物について、設計図面通りかどうか、状態に問題がないかどうかを測定して確認します。

例えば、高速道路の舗装を行った場合、舗装が完了した箇所を技術員がすべて測定し、確認するという作業を行わなくてはなりません。

このようにNEXCOの工事監督業務は、国土交通省のものより作業量が多くなり、負担が大きい点がデメリットとなります。

まとめ

NEXCOと国土交通省の発注者支援業務である工事監督業務には、違いがあることが分かっていただけたと思います。

国土交通省の場合、積算業務と工事監督業務が分かれているのに対し、NEXCOの場合は両業務を一貫して行わなくてはいけません。

そのため、NEXCOの工事監督業務の担当者は作業量が多くなり、その分負担も大きくなります。

その一方で、積算業務と工事監督業務の両方を担当することで、業務の幅が広がり、スキルの向上にもつながるメリットがあります。

さまざまな経験をしてみたいという方には、NEXCOの工事監督業務は最適だと言えるかもしれません。

このように、発注者支援業務は、国や都道府県などの自治体や、官公庁などが発注する公共事業の発注業務をサポートする仕事です。

公務員と同じような年間休日や勤務時間など職場環境も整っており、安定的な仕事であることも魅力のひとつでしょう。

興味がある方は、国民の生活を支えるインフラ整備に関われる「発注者支援業務」の仕事に携わってみませんか。

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